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前編
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私は、幼い頃から病弱だった。
四肢はすべて備わっているし聴力も視力も平均程度にはあり、生きていくうえで支障はない。が、病弱さだけは周りと違っていて、やたらと病にかかる体質だった。
そんな私にも年頃になれば婚約の話は出て、やがて、アムレという青年と婚約することとなった。
だが。
彼は私の病弱さを理解してくれず。
病になるのは心が弱いから、とばかり繰り返し、やたらと見下すような発言を繰り返してきた。
そんな彼との溝が大きくなってしまったのは、アムレの姉の結婚式に病気で参加できなかったこと。
我が姉の晴れの日に病気などどうなっているんだ。
良き日の式典に参加できないだと理解不能だ。
不参加となった私に対して激怒したアムレは、そんなことを言って私を追い詰めようとした。
そして、それから一週間ほど経ち、私は彼の家へ呼び出された。
「悪いが君とはもうやっていけない」
アムレは冷ややかな目つきで。
「婚約は破棄とする」
そう宣言した。
「君は我が姉の結婚式にあれこれ理由をつけて出なかったな。それはつまり、我が家に入る気がないということ。我が家の者になる自覚がなさすぎる。そのような女を受け入れることは、我が家の将来を破壊することにも繋がりかねない。ということで、この決定となった」
彼はすらすらと理由を述べる。
「病弱とは聞いていたが、ここまでとは。正直がっかりしたよ。良いのは顔だけだったようだな。ああもういい、出ていってくれ。君のような人の顔、もう二度と見たくない」
その日、私と彼の関係は終わった。
四肢はすべて備わっているし聴力も視力も平均程度にはあり、生きていくうえで支障はない。が、病弱さだけは周りと違っていて、やたらと病にかかる体質だった。
そんな私にも年頃になれば婚約の話は出て、やがて、アムレという青年と婚約することとなった。
だが。
彼は私の病弱さを理解してくれず。
病になるのは心が弱いから、とばかり繰り返し、やたらと見下すような発言を繰り返してきた。
そんな彼との溝が大きくなってしまったのは、アムレの姉の結婚式に病気で参加できなかったこと。
我が姉の晴れの日に病気などどうなっているんだ。
良き日の式典に参加できないだと理解不能だ。
不参加となった私に対して激怒したアムレは、そんなことを言って私を追い詰めようとした。
そして、それから一週間ほど経ち、私は彼の家へ呼び出された。
「悪いが君とはもうやっていけない」
アムレは冷ややかな目つきで。
「婚約は破棄とする」
そう宣言した。
「君は我が姉の結婚式にあれこれ理由をつけて出なかったな。それはつまり、我が家に入る気がないということ。我が家の者になる自覚がなさすぎる。そのような女を受け入れることは、我が家の将来を破壊することにも繋がりかねない。ということで、この決定となった」
彼はすらすらと理由を述べる。
「病弱とは聞いていたが、ここまでとは。正直がっかりしたよ。良いのは顔だけだったようだな。ああもういい、出ていってくれ。君のような人の顔、もう二度と見たくない」
その日、私と彼の関係は終わった。
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