141 / 148
第141話 リア充天使達ご降臨
しおりを挟む
暗闇の中、私のぼっちが決定的となった。
「このまま一人ぼっちになるのかな……」
絶望感満載の中、私は膝を抱え込み、自然に涙がこぼれ落ちる。
「あっ!」
頭上からの一筋の光明が私を照らす。絶望に打ちのめされた私には暖かく、そして、希望を感じさせてくれる光だった。
その光明から白い翼を広げた二人の天使が、私のもとへ舞い降りる。
その二人の天使は美男美女という、リア充爆発しろ!と大声で怒鳴ってしまいたくなるようなお似合いの天使達だった。
「天使様。私を天国に連れていくの? もしかして地獄?」
私の口から出た言葉は、あの世からお迎えが来たのだと感じたから出た言葉だった。
「……………………」
美少女天使様は私を見つめ、微笑みを返すだけで何も答えない。
そして、二人は優しくそっと私の手を取り、上空へ舞い上がる。
それはまるで捕まった宇宙人を二人の男性に連行している例の写真のようだった。
リア充天使達に平凡顔の私は、まるで天国に召される憐れな宇宙人に成り下がってしまったのかと悲しくなってしまう……
――もう私、死ぬんだわ。
死を覚悟した私はまた二人のリア充天使様に話しかける。
「あなた達は私をどこに連れていくの? 天国、地獄? それにあなた達は誰なの?」
イケメン天使は少し困った顔で、私の質問に答える。
「私はアイスキー・アール・デレモン。そして、妻のユリアラ・カント・デレモンだ。アイツに頼まれて君達を助けに来たんだ。アイツの頼みとあれば、断るという選択はないからな」
「クスッ。アイスキーの妻、ユリアラ・カント・デレモンよ。アイスはあの人に頼まれちゃうと断れないのよね」
「私達を助けに来た? どういうこと?」
私が戸惑いを隠せないでいると、アイスキーが、
「そのうちにわかるよ。今は早くここから出よう」
「フフ…… 今はお楽しみということにしておいて」
ユリアラは微笑みを浮かべ、私に答えた。
――本当に二人の天使様は美男美女のお似合いの夫婦で、身体から無限の気品とリア充オーラが溢れ出ている。きっと最上クラスの天使様なのね……
「あの~」
「どうしたんだい? まだ怖いのかい? 僕達がいるから大丈夫!」
――あらやだ、このイケメン天使様! 顔だけじゃなくて、優しさと気品も持ち合わせ、性格もイケメンだなんて、これは優良物件じゃないの! どこかの誰かさんとは大違いじゃないの! あれ? どこかの誰かさんって誰だったかしら? でも、イケメン天使様とお付き合い出来たら、これで私も立派な汚嫁さんになれるのかな?
美少女天使ユリアラ様は私の耳元に近づき小さな声で、
「ちょっとあなた。私のアイスを食べようと考えてたでしょ? この手離すわよ?」
「ハッ!? すみません。そんなこと考えてません! 慰謝料だけは許して下さい!」
あまりの恐ろしさに、私は即座に自分の行いを懺悔し謝罪した。
「まあ良いわ。所詮は小娘。本妻に勝てるなんて考えないことね。本妻と小娘との格の差をまざまざと見せて差し上げますわよ」
「はい…… すみません」
――私は見た! あの麗しの美少女天使ユリアラ様の微笑みの中に、狂気に満ちた目の奥の底に、この世のものとは思えないほどの冷酷で残忍な闇を。
「どうしたんだいユリアラ?」
「別に何でもないわよ。ねぇ、私のことどう思ってるの?」
「もちろん、愛しているさ♡ 誰が何を言おうが、もう君を離すつもりはない。君が私の傍に居るということが、私にとっての代え難い僥倖なんだよ。私のこの気持ちをわかってくれるかい?」
「まあ~嬉しい♡ 私もアイス大好き♡ 愛してるわ♡」
「ありがとう。愛してるよ。私のユリアラ」
ユリアラは勝ち誇った目で私を見下し、天使様達はこともあろうに私の前で、これでもかとイチャイチャし始めた。
――わ、私は何を見せられているの? これが本妻と小娘の越えられない壁だと言うの? 美少女天使ユリアラ様とはあまり歳は違わないように思うけど…… リア充度が天と地の差があるって悲しくなってしまうわ…… しかし、私には最強のスキルがある!
「お二人とも幸せそうで羨ましいわ。お似合いの夫婦って、お二人の事を言うのね」
私の最強のスキル『手のひら返し』発動!
