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無礼者の末路。
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ヒューブを乗せた馬車はミラティランド伯爵家屋敷に着いた。
馬車を下りて屋敷の扉を開けてもらうと、
「…やっぱりお貴族様は違うねぇ」
派手でケバケバしい装飾品や美術品こそ飾ってはなかったものの、それなりに価値のある重厚感ある飾り付けがしてあった。
もう、これだけで伯爵様のひととなりが分かろうと言うものだ。
執事のレイムさんに応接室に案内されて、伯爵様が来られるのを待っている。
テーブルには紅茶とクッキーが置いてあるので、部屋にいる侍女さんに「飲んでも良いんですか?」と目で訊ねると、侍女さんが頷いたので遠慮なくいただいた。
暫くして足音が聞こえてきた。
伯爵様にしては随分と荒々しい足音だなと不思議に思っていたら、ドアが乱暴に開かれて、ちょび髭に丸眼鏡の(言ったら悪いが、『貧相』な)中年男が入ってきた。
(まさか、これが伯爵様なのか?)
嘘だろうとビックリしていたら、その男性がいきなりヒューブに唾を吐きかけた。
「下賤の者が儂の前で人がましくしておるではないわ!跪け、平伏せ、無礼であろう、下郎めが!!」
「…………」
ヒューブは顔にかかった唾を拭いてゆっくりと立ち上がり…ブン殴った。
そのちょび髭クソ野郎は部屋の壁にメリ込み、ピクピクと痙攣している。
そいつの胸倉を掴んで引っ張り上げるとパンチラッシュが始まった。勿論手加減しているので死にはしないが、一発一発がオークくらいなら即死する程の威力なのを更に手加減しているので、殴られる度に瀕死の状態になるが、そこへ【リカバリー】をかけるので、死にはしないが死ぬほど痛い目にあうようにしている。
それが五分間も経っただろうか。
ちょび髭クソ野郎は上からも下からも洪水のように垂れ流して(何がとは聞かないで下さい)命乞いをしている所へ誰かが慌てて入ってきた。
その人は目の前の惨状を目の当たりにして、「遅かったか」という顔をした。
「誰だテメェは」
「私は、このルッテンローグ領の領主、ブライコフ・フォン・ミルフィナンド・ルッテンローグだ」
「伯爵様だったか。んで?コイツは誰なんです?」
「ヴェランザ男爵だ。何かヤラかしたようだね?」
「ええ。そりゃあもう派手にヤラかしてくれやがりましたとも。部屋に入ってくるなり唾を吐きつけて、下賤の者が人がましくするなとか、跪けとか平伏せとか無礼者とか下郎とか、そりゃあもう言いたい放題に言ってくれやがりましたよ」
「-------……」
ミルフィナンド伯爵は言葉もない様子で頭を抱えて項垂れてしまった。
暫くして、
「ルードリヒ。この馬鹿者を別の部屋に軟禁しておけ。叙爵式が終わるまでは絶対に出すな。後で私が直接話しをするからな。逆らうようなら少々手荒な真似をしても構わない」
「了解しました」
ルードリヒと呼ばれた護衛騎士が部下に命じて、ヴェランザ男爵を引き摺って行った。
「臭うな」
「確かにな。【クリーン】」
生活魔法でヴェランザ男爵が垂れ流した物を綺麗にすると、臭いがしなくなった。
「うん。これなら話しができるな」
「話し?俺はもう帰りたいんですけどね」
「まあまあ、落ち着いてくれ。君が怒るのも無理はないが、まずは座ってくれ」
伯爵様が宥めるように仰るので、渋々ながらソファーに座った。
「まずは、そうだね。ゲーゲンヒューバーくん。良くやった!感謝する!!」
いきなり「良くやった」と褒められたのには驚いた。
「あのクソ野郎は祖父の代からの寄り子だからと随分と偉そうにしくさりやがってたんだよ。私が何かしようとする度にアレやコレやと口出しばかりしやがるし、子爵に陞爵させろとクソうるさい奴でね。でも、アイツも今回の件でお終いだよ。このミルフィナンド伯爵家の恩人にして、私が招いた客人に対して無礼極まる振る舞いをしたんだからね。前々から悪い噂が聞こえていたから調べさせていたんだけど、調査次第では爵位剥奪、領地没収、家名断絶は確実だし、犯罪奴隷として鉱山送りになるかもしれないね。調査が終わるまでは軽犯牢に受牢させておくよ」
伯爵様は、これまでの鬱憤を吐き出すように一気に愚痴を溢して、言い終わると晴々とした顔でニコッと笑った。
馬車を下りて屋敷の扉を開けてもらうと、
「…やっぱりお貴族様は違うねぇ」
派手でケバケバしい装飾品や美術品こそ飾ってはなかったものの、それなりに価値のある重厚感ある飾り付けがしてあった。
もう、これだけで伯爵様のひととなりが分かろうと言うものだ。
執事のレイムさんに応接室に案内されて、伯爵様が来られるのを待っている。
テーブルには紅茶とクッキーが置いてあるので、部屋にいる侍女さんに「飲んでも良いんですか?」と目で訊ねると、侍女さんが頷いたので遠慮なくいただいた。
暫くして足音が聞こえてきた。
伯爵様にしては随分と荒々しい足音だなと不思議に思っていたら、ドアが乱暴に開かれて、ちょび髭に丸眼鏡の(言ったら悪いが、『貧相』な)中年男が入ってきた。
(まさか、これが伯爵様なのか?)
