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お披露目会。
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王城のパーティールームには国王陛下を筆頭に、第一王妃殿下、第二王妃殿下、王太子殿下、第二王子殿下、第三王子殿下、第一王女殿下、第二王女殿下、各貴族家の当主や夫人と、十歳になる王侯貴族の令息、令嬢達のお披露目会が催されている。
勿論ミーシアお嬢様もお披露目会に参加している。
ヒューブの今夜の仕事はミーシアお嬢様の護衛だ。各貴族家も護衛の騎士を配置しているので、ヒューブがいても悪目立ちする事はない。ないのだが、ワインに酔った五人の令息達が、
「貴様はどこの家の者だ?」
とかなり上から目線で訊ねるのへ、
「ミルティナンド伯爵家の者です」
と答えると、
「そうか。俺様はドバルツ侯爵家のガイル様だ。さあ、俺様の足元に跪け、平伏せ!!」
と訳の分からない事を喚き散らし始めたので、
ゴッ、ガッ、ガゴッ、ゴンッ、ガッ!
それぞれの頭に拳骨を喰らわした。
痛みに悲鳴をあげて蹲る令息達を見下ろしたヒューブは言葉でザックリと斬り捨てた。
「無位無冠のクソガキ共が生意気言うんじゃない。首を刎ねるぞ」
「だ、黙れ無礼者!俺様はドバルツ侯爵家の「馬鹿者が!!」ち、父上!?」
ドバルツ侯爵家のガイルが父上と呼ぶからにはこの男性がドバルツ侯爵なのだろう。
ドバルツ侯爵はヒューブよりも強い拳骨をガイルに喰らわした。
鈍い音とともにガイルが悲鳴をあげた。
「馬鹿者が!命の恩人に対して何という無礼を働くのだ!恥を知れ、恥を!!」
「い、命の恩人?この者が?」
ガイルの疑問は尤もだ。
何故ならヒューブも何の事か覚えがなかったからだ。
それを察したのだろう、ドバルツ侯爵が苦笑いを浮かべた。
「今から五年前にオーガの群れに襲われていたところを助けてくれただろう」
(五年前?オーガの群れ…ッ!!)
思い出した。
ロッド村に住んでいた時に山で狩りをしていた時、街道のほうから悲鳴と怒号が混じり合った声と獣の唸り声が聞こえてきたので駆けつけると、貴族の馬車が27体のオーガの群れに襲われているのに出会した。
護衛の騎士達が奮戦するも、劣勢なのは明らかで、既に討ち死にしている騎士もいた。
これはマズいと思って弓矢で援護する。放たれる矢はオーガの目に吸い込まれるように突き立ち、眼球を貫き、脳にまで達したようで矢を射るたびにバタバタと斃れていった。
弓矢の援護に勇気付けられたのか、劣勢だった騎士達が勢いを取り戻してオーガに斬り込んでいった。
暫くして全てのオーガを斃しきると、安堵のあまりに騎士達はその場に座り込んだ。
馬車から降りてきて深々と頭を下げて礼を言う貴族の名前は覚えていなかったが、あの時の貴族がドバルツ侯爵だったようだ。
「あの時の貴族様がドバルツ侯爵様だったのですね」
「ああ。久しぶりだね。うん。あの時も強かったが、更に強くなったみたいだね。それに比べて家のバカ息子は本当に馬鹿者だ。命の恩人に対してこのような無礼な真似をするとは…その徽章を見るに君も貴族になったようだね」
「はい。名誉爵位ですが、ミルフィナンド伯爵家の寄り子で騎士爵です」
「そうか。名誉騎士爵家の当主か。それなら尚更謝罪しなければならないな。クライスト卿。申し訳ない。ミルフィナンド伯にも謝罪を申し上げる」
ヒューブとミルフィナンド伯爵は謝罪を受け取り、「子供のした事だから」と問題視しないと伝えた。
ドバルツ侯爵は、
「感謝する。それにしてももう一度教育が必要みたいだな」
感謝しつつも、息子のガイルをギロっと睨みつけた。
ヒューブはと言えば、あの時の聡明で大人しかった少年の性格がこうまで捻れてしまうとは、どこで教育を間違えたのかと不思議で仕方なかった。
うんうんと小さく唸りつつ周りを見たその時、ミーシアお嬢様に王城メイドが近付いていくのが目に留まった。そのメイドはグラスを持っている。ミーシアお嬢様がワインのお代わりでも頼んだのかと思ったが、ミーシアお嬢様のグラスにはまだワインが半分以上残っている。
不審に思って密かに【鑑定】してみると、
『アネッサ・バグラー。シンドリア帝国諜報部隊スコーピオンの工作員。帝国陸軍大将ローマン・フォン・ビット・ネガシー侯爵から、ミルティナンド伯爵家の縁者への暗殺命令を受けている。グラスの中のワインにはデポネタの毒が入っている』
瞬間。
「【チェーンマナバインド】!!」
ヒューブの手から魔力の鎖が放たれ、アネッサ・バグラーを縛り上げた。
パーティールームにいた近衛騎士達や各貴族家の護衛騎士達が何事かと剣の柄に手をかけたが、
「その者はシンドリア帝国諜報部隊の工作員だ!ワイングラスにはデポネタの毒が入っている。近衛の騎士よ、その者を拘束せよ!!」
その叫び声を聞いた国王陛下が近衛騎士に拘束するように命じたが、その工作員の口からゴポゴポという音とともに大量の血が溢れ出した。
しまったと思っても後の祭り。
どうやら口の中に自決用の毒を仕込んでいたようだ。
これでは尋問のしようもない。
何のためにミーシアお嬢様を暗殺しようとしたのかも分からずじまいとなり、この怒りの捌け口が無くなったので、更にイライラする結果となってしまった。
勿論ミーシアお嬢様もお披露目会に参加している。
ヒューブの今夜の仕事はミーシアお嬢様の護衛だ。各貴族家も護衛の騎士を配置しているので、ヒューブがいても悪目立ちする事はない。ないのだが、ワインに酔った五人の令息達が、
「貴様はどこの家の者だ?」
とかなり上から目線で訊ねるのへ、
「ミルティナンド伯爵家の者です」
と答えると、
「そうか。俺様はドバルツ侯爵家のガイル様だ。さあ、俺様の足元に跪け、平伏せ!!」
と訳の分からない事を喚き散らし始めたので、
ゴッ、ガッ、ガゴッ、ゴンッ、ガッ!
