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第142話 密厳院発露懺悔文
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私は最強のスキル『手のひら返し』を発動させ、何とか美少女天使ユリアラ様を上機嫌へと導くことに成功した。
「もう少しで、ここから出れそうよ」
「えっ!? ホントに? 私、助かるの? 良かった~ ホントに良かったぁ~ 私、一人で心細くて本当は不安で不安でしょうがなかったの」
天使ユリアラ様の希望に満ちた一声に、安堵の表情を浮かべ、今まで抱えていた不安が自然に口から出てしまった。
「大丈夫よ。安心して」
天使ユリアラ様はまるで最高位の女神様のように微笑みを返し、私の心を落ち着かせてくれた。
「ここからはキミ一人でも大丈夫だろう」
「みんながあなたを待っているわ。さあ、急いでみんなのところに帰ってあげて」
「はい…… 最後に聞いて良いですか?」
「全ては答えられないが、私の話せる範囲であれば答えるよ(ニッコリ)」
さすがイケメン天使アイスキー様。容姿、性格、道徳心、筋肉率。どれをとっても全てが完璧すぎる! こんな優良物件がこの世界に存在するなんて、闇堕ち女神ユリアラ様が羨ましいわ……
「あの~ どうして私を助けてくれたんですか?」
直球ど真ん中の質問をしてみた。
イケメン天使アイスキー様は何か言いにくいのか、困った表情を浮かべ、
「ん~ なんと言って良いか…… ――からキミ達への――を手伝って欲しいと頼まれたんだ」
声が小さすぎて、私には聞き取れる箇所と聞き取れない箇所があった。
「そろそろお別れだよ。キミ達も元気で」
「みなさんによろしくね。あと、あの時はごめんなさいって伝えて頂戴。あなた達はしっかりと力の強く生きていくのよ。わかった?」
「はい! わかりました! 助けてくれてありがとうございます」
二人の大天使様夫婦は満面の笑みを浮かべながら、突然、私の手を容赦なく手放した。
「キャッーー! 堕ちるー!!」
二人が手を離した瞬間、私は真っ逆さまに堕ちていく!
その瞬間。眩い光が私を照らし、あまりの眩しさに目を閉じると……
◇
『ガバッ』
「ハッ!」
目を開けると、そこはいつもと変わらない保健室の天井だった。
「夢…… 変な夢をみたわ」
カーテンで仕切られた隣の沙希の方を見ると、カーテン越しで彼女の影が見えた。沙希も今、起きたばかりの様子だった。
カーテンを開け、沙希と二人、互いに顔を見合わせると……
「沙希…… 私、また変な夢を見たわ」
「里香…… あなたも…… 私も暗闇の中を彷徨っていると二人の美男美女の大天使様夫婦が現れて、私を助けてくれた夢だったわ」
「ホント!? 私も同じ夢だった」
「あっ!」
「ウッ!」
突然の頭痛が私達を襲った。
私の知らない記憶が頭の中に流れ込んで来る。
バスの事故の事。
プリストの世界にマリアとして転生した事。
悪役令嬢のルナールと仲良くなり、アレク様ファンクラブ鉄則の活動であるストーカー活動でアレク様と仲良くなった事。
アレク様とユリアラ王女の婚約破棄。そして、フロンガスター王国と隣国との戦争。
ルナール、メアリー、フローラ、ミレーユ、クリスのヒロインが全員転生者だった事。
アレク様の究極魔法で私達を日本に帰してくれた事。
クリスとメアリーの2人がプリストの世界に残った事。
私の事をギャルビッチと言い放ちやがった毒舌の精霊が…… 紫音だった事。
――すべて思い出した! 最後にアレク様がプリストの世界で体験したことは全て忘れるからと…… 日本へ帰ったら紫音の記憶も忘れ去られるという事も……
ベッドから飛び起き、隣に寝ている沙希に声を掛けた。
「沙希。私、全部思い出した! あれは夢じゃなかったんだ!! 毒舌の精霊(紫音)もちゃんと居たよ」
沙希も青白い顔をしていたが、私と目が合うと、
「うん、理香。私も全部思い出したわ。私、ルナールだったのね。じゃあ、フローラとミレーユも今頃、記憶が戻ってるかもしれないわ」
無事に日本に帰ってこれた事に沙希と二人抱き合って喜んだと同時に自分達の犯してきた鬼畜の所業が蘇る。
