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リリスの日常
最終話 リリスのライバル
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ここは、スピネル王都よりずっと西の方の海に浮かぶチャンプ島です。そこには、
四本の塔をかこむように、石の壁がくみ上げられているお城のような
闘技場があり、昔から戦士たちの聖地と呼ばれていました。
今日は、テイルとリリスの試合の日であり、スピネルでは人気のファイター同士の対決と
あって、多くの観客たちがごった返していました。
「すごい盛況だね」すぐるが辺りを見回して言いました。
「うむ、腕が鳴るのぉ!」リリスが言うと、そこには早速、キャリーを
はじめ、リリスのファンである孤児院の子供たちが出迎えてくれました。
「リリス姉ちゃん、がんばって!」
「うむ!まかせるがよい!」リリスが胸に右拳を当てて言うと、そこにキャリーが
やってきました。
「姐さん、アタシ、テイルの弱点を知っているわ、教えようか?」これにリリスは
首を横にふります。
「そんなことはせずともよい!妾は相手の弱みにつけいるような卑怯な
ことはせぬ!これは正当な競技じゃ、汚いケンカではない!」これに
キャリーは不満(ふまん)そうに口をとがらせて言いました。
「そんなきれいごと言っちゃって!負けても知らないよ!そもそも、
切羽詰まったら、誰だって卑怯に・・・」
これにリリスはキャリーに合図し、ファンからはなれた場所に連れてきて、諭すように言いました。
「キャリー、妾は前から、お主のそんなところが気になっておったのじゃ!
お主がなかなか強くなれぬのは、いざと言う時、ズルい手に走りやすい
心の弱さにあるのじゃ!前にも言ったであろう?ズルい手や卑怯な事ばかり
やっておると、それがクセになり、まともなやり方が出来ぬようになるとな!
友人のキャンベルも言っておったぞ、「卑怯な手は長続きしない、必ずほころびが出て、
そこから一気にほつれる」と!
本当に強く、自分に自信がある者は、
卑怯なことはせぬ!それに、妾がそんな八百長をすれば、
ファンをがっかりさせるだけでなく、後で後悔することになるしの!
余談だが、妾の炎や毒だって、互角の立場の相手にしか使わぬ!」
リリスはそう言って、選手の控室に向かいます。
いよいよ、試合の時、観客席にはすぐるやキャリー、孤児院の子供たち、シェン老人の他、シェリーなどの観客で周りの観客席はいっぱいになりました。
そして、間もなく両選手が入場してきました。茶色のミニスカワンピースドレスを
着込んだ魔族のリリスと、上下に分かれた白いロングドレスとアームカバーを
着用し、黒いロングヘアーを上でポニーテールにしたエルフのテイルの
二人です。
この世界で試合をするときは、選手たちは思い思いのコスチュームを着て、
個性を出すことが一般的です。必要以上にかたくないか、魔法などがないかなどの
ルールはありますが、基本的にデザインは自由です。
両選手が中央の闘技場に入り、お互いに向き合うと、司会者の
あいさつが始まります。
「皆さん!ようこそいらっしゃいました!今、この戦士たちの聖地で、世紀の名勝負が
始まろうとしています!ここで選手の紹介です。赤コーナー、パワーとパンチ力が
自慢の燃える闘魂、バーニングガールリリス選手!」リリスの
ファンたちの歓声がこだまします。
「青コーナー、スピードとキック力はピカイチ、疾風迅雷の
風の舞姫テイル選手!」テイルのファンたちも、リリスのファンたちに負けず劣らずの
歓声を響かせます。
「試合は1ラウンド三分の10ラウンド制です!それではSー1の試合開始!」ゴングが
響きわたると、両選手は一気にお互いの相手に向かっていきました。
リリスは早速、パンチの連打をしかけますが、テイルはかろやかなフットワークで
かわし、クリーンヒットせず、テイルもキックをしかけますが、リリスはガードします。
「やりおるな!お主!」
「あなたもね!」前半のラウンド、リリスは
決め手に欠け、テイルのペースだったのですが、
6ラウンドからは、テイルのスタミナが
切れてきて、スピードが落ち始めたので、
リリスのパンチが当たるようになってきました。
リリスはジャブの連打をくり返してはスキを
うかがい、左のフックがテイルのボディを
とらえ、右ストレートが、テイルの
頬に大当たりし、激しい
破裂音がしました。
「ぐぅっ・・・!」さすがに効いたらしく、
テイルはよろめきますが、まだ倒れません。
そして、10ラウンド、一気にリリスが
攻め込みますが、テイルはスキを見てリリスに
足払いをかけ、体勢をくずし、
二発のボディブローを浴びせ、
横っ面に回し蹴りを叩き込むと、
リリスは倒れて、テイルのkО勝ちが
決まりました。
「さすがにテイルは強いの!
これで1勝2敗じゃ!」
「リリスだって、なかなか強いじゃない!