「そ、そうかい? そう言ってもらえると私も嬉しいよ。ありがとう」
「やはり、あなたもそう思う。あなた、本当は良い人だったのね」
――ああ、なんて無情な……
「このまま一人ぼっちになるのかな……」
絶望感満載の中、私は膝を抱え込み、自然に涙がこぼれ落ちる。
「あっ!」
頭上からの一筋の光明が私を照らす。絶望に打ちのめされた私には暖かく、そして、希望を感じさせてくれる光だった。
その光明から白い翼を広げた二人の天使が、私のもとへ舞い降りる。
その二人の天使は美男美女という、リア充爆発しろ!と大声で怒鳴ってしまいたくなるようなお似合いの天使達だった。
「天使様。私を天国に連れていくの? もしかして地獄?」
私の口から出た言葉は、あの世からお迎えが来たのだと感じたから出た言葉だった。
「……………………」
美少女天使様は私を見つめ、微笑みを返すだけで何も答えない。
そして、二人は優しくそっと私の手を取り、上空へ舞い上がる。
それはまるで捕まった宇宙人を二人の男性に連行している例の写真のようだった。
リア充天使達に平凡顔の私は、まるで天国に召される憐れな宇宙人に成り下がってしまったのかと悲しくなってしまう……
――もう私、死ぬんだわ。
死を覚悟した私はまた二人のリア充天使様に話しかける。
「あなた達は私をどこに連れていくの? 天国、地獄? それにあなた達は誰なの?」
イケメン天使は少し困った顔で、私の質問に答える。
「私はアイスキー・アール・デレモン。そして、妻のユリアラ・カント・デレモンだ。アイツに頼まれて君達を助けに来たんだ。アイツの頼みとあれば、断るという選択はないからな」
「クスッ。アイスキーの妻、ユリアラ・カント・デレモンよ。アイスはあの人に頼まれちゃうと断れないのよね」
「私達を助けに来た? どういうこと?」
私が戸惑いを隠せないでいると、アイスキーが、
「そのうちにわかるよ。今は早くここから出よう」
「フフ…… 今はお楽しみということにしておいて」
ユリアラは微笑みを浮かべ、私に答えた。
――本当に二人の天使様は美男美女のお似合いの夫婦で、身体から無限の気品とリア充オーラが溢れ出ている。きっと最上クラスの天使様なのね……
「あの~」
「どうしたんだい? まだ怖いのかい? 僕達がいるから大丈夫!」
――あらやだ、このイケメン天使様! 顔だけじゃなくて、優しさと気品も持ち合わせ、性格もイケメンだなんて、これは優良物件じゃないの! どこかの誰かさんとは大違いじゃないの! あれ? どこかの誰かさんって誰だったかしら? でも、イケメン天使様とお付き合い出来たら、これで私も立派な汚嫁さんになれるのかな?
美少女天使ユリアラ様は私の耳元に近づき小さな声で、
「ちょっとあなた。私のアイスを食べようと考えてたでしょ? この手離すわよ?」
「ハッ!? すみません。そんなこと考えてません! 慰謝料だけは許して下さい!」
あまりの恐ろしさに、私は即座に自分の行いを懺悔し謝罪した。
「まあ良いわ。所詮は小娘。本妻に勝てるなんて考えないことね。本妻と小娘との格の差をまざまざと見せて差し上げますわよ」
「はい…… すみません」
――私は見た! あの麗しの美少女天使ユリアラ様の微笑みの中に、狂気に満ちた目の奥の底に、この世のものとは思えないほどの冷酷で残忍な闇を。
「どうしたんだいユリアラ?」
「別に何でもないわよ。ねぇ、私のことどう思ってるの?」
「もちろん、愛しているさ♡ 誰が何を言おうが、もう君を離すつもりはない。君が私の傍に居るということが、私にとっての代え難い僥倖なんだよ。私のこの気持ちをわかってくれるかい?」
「まあ~嬉しい♡ 私もアイス大好き♡ 愛してるわ♡」
「ありがとう。愛してるよ。私のユリアラ」
ユリアラは勝ち誇った目で私を見下し、天使様達はこともあろうに私の前で、これでもかとイチャイチャし始めた。
――わ、私は何を見せられているの? これが本妻と小娘の越えられない壁だと言うの? 美少女天使ユリアラ様とはあまり歳は違わないように思うけど…… リア充度が天と地の差があるって悲しくなってしまうわ…… しかし、私には最強のスキルがある!
「お二人とも幸せそうで羨ましいわ。お似合いの夫婦って、お二人の事を言うのね」
私の最強のスキル『手のひら返し』発動!
「そ、そうかい? そう言ってもらえると私も嬉しいよ。ありがとう」
「やはり、あなたもそう思う。あなた、本当は良い人だったのね」
――ああ、なんて無情な……
10
あなたにおすすめの小説
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?
ラララキヲ
ファンタジー
わたくしは出来損ない。
誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。
それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。
水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。
そんなわたくしでも期待されている事がある。
それは『子を生むこと』。
血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……
政略結婚で決められた婚約者。
そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。
婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……
しかし……──
そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。
前世の記憶、前世の知識……
わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……
水魔法しか使えない出来損ない……
でも水は使える……
水……水分……液体…………
あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?
そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──
【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!
MEIKO
ファンタジー
最近まで死の病に冒されていたランドン伯爵家令嬢のアリシア。十六歳になったのを機に、胸をときめかせながら帝都学園にやって来た。「病も克服したし、今日からドキドキワクワクの学園生活が始まるんだわ!」そう思いながら一歩踏み入れた瞬間浮かれ過ぎてコケた。その時、突然奇妙な記憶が呼び醒まされる。見たこともない子爵家の令嬢ルーシーが、学園に通う見目麗しい男性達との恋模様を繰り広げる乙女ゲームの場面が、次から次へと思い浮かぶ。この記憶って、もしかして前世?かつての自分は、日本人の女子高生だったことを思い出す。そして目の前で転んでしまった私を心配そうに見つめる美しい令嬢キャロラインは、断罪される側の人間なのだと気付く…。「こんな見た目も心も綺麗な方が、そんな目に遭っていいいわけ!?」おまけに婚約者までもがヒロインに懸想していて、自分に見向きもしない。そう愕然としたアリシアは、自らキャロライン嬢の取り巻きAとなり、断罪を阻止し婚約者の目を覚まさせようと暗躍することを決める。ヒロインのヤロウ…赦すまじ!
笑って泣けるコメディです。この作品のアイデアが浮かんだ時、男女の恋愛以外には考えられず、BLじゃない物語は初挑戦です。貴族的表現を取り入れていますが、あくまで違う世界です。おかしいところもあるかと思いますが、ご了承下さいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる