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王家応接室にて。
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ミルフィナンド伯爵家令嬢ミーシア嬢が王城パーティールームでシンドリア帝国の工作員に毒殺されそうになるという大事件が発生したため、パーティールームからミルティナンド伯爵家一家とライズ・フォン・ドバルツ・ローデンス侯爵とヒューブが王家応接室に呼ばれた。
怖い物無しのヒューブだが、さすがに一国の国王陛下の御前というので直立不動でミルフィナンド伯爵の後ろに立っていた。
「ブライ伯よ。何か心当たりはないか?」
「…やはり、十五年前の事かと」
「それしかないか。帝国もしつこいと言うか執念深いと言うか…はぁ。面倒な」
ドバルツ侯爵も溜め息をついた。
今から十五年前、フューネン王国は隣国のシンドリア帝国と戦争をしていた。当時辺境伯であったドバルツ侯爵と共に当時、ドバルツ辺境伯家の寄子子爵だったミルフィナンド伯爵家が死に物狂いで戦い、シンドリア帝国陸軍三万の内、一万二千を討ち取り、帝国陸軍の侵攻を喰い止め、撤退していく帝国陸軍将兵に追撃までかけて討ち取った将兵の数は実に二万六千を超えていた。
ドバルツ辺境伯領軍兵とミルフィナンド子爵家領軍兵を合わせてもやっと一万の将兵で帝国陸軍将兵三万の内、二万六千を討ち取ったのだから武勲一等ものだろう。
ドバルツ辺境伯とミルフィナンド子爵は、その時の功績を讃えられて、ドバルツ辺境伯は侯爵へ、ミルティナンド子爵は伯爵へと陞爵し、ドバルツ新侯爵の推薦によって、ミルティナンド伯爵はドバルツ侯爵家の寄子貴族から独立して直接王家に仕える直臣貴族へと叙されたのだとか。
まあ、二万六千もの将兵を討ち取られたのだがら、恨み骨髄、何年経とうとしても忘れられるわけがない。
分かってはいるが、それならドバルツ侯爵かミルフィナンド伯爵本人を暗殺すれば良いだけなのに、何の罪咎も無いミーシアお嬢様を暗殺しようとは…。
戦場に立ち、相手を殺そうとするのなら、当然殺される覚悟はあったはず。それに戦場における討った討たれたは武人の習いであるので、今回の事は武の道を歩む者としては到底看過する事はできない。この仕返しをどうするか、いっその事帝国を滅ぼしてしまえば後腐れなくお終いだろう。
そう考えていたら、
「ヒューブ!!」
ミルフィナンド伯爵が真っ青な顔で叫んだ。
何事かと見ると、応接室にいる者全員が顔を真っ青にしながらカタカタと震えていた。
どうやら無意識のうちに殺気を放っていたようだ。
「申し訳ございません。つい、うっかり」
さすがに国王陛下をも震え上がらせるくらいの殺気を放ってしまったので、何らかの処罰が下されるのだろう。
自分一人だけなら逃げ切るだけの力はあるが、それをすればミルフィナンド伯爵様に迷惑が及ぶ事になるのだけは絶対に避けたい。
「畏れながら申し上げます。只今の事は単に私個人の不始末にございますれば、ミルフィナンド伯爵にはお咎めなきようお願い致します」
ヒューブはあくまでも自分一人の責任であると強調した。
すると、国王陛下が笑った。
「ブライ伯よ。中々に面白い者を飼っているようだな?」
「はい。申し訳もございません。この者は元は冒険者でして。ゴブリンキングとゴブリンジェネラル率いる三百六十匹の群れを一人で討ち滅ぼした程の者でございまして、私が頼み込んで名誉騎士爵に叙爵させてもらったのです」
「ゴブリンキング率いる三百六十匹の群れを一人で滅ぼしたと申すか。其の方、名は何と申す」
「はい。ゲーゲンヒューバー・フォン・クライストと申します」
「ふむ。ゲーゲンヒューバーか。其方ならばこの度の始末をどうつけるな?」
「帝国との国境にある砦を潰します。やられたからには、それ相応の仕返しをするのは当たり前かと存じます」