嘘だろうとビックリしていたら、その男性がいきなりヒューブに唾を吐きかけた。
「下賤の者が儂の前で人がましくしておるではないわ!跪け、平伏せ、無礼であろう、下郎めが!!」
「…………」
ヒューブは顔にかかった唾を拭いてゆっくりと立ち上がり…ブン殴った。
そのちょび髭クソ野郎は部屋の壁にメリ込み、ピクピクと痙攣している。
そいつの胸倉を掴んで引っ張り上げるとパンチラッシュが始まった。勿論手加減しているので死にはしないが、一発一発がオークくらいなら即死する程の威力なのを更に手加減しているので、殴られる度に瀕死の状態になるが、そこへ【リカバリー】をかけるので、死にはしないが死ぬほど痛い目にあうようにしている。
それが五分間も経っただろうか。
ちょび髭クソ野郎は上からも下からも洪水のように垂れ流して(何がとは聞かないで下さい)命乞いをしている所へ誰かが慌てて入ってきた。
その人は目の前の惨状を目の当たりにして、「遅かったか」という顔をした。
「誰だテメェは」
「私は、このルッテンローグ領の領主、ブライコフ・フォン・ミルフィナンド・ルッテンローグだ」
「伯爵様だったか。んで?コイツは誰なんです?」
「ヴェランザ男爵だ。何かヤラかしたようだね?」
「ええ。そりゃあもう派手にヤラかしてくれやがりましたとも。部屋に入ってくるなり唾を吐きつけて、下賤の者が人がましくするなとか、跪けとか平伏せとか無礼者とか下郎とか、そりゃあもう言いたい放題に言ってくれやがりましたよ」
「-------……」
ミルフィナンド伯爵は言葉もない様子で頭を抱えて項垂れてしまった。
暫くして、
「ルードリヒ。この馬鹿者を別の部屋に軟禁しておけ。叙爵式が終わるまでは絶対に出すな。後で私が直接話しをするからな。逆らうようなら少々手荒な真似をしても構わない」
「了解しました」
ルードリヒと呼ばれた護衛騎士が部下に命じて、ヴェランザ男爵を引き摺って行った。
「臭うな」
「確かにな。【クリーン】」
生活魔法でヴェランザ男爵が垂れ流した物を綺麗にすると、臭いがしなくなった。
「うん。これなら話しができるな」
「話し?俺はもう帰りたいんですけどね」
「まあまあ、落ち着いてくれ。君が怒るのも無理はないが、まずは座ってくれ」
伯爵様が宥めるように仰るので、渋々ながらソファーに座った。
「まずは、そうだね。ゲーゲンヒューバーくん。良くやった!感謝する!!」
いきなり「良くやった」と褒められたのには驚いた。
「あのクソ野郎は祖父の代からの寄り子だからと随分と偉そうにしくさりやがってたんだよ。私が何かしようとする度にアレやコレやと口出しばかりしやがるし、子爵に陞爵させろとクソうるさい奴でね。でも、アイツも今回の件でお終いだよ。このミルフィナンド伯爵家の恩人にして、私が招いた客人に対して無礼極まる振る舞いをしたんだからね。前々から悪い噂が聞こえていたから調べさせていたんだけど、調査次第では爵位剥奪、領地没収、家名断絶は確実だし、犯罪奴隷として鉱山送りになるかもしれないね。調査が終わるまでは軽犯牢に受牢させておくよ」
伯爵様は、これまでの鬱憤を吐き出すように一気に愚痴を溢して、言い終わると晴々とした顔でニコッと笑った。
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