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叙爵式。
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ヴェランザ男爵との一悶着にケリがついたところで、ヒューブの叙爵式が始まった。
と言っても王城ではないので謁見の間などという上等な部屋はない。その代わりにパーティー会場で式が行われた。
参列したのはミラディランド伯爵家の寄り子貴族のバルステン子爵、フォーマール男爵、サイネームス騎士爵の三人で、本当はここにヴェランザ男爵も加わる予定だったのだが、さっきの件で参列する事ができなくなった。
叙爵式とは言っても所詮は地方貴族による寄り子名誉騎士爵への叙爵式なので簡素なものだった。
式が終わると、バルステン子爵がミルフィナンド伯爵様に「ヴェランザ男爵はどこにいるのですか」と訊ねるのへ、伯爵様は涼しい顔で、「別室で休養中だ」と答え、更に「心配しなくてもいい。病気ではない。ただ、二度と生きて人前に出る事は出来なくなるかもしれないがな」と付け加えると、バルステン子爵ばかりか、フォーマール男爵とサイネームス騎士爵が満面の笑みを浮かべて「ソレハタイヘンデスナ」と完全な棒読みで鎮痛な表情を浮かべ…ようと必死になっているのが笑えた。
(あのクソ野郎。本当に嫌われてたんだな。これぞザマァだな)
別室での休養となった原因のヒューブは苦笑いしながら立食式のパーティーを楽しんでいた。
宴もたけなわ。
ここいらで贈り物を配ろうと、
「伯爵様、皆々様。恥ずかしながら皆様方にご挨拶の品々がございます。御笑納下されば幸いに存じます」
ニコニコしながら言うと、ミラティランド伯爵様達が「ほう」と感心したように頷いた。
ミラティランド伯爵にはミスリル製の長剣と短剣を。
バルステン子爵、フォーマール男爵、サイネームス騎士爵には、それぞれミスリル製の短剣を贈った。
ミスリルは稀少金属なので、相当な金額で取り引きされていて、王都から離れた地方では尚のこと高額になっているので、ミルフィナンド伯爵様達はかなり驚いていたが、とても喜んでいた。
ご夫人かたやご令息、ご令嬢かたにも宝石やアクセサリーを贈ったら、とても喜ばれた。
ヒューブは冒険者でありながらミルフィナンド伯爵家の寄り子貴族となったものの、義務と言えば、いざ戦争となったら必ず参戦しなければならないというものだけ。その他には寄り子貴族が開くお茶会にはなるべく参加してくれとミラティランド伯爵様に耳打ちされた。
これでヒューブの叙爵式は無事に終了した。
と言っても王城ではないので謁見の間などという上等な部屋はない。その代わりにパーティー会場で式が行われた。
参列したのはミラディランド伯爵家の寄り子貴族のバルステン子爵、フォーマール男爵、サイネームス騎士爵の三人で、本当はここにヴェランザ男爵も加わる予定だったのだが、さっきの件で参列する事ができなくなった。
叙爵式とは言っても所詮は地方貴族による寄り子名誉騎士爵への叙爵式なので簡素なものだった。
式が終わると、バルステン子爵がミルフィナンド伯爵様に「ヴェランザ男爵はどこにいるのですか」と訊ねるのへ、伯爵様は涼しい顔で、「別室で休養中だ」と答え、更に「心配しなくてもいい。病気ではない。ただ、二度と生きて人前に出る事は出来なくなるかもしれないがな」と付け加えると、バルステン子爵ばかりか、フォーマール男爵とサイネームス騎士爵が満面の笑みを浮かべて「ソレハタイヘンデスナ」と完全な棒読みで鎮痛な表情を浮かべ…ようと必死になっているのが笑えた。
(あのクソ野郎。本当に嫌われてたんだな。これぞザマァだな)
別室での休養となった原因のヒューブは苦笑いしながら立食式のパーティーを楽しんでいた。
宴もたけなわ。
ここいらで贈り物を配ろうと、
「伯爵様、皆々様。恥ずかしながら皆様方にご挨拶の品々がございます。御笑納下されば幸いに存じます」
ニコニコしながら言うと、ミラティランド伯爵様達が「ほう」と感心したように頷いた。
ミラティランド伯爵にはミスリル製の長剣と短剣を。
バルステン子爵、フォーマール男爵、サイネームス騎士爵には、それぞれミスリル製の短剣を贈った。
ミスリルは稀少金属なので、相当な金額で取り引きされていて、王都から離れた地方では尚のこと高額になっているので、ミルフィナンド伯爵様達はかなり驚いていたが、とても喜んでいた。
ご夫人かたやご令息、ご令嬢かたにも宝石やアクセサリーを贈ったら、とても喜ばれた。
ヒューブは冒険者でありながらミルフィナンド伯爵家の寄り子貴族となったものの、義務と言えば、いざ戦争となったら必ず参戦しなければならないというものだけ。その他には寄り子貴族が開くお茶会にはなるべく参加してくれとミラティランド伯爵様に耳打ちされた。
これでヒューブの叙爵式は無事に終了した。
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