それぞれの頭に拳骨を喰らわした。
痛みに悲鳴をあげて蹲る令息達を見下ろしたヒューブは言葉でザックリと斬り捨てた。
「無位無冠のクソガキ共が生意気言うんじゃない。首を刎ねるぞ」
「だ、黙れ無礼者!俺様はドバルツ侯爵家の「馬鹿者が!!」ち、父上!?」
ドバルツ侯爵家のガイルが父上と呼ぶからにはこの男性がドバルツ侯爵なのだろう。
ドバルツ侯爵はヒューブよりも強い拳骨をガイルに喰らわした。
鈍い音とともにガイルが悲鳴をあげた。
「馬鹿者が!命の恩人に対して何という無礼を働くのだ!恥を知れ、恥を!!」
「い、命の恩人?この者が?」
ガイルの疑問は尤もだ。
何故ならヒューブも何の事か覚えがなかったからだ。
それを察したのだろう、ドバルツ侯爵が苦笑いを浮かべた。
「今から五年前にオーガの群れに襲われていたところを助けてくれただろう」
(五年前?オーガの群れ…ッ!!)
思い出した。
ロッド村に住んでいた時に山で狩りをしていた時、街道のほうから悲鳴と怒号が混じり合った声と獣の唸り声が聞こえてきたので駆けつけると、貴族の馬車が27体のオーガの群れに襲われているのに出会した。
護衛の騎士達が奮戦するも、劣勢なのは明らかで、既に討ち死にしている騎士もいた。
これはマズいと思って弓矢で援護する。放たれる矢はオーガの目に吸い込まれるように突き立ち、眼球を貫き、脳にまで達したようで矢を射るたびにバタバタと斃れていった。
弓矢の援護に勇気付けられたのか、劣勢だった騎士達が勢いを取り戻してオーガに斬り込んでいった。
暫くして全てのオーガを斃しきると、安堵のあまりに騎士達はその場に座り込んだ。
馬車から降りてきて深々と頭を下げて礼を言う貴族の名前は覚えていなかったが、あの時の貴族がドバルツ侯爵だったようだ。
「あの時の貴族様がドバルツ侯爵様だったのですね」
「ああ。久しぶりだね。うん。あの時も強かったが、更に強くなったみたいだね。それに比べて家のバカ息子は本当に馬鹿者だ。命の恩人に対してこのような無礼な真似をするとは…その徽章を見るに君も貴族になったようだね」
「はい。名誉爵位ですが、ミルフィナンド伯爵家の寄り子で騎士爵です」
「そうか。名誉騎士爵家の当主か。それなら尚更謝罪しなければならないな。クライスト卿。申し訳ない。ミルフィナンド伯にも謝罪を申し上げる」
ヒューブとミルフィナンド伯爵は謝罪を受け取り、「子供のした事だから」と問題視しないと伝えた。
ドバルツ侯爵は、
「感謝する。それにしてももう一度教育が必要みたいだな」
感謝しつつも、息子のガイルをギロっと睨みつけた。
ヒューブはと言えば、あの時の聡明で大人しかった少年の性格がこうまで捻れてしまうとは、どこで教育を間違えたのかと不思議で仕方なかった。
うんうんと小さく唸りつつ周りを見たその時、ミーシアお嬢様に王城メイドが近付いていくのが目に留まった。そのメイドはグラスを持っている。ミーシアお嬢様がワインのお代わりでも頼んだのかと思ったが、ミーシアお嬢様のグラスにはまだワインが半分以上残っている。
不審に思って密かに【鑑定】してみると、
『アネッサ・バグラー。シンドリア帝国諜報部隊スコーピオンの工作員。帝国陸軍大将ローマン・フォン・ビット・ネガシー侯爵から、ミルティナンド伯爵家の縁者への暗殺命令を受けている。グラスの中のワインにはデポネタの毒が入っている』
瞬間。
「【チェーンマナバインド】!!」
ヒューブの手から魔力の鎖が放たれ、アネッサ・バグラーを縛り上げた。
パーティールームにいた近衛騎士達や各貴族家の護衛騎士達が何事かと剣の柄に手をかけたが、
「その者はシンドリア帝国諜報部隊の工作員だ!ワイングラスにはデポネタの毒が入っている。近衛の騎士よ、その者を拘束せよ!!」
その叫び声を聞いた国王陛下が近衛騎士に拘束するように命じたが、その工作員の口からゴポゴポという音とともに大量の血が溢れ出した。
しまったと思っても後の祭り。
どうやら口の中に自決用の毒を仕込んでいたようだ。
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