「ギャーー やめて死んじゃうー!!」
「イヤーー 恥ずかしいー!!」
「あわわ。わ、私…… ゴリゴリの脳筋イノシシヒロインだったわ。悪役令嬢モノに出てくるざまぁされる転生ヒロインみたいな…… 恥ずかしい! 死にたい! マジで死にたい! クッ、殺せ! くっころ! くっころ! カモーン! くっころ! くっころ! もうガチで立ち直れない!」
「ヤバイ、ヤバイ、ヤバすぎ笑ウタ! 私、ストーカーだった! ガチモンのスペシャリスト・ストーカーだった! 私がストーカー集団の親分かよ! マジかよぉー! これじゃあ私、どこからどう見ても犯罪者やん 私、警察に捕まるじゃん! どうしよう……」
『我等懺悔す 無始よりこのかた妄想に纏われて衆罪をつくる
身口意の業 顛倒して 誤って無量不善の業を犯す
珍財を慳悋して施を行ぜず こころに任せて放逸にして戒を持せず
屡々忿恚を起して忍辱ならず 多く懈怠を生じて精進ならず
心意散乱して坐禅せず 実相に違背して慧を修せず
恒に是の如くの六度の行を退して 還って流転三途の業をつくる
名を比丘に仮って伽藍を穢し 形を沙門に比して信施を受く
受くる所の戒品は忘れて持せず 学すべき律義は廃して好むこと無し
諸仏の厭悪したまう所を慙じず 菩薩の苦悩する所を畏れず
遊戯笑語して徒に年を送り 諂誑詐欺して空しく日を過ぐ
善友に随わずして癡人に親しみ 善根を勤めずして悪行を営む
利養を得んと欲して自徳を讃じ 名聞を欲して他罪を毀る
勝徳の者を見ては嫉妬をいだき 卑賤の人を見ては憍慢を生ず
富饒の所を聞いては希望を起し 貧乏の類を聞いては常に厭離す
故に殺し誤って殺す有情の命 顕わに取り密かに盗る他人の財
触れても触れずしても非梵行を犯す 口四意三互に相続し
仏を観念する時は攀縁を発し 経を読誦する時は文句を錯る
若し善根を作せば有相に住し 還って輪廻生死の因と成る
行住坐臥知ると知らざると犯す所の是の如くの無量の罪 今三宝に対して皆発露し奉る
慈悲哀愍して消除せしめたまえ 乃至法界の諸の衆生 三業所作の是の如くの罪
我皆 相代わって尽く懺悔す 更に亦 その報いを受けしめざれ
南無慚愧懺悔無量所犯罪
南無慚愧懺悔無量所犯罪
南無慚愧懺悔無量所犯罪』
私と沙希は、これまで犯してきた己の大罪に謝するため、一心不乱に密厳院発露懺悔文を絶叫するのだった。
「もう少しで、ここから出れそうよ」
「えっ!? ホントに? 私、助かるの? 良かった~ ホントに良かったぁ~ 私、一人で心細くて本当は不安で不安でしょうがなかったの」
天使ユリアラ様の希望に満ちた一声に、安堵の表情を浮かべ、今まで抱えていた不安が自然に口から出てしまった。
「大丈夫よ。安心して」
天使ユリアラ様はまるで最高位の女神様のように微笑みを返し、私の心を落ち着かせてくれた。
「ここからはキミ一人でも大丈夫だろう」
「みんながあなたを待っているわ。さあ、急いでみんなのところに帰ってあげて」
「はい…… 最後に聞いて良いですか?」
「全ては答えられないが、私の話せる範囲であれば答えるよ(ニッコリ)」
さすがイケメン天使アイスキー様。容姿、性格、道徳心、筋肉率。どれをとっても全てが完璧すぎる! こんな優良物件がこの世界に存在するなんて、闇堕ち女神ユリアラ様が羨ましいわ……
「あの~ どうして私を助けてくれたんですか?」
直球ど真ん中の質問をしてみた。
イケメン天使アイスキー様は何か言いにくいのか、困った表情を浮かべ、
「ん~ なんと言って良いか…… ――からキミ達への――を手伝って欲しいと頼まれたんだ」
声が小さすぎて、私には聞き取れる箇所と聞き取れない箇所があった。
「そろそろお別れだよ。キミ達も元気で」
「みなさんによろしくね。あと、あの時はごめんなさいって伝えて頂戴。あなた達はしっかりと力の強く生きていくのよ。わかった?」
「はい! わかりました! 助けてくれてありがとうございます」
二人の大天使様夫婦は満面の笑みを浮かべながら、突然、私の手を容赦なく手放した。
「キャッーー! 堕ちるー!!」
二人が手を離した瞬間、私は真っ逆さまに堕ちていく!
