幼馴染みから婚約者となった彼のことを私は信じていました。けれどもどうやら彼には誠意はなかったようです。

四季

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2話

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「だから、ごめんな。――婚約破棄するわ」

 こうして思わぬ形で終わってしまったのであった。

 それからしばらく、心は雨降りだった。そしてそれとリンクしているかのように実際の天候も雨が続いていた。まるで天が我が心を鏡として映し出しているかのようだ、なんて思って、考え過ぎね、と自嘲気味に笑う。

 私は馬鹿だった。

 シープは私を大切に想ってくれていると思っていた。
 そう信じて疑わず歩んできた。
 関係性は見た感じ悪い方向に進んでいなかったから、なおさら。

 けど違ったのだ。

 私たちは幼馴染みで親友だったけれど、私は彼の一番にはなれなかった。

 ――彼は別の女性をパートナーに選んだ。

 負けたのだ、私は。


 ◆


「こういう時はですね、ここをこうしてこうすると……ほら! 綺麗になりましたよ、どうでしょう」
「凄い……! 立体的に見えて広がりを感じます……!」

 婚約破棄されて抜け殻のようになっていた私をよみがえらせるため、母が一人の青年を連れてきてくれた――それが先月くらいのことだ。

 そして私は今、その青年アイッシュから、花を飾る技術を習っている。

 週に一度だけ。
 でもとてもわくわくできる日。

 彼と会うこと、彼と会えること、それが大きな生きがいとなっている。

「これって……」
「ここですか?」
「はい。こちらをこうするとちょっと大きく見えすぎるような気がして、でも、ここをこう横に振るのもちょっと変かなと……」
「ではこうしてみましょうよ」
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