いい試合をありがとう!」両選手は固く
あくしゅをすると、観客席は大歓声で
二人の健闘を祝福
します。キャリーは不思議そうでした。
「姐さん、負けたのになんであんなに
いい顔しているの?」すぐるが答えます。
「それは、正々堂々、全力を出して負けたから
スッキリしたんだよ。これがもし、ズルい手を
使っていたら、勝ってもうれしくなかったと
思うよ、リリスはおてんばで不器用だけど、勇気があって、まっすぐで心優しくて、
ぼく、そんなリリスの事が大好きだよ!」
それを聞いたリリスは大つぶの涙をこぼし、すぐるをだきよせます。
「・・・やっぱりすぐるの事・・・大好き!♡」リリスはファンが見ているのもかまわず、
すぐるのくちびるにキスをすると、キャリーの
目からもしずくがこぼれ落ちました。《終わり》
四本の塔をかこむように、石の壁がくみ上げられているお城のような
闘技場があり、昔から戦士たちの聖地と呼ばれていました。
今日は、テイルとリリスの試合の日であり、スピネルでは人気のファイター同士の対決と
あって、多くの観客たちがごった返していました。
「すごい盛況だね」すぐるが辺りを見回して言いました。
「うむ、腕が鳴るのぉ!」リリスが言うと、そこには早速、キャリーを
はじめ、リリスのファンである孤児院の子供たちが出迎えてくれました。
「リリス姉ちゃん、がんばって!」
「うむ!まかせるがよい!」リリスが胸に右拳を当てて言うと、そこにキャリーが
やってきました。
「姐さん、アタシ、テイルの弱点を知っているわ、教えようか?」これにリリスは
首を横にふります。
「そんなことはせずともよい!妾は相手の弱みにつけいるような卑怯な
ことはせぬ!これは正当な競技じゃ、汚いケンカではない!」これに
キャリーは不満(ふまん)そうに口をとがらせて言いました。
「そんなきれいごと言っちゃって!負けても知らないよ!そもそも、
切羽詰まったら、誰だって卑怯に・・・」
これにリリスはキャリーに合図し、ファンからはなれた場所に連れてきて、諭すように言いました。
「キャリー、妾は前から、お主のそんなところが気になっておったのじゃ!
お主がなかなか強くなれぬのは、いざと言う時、ズルい手に走りやすい
心の弱さにあるのじゃ!前にも言ったであろう?ズルい手や卑怯な事ばかり
やっておると、それがクセになり、まともなやり方が出来ぬようになるとな!
友人のキャンベルも言っておったぞ、「卑怯な手は長続きしない、必ずほころびが出て、
そこから一気にほつれる」と!
本当に強く、自分に自信がある者は、
卑怯なことはせぬ!それに、妾がそんな八百長をすれば、
ファンをがっかりさせるだけでなく、後で後悔することになるしの!
余談だが、妾の炎や毒だって、互角の立場の相手にしか使わぬ!」
リリスはそう言って、選手の控室に向かいます。
いよいよ、試合の時、観客席にはすぐるやキャリー、孤児院の子供たち、シェン老人の他、シェリーなどの観客で周りの観客席はいっぱいになりました。
そして、間もなく両選手が入場してきました。茶色のミニスカワンピースドレスを
着込んだ魔族のリリスと、上下に分かれた白いロングドレスとアームカバーを
着用し、黒いロングヘアーを上でポニーテールにしたエルフのテイルの
二人です。
この世界で試合をするときは、選手たちは思い思いのコスチュームを着て、
個性を出すことが一般的です。必要以上にかたくないか、魔法などがないかなどの
ルールはありますが、基本的にデザインは自由です。
両選手が中央の闘技場に入り、お互いに向き合うと、司会者の
あいさつが始まります。
「皆さん!ようこそいらっしゃいました!今、この戦士たちの聖地で、世紀の名勝負が
始まろうとしています!ここで選手の紹介です。赤コーナー、パワーとパンチ力が
自慢の燃える闘魂、バーニングガールリリス選手!」リリスの
ファンたちの歓声がこだまします。
「青コーナー、スピードとキック力はピカイチ、疾風迅雷の
風の舞姫テイル選手!」テイルのファンたちも、リリスのファンたちに負けず劣らずの
歓声を響かせます。
「試合は1ラウンド三分の10ラウンド制です!それではSー1の試合開始!」ゴングが
響きわたると、両選手は一気にお互いの相手に向かっていきました。
リリスは早速、パンチの連打をしかけますが、テイルはかろやかなフットワークで
かわし、クリーンヒットせず、テイルもキックをしかけますが、リリスはガードします。
「やりおるな!お主!」
「あなたもね!」前半のラウンド、リリスは
決め手に欠け、テイルのペースだったのですが、
6ラウンドからは、テイルのスタミナが
切れてきて、スピードが落ち始めたので、
リリスのパンチが当たるようになってきました。
リリスはジャブの連打をくり返してはスキを
うかがい、左のフックがテイルのボディを
とらえ、右ストレートが、テイルの
頬に大当たりし、激しい
破裂音がしました。
「ぐぅっ・・・!」さすがに効いたらしく、
テイルはよろめきますが、まだ倒れません。
そして、10ラウンド、一気にリリスが
攻め込みますが、テイルはスキを見てリリスに
足払いをかけ、体勢をくずし、
二発のボディブローを浴びせ、
横っ面に回し蹴りを叩き込むと、
リリスは倒れて、テイルのkО勝ちが
決まりました。
「さすがにテイルは強いの!
これで1勝2敗じゃ!」
「リリスだって、なかなか強いじゃない!
いい試合をありがとう!」両選手は固く
あくしゅをすると、観客席は大歓声で
二人の健闘を祝福
します。キャリーは不思議そうでした。
「姐さん、負けたのになんであんなに
いい顔しているの?」すぐるが答えます。
「それは、正々堂々、全力を出して負けたから
スッキリしたんだよ。これがもし、ズルい手を
使っていたら、勝ってもうれしくなかったと
思うよ、リリスはおてんばで不器用だけど、勇気があって、まっすぐで心優しくて、
ぼく、そんなリリスの事が大好きだよ!」
それを聞いたリリスは大つぶの涙をこぼし、すぐるをだきよせます。
「・・・やっぱりすぐるの事・・・大好き!♡」リリスはファンが見ているのもかまわず、
すぐるのくちびるにキスをすると、キャリーの
目からもしずくがこぼれ落ちました。《終わり》
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