その瞬間。眩い光が私を照らし、あまりの眩しさに目を閉じると……
◇
『ガバッ』
「ハッ!」
目を開けると、そこはいつもと変わらない保健室の天井だった。
「夢…… 変な夢をみたわ」
カーテンで仕切られた隣の沙希の方を見ると、カーテン越しで彼女の影が見えた。沙希も今、起きたばかりの様子だった。
カーテンを開け、沙希と二人、互いに顔を見合わせると……
「沙希…… 私、また変な夢を見たわ」
「里香…… あなたも…… 私も暗闇の中を彷徨っていると二人の美男美女の大天使様夫婦が現れて、私を助けてくれた夢だったわ」
「ホント!? 私も同じ夢だった」
「あっ!」
「ウッ!」
突然の頭痛が私達を襲った。
私の知らない記憶が頭の中に流れ込んで来る。
バスの事故の事。
プリストの世界にマリアとして転生した事。
悪役令嬢のルナールと仲良くなり、アレク様ファンクラブ鉄則の活動であるストーカー活動でアレク様と仲良くなった事。
アレク様とユリアラ王女の婚約破棄。そして、フロンガスター王国と隣国との戦争。
ルナール、メアリー、フローラ、ミレーユ、クリスのヒロインが全員転生者だった事。
アレク様の究極魔法で私達を日本に帰してくれた事。
クリスとメアリーの2人がプリストの世界に残った事。
私の事をギャルビッチと言い放ちやがった毒舌の精霊が…… 紫音だった事。
――すべて思い出した! 最後にアレク様がプリストの世界で体験したことは全て忘れるからと…… 日本へ帰ったら紫音の記憶も忘れ去られるという事も……
ベッドから飛び起き、隣に寝ている沙希に声を掛けた。
「沙希。私、全部思い出した! あれは夢じゃなかったんだ!! 毒舌の精霊(紫音)もちゃんと居たよ」
沙希も青白い顔をしていたが、私と目が合うと、
「うん、理香。私も全部思い出したわ。私、ルナールだったのね。じゃあ、フローラとミレーユも今頃、記憶が戻ってるかもしれないわ」
無事に日本に帰ってこれた事に沙希と二人抱き合って喜んだと同時に自分達の犯してきた鬼畜の所業が蘇る。
「ギャーー やめて死んじゃうー!!」
「イヤーー 恥ずかしいー!!」
「あわわ。わ、私…… ゴリゴリの脳筋イノシシヒロインだったわ。悪役令嬢モノに出てくるざまぁされる転生ヒロインみたいな…… 恥ずかしい! 死にたい! マジで死にたい! クッ、殺せ! くっころ! くっころ! カモーン! くっころ! くっころ! もうガチで立ち直れない!」
「ヤバイ、ヤバイ、ヤバすぎ笑ウタ! 私、ストーカーだった! ガチモンのスペシャリスト・ストーカーだった! 私がストーカー集団の親分かよ! マジかよぉー! これじゃあ私、どこからどう見ても犯罪者やん 私、警察に捕まるじゃん! どうしよう……」
『我等懺悔す 無始よりこのかた妄想に纏われて衆罪をつくる
身口意の業 顛倒して 誤って無量不善の業を犯す
珍財を慳悋して施を行ぜず こころに任せて放逸にして戒を持せず
屡々忿恚を起して忍辱ならず 多く懈怠を生じて精進ならず
心意散乱して坐禅せず 実相に違背して慧を修せず
恒に是の如くの六度の行を退して 還って流転三途の業をつくる
名を比丘に仮って伽藍を穢し 形を沙門に比して信施を受く
受くる所の戒品は忘れて持せず 学すべき律義は廃して好むこと無し
諸仏の厭悪したまう所を慙じず 菩薩の苦悩する所を畏れず
遊戯笑語して徒に年を送り 諂誑詐欺して空しく日を過ぐ
善友に随わずして癡人に親しみ 善根を勤めずして悪行を営む
利養を得んと欲して自徳を讃じ 名聞を欲して他罪を毀る
勝徳の者を見ては嫉妬をいだき 卑賤の人を見ては憍慢を生ず
富饒の所を聞いては希望を起し 貧乏の類を聞いては常に厭離す
故に殺し誤って殺す有情の命 顕わに取り密かに盗る他人の財
触れても触れずしても非梵行を犯す 口四意三互に相続し
仏を観念する時は攀縁を発し 経を読誦する時は文句を錯る
若し善根を作せば有相に住し 還って輪廻生死の因と成る
行住坐臥知ると知らざると犯す所の是の如くの無量の罪 今三宝に対して皆発露し奉る
慈悲哀愍して消除せしめたまえ 乃至法界の諸の衆生 三業所作の是の如くの罪
我皆 相代わって尽く懺悔す 更に亦 その報いを受けしめざれ
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