「まあ、間違いではないが、砦を潰すとなると、かなりの将兵が必要になるな」
どの部隊を投入すべきかと悩んでいる国王陛下は次の瞬間、耳を疑った。何があったのかというと、ヒューブが一人で砦を潰すと言い出したからだ。
怖い物無しのヒューブだが、さすがに一国の国王陛下の御前というので直立不動でミルフィナンド伯爵の後ろに立っていた。
「ブライ伯よ。何か心当たりはないか?」
「…やはり、十五年前の事かと」
「それしかないか。帝国もしつこいと言うか執念深いと言うか…はぁ。面倒な」
ドバルツ侯爵も溜め息をついた。
今から十五年前、フューネン王国は隣国のシンドリア帝国と戦争をしていた。当時辺境伯であったドバルツ侯爵と共に当時、ドバルツ辺境伯家の寄子子爵だったミルフィナンド伯爵家が死に物狂いで戦い、シンドリア帝国陸軍三万の内、一万二千を討ち取り、帝国陸軍の侵攻を喰い止め、撤退していく帝国陸軍将兵に追撃までかけて討ち取った将兵の数は実に二万六千を超えていた。
ドバルツ辺境伯領軍兵とミルフィナンド子爵家領軍兵を合わせてもやっと一万の将兵で帝国陸軍将兵三万の内、二万六千を討ち取ったのだから武勲一等ものだろう。
ドバルツ辺境伯とミルフィナンド子爵は、その時の功績を讃えられて、ドバルツ辺境伯は侯爵へ、ミルティナンド子爵は伯爵へと陞爵し、ドバルツ新侯爵の推薦によって、ミルティナンド伯爵はドバルツ侯爵家の寄子貴族から独立して直接王家に仕える直臣貴族へと叙されたのだとか。
まあ、二万六千もの将兵を討ち取られたのだがら、恨み骨髄、何年経とうとしても忘れられるわけがない。
分かってはいるが、それならドバルツ侯爵かミルフィナンド伯爵本人を暗殺すれば良いだけなのに、何の罪咎も無いミーシアお嬢様を暗殺しようとは…。
戦場に立ち、相手を殺そうとするのなら、当然殺される覚悟はあったはず。それに戦場における討った討たれたは武人の習いであるので、今回の事は武の道を歩む者としては到底看過する事はできない。この仕返しをどうするか、いっその事帝国を滅ぼしてしまえば後腐れなくお終いだろう。
そう考えていたら、
「ヒューブ!!」
ミルフィナンド伯爵が真っ青な顔で叫んだ。
何事かと見ると、応接室にいる者全員が顔を真っ青にしながらカタカタと震えていた。
どうやら無意識のうちに殺気を放っていたようだ。
「申し訳ございません。つい、うっかり」
さすがに国王陛下をも震え上がらせるくらいの殺気を放ってしまったので、何らかの処罰が下されるのだろう。
自分一人だけなら逃げ切るだけの力はあるが、それをすればミルフィナンド伯爵様に迷惑が及ぶ事になるのだけは絶対に避けたい。
「畏れながら申し上げます。只今の事は単に私個人の不始末にございますれば、ミルフィナンド伯爵にはお咎めなきようお願い致します」
ヒューブはあくまでも自分一人の責任であると強調した。
すると、国王陛下が笑った。
「ブライ伯よ。中々に面白い者を飼っているようだな?」
「はい。申し訳もございません。この者は元は冒険者でして。ゴブリンキングとゴブリンジェネラル率いる三百六十匹の群れを一人で討ち滅ぼした程の者でございまして、私が頼み込んで名誉騎士爵に叙爵させてもらったのです」
「ゴブリンキング率いる三百六十匹の群れを一人で滅ぼしたと申すか。其の方、名は何と申す」
「はい。ゲーゲンヒューバー・フォン・クライストと申します」
「ふむ。ゲーゲンヒューバーか。其方ならばこの度の始末をどうつけるな?」
「帝国との国境にある砦を潰します。やられたからには、それ相応の仕返しをするのは当たり前かと存じます」
「まあ、間違いではないが、砦を潰すとなると、かなりの将兵が必要になるな」
どの部隊を投入すべきかと悩んでいる国王陛下は次の瞬間、耳を疑った。何があったのかというと、ヒューブが一人で砦を潰すと言い出したからだ。
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