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リリスの日常
リリスの回想
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リリスとキャリーはすぐると向き合うようにテーブル席に座ると、すぐるが
言いました。
「ねぇ、リリス、キャリーは孤児院に住んでいるって聞いたけど、二人はどうやって
知り合ったのかな?」これに、リリスが言いました。
「うむ、なら話してやろうか?妾とキャリーの出会いをの。
あれは、今から1年ほど
前じゃ、妾がこの町のアクセサリーショップでショッピングを楽しんでおった時、
ぼろの服を着ていた猫の獣人の少女、つまり、キャリーが人目を気にするように
あたりを見回しておった、それで、キャリーはスキを見て棚に
陳列していた1000Gもする宝石の首かざりをかすめ取り、
会計をせずに店を足早に出ていったのを見たのじゃ!
「キャードロボー!」と言うさけび声とともに、妾はキャリーを追いかけたのじゃ。
キャリーの逃げ足は思ったよりも速く、なかなか追いつけなかった。
それで、気が付けば、町の北東にある倉庫街にたどり着いたのじゃ。
キャリーをさがし回っておると、キャリーは二人組のゴロツキどもにかこまれて
おった。どうも、キャリーはその二人の財布をちょろまかしたとの
事だった。ゴロツキどもは、手に警棒やナイフをにぎっておった。
キャリーはおびえてぎゅっと目をつむった時、妾はキャリーをかばって、
ゴロツキどもの前にたちはだかった」
「そうか、キャリーは盗みで暮らしをたてていたんだ」リリスがうなずくと、
話を続けます。
「いくらなんでも、小さな少女相手に二人がかりで武器をふるうなど
もってのほかじゃった!妾は振り下ろされる警棒を左腕ではじき、右ストレートで
一人目を下し、ナイフで襲いかかってくるもう一人を
回し蹴りで迎えうつと、ゴロツキどもは尻尾を
巻いて逃げだした。キャリーは妾に礼を言ったが、店で盗みを
働いた事をとがめ、アクセサリーショップに連れて行き、
店員にあやまらせた。それで、店員はその孤児をどうするかと
尋ねてきた。そこで、妾はキャリーを孤児院をやっている
『聖フレナード教会』にあずけることを思いついたのじゃ」
「なるほど、それでキャリーは教会に住む事になったんだね」すぐるがキャリーに
言いました。
「そうさ!今じゃ教会がアタイの家よ!」リリスがほほえみながら話を続けます。
「教会にはキャリーと同じように、倉庫街に住んでいた孤児や、便利な暮らしに
ありつけなかった身寄りのない子供たちが住んでおった。院長のシスターは喜んで
キャリーをむかえてくれた。ここなら、キャリーと同じくらいの子もおるし、
もう、盗みを働く必要もないと思ったのじゃ。
数週間後、久しぶりに孤児院の様子を見に来た
妾の前に、白のワンピースドレスを着たキャリーがやって来てこう言ったのじゃ。
「お願い、リリス姐さん!アタイを弟子にして!」とな」
「それを聞いた妾は最初、戸惑ったが、キャリーが真剣な目で「アタイも、
姐さんみたいに強くなりたい!きれいな女性になりたい!」とうったえるものだから、
妾はキャリーを弟子にすることにしたのじゃ。
それで、妾はキャリーを道場に連れて
行き、共に拳法の稽古にはげんだのじゃ。最初はすぐにへばったりしたが、
1年もすると、妾が教えた型や技を一通りマスターし、少しの事じゃ
へばらなくなったのじゃ。見たところ、キャリーはパワーはそうでもないが、
今までドロボーしてきた分、スピードはあったし、のみこみも早かった。
なかなか素質はありそうじゃった」
「なるほど、キャリーって強くなったんだね」これに、キャリーは首を横にふります。
「いいや、アタイなんてまだ全然よ、試合の時は、ここぞって時にやられちゃうし、
姐さんにはまるでかなわないもん」これに、リリスは言いました。
「確かに、キャリーは才能はあるが、まだ『精神的』に弱いところが
あるしの。と、まぁ、妾はキャリーには、格闘技のほか、
今までの冒険などで学んだことなどを教えてきたのじゃ。おっと、
そろそろ夕食の時間じゃな、準備をせねば。すぐる、
お主も手伝ってくれぬかの」
「オーケー」リリスとすぐるはエプロンを着けて、夕食のしたくにとりかかりました。
リリスは大きな鍋に、生のターキーを入れて、コンロの上に置くと、
口から炎を吐いてコンロに火をつけ、ターキーを焼き始めました。
「わぁ・・・いい匂いがしてきた」
「姐さんって、意外に料理が上手なのよね」キャリーがこう言うと、リリスが
言い返します。
「意外とは何じゃ!?妾は両親を亡くし、一人暮らしで自炊する事が
多かったのじゃ」
「なるほどね」すぐるもお湯をわかし、きざんだ野菜とコンソメの粉を入れて、
スープの準備をします。そして、ほどなくして夕食が完成しました。
「わぁ、ターキーの焼き加減も、スパイシーな味付けもいいね」
「すぐるも料理するんだ・・・いい感じ」キャリーはスープをすすりながら
言いました。
「まあね、リリスに仕込まれたんだよ。男と言えど、料理は出来たほうがいいってね。
さっきの話を聞いて思ったけど、リリスって強いだけじゃないんだね」これに、リリスは
ムッとします。
「何じゃ!腕っぷしだけが取り柄だと思っておったのか?」
「そんなことないよ、リリスって姉御肌なんだね、面倒見がいいし、
しっかりしているし」これに、キャリーも言いました。
「ええ!アタイの自慢の姐さんよ!」これにリリスは顔を赤らめて叫びます。
「これ!よさぬか二人とも!」その声はどことなくうれしそうでもありました。
(リリスって、やっぱりかわいいな)
言いました。
「ねぇ、リリス、キャリーは孤児院に住んでいるって聞いたけど、二人はどうやって
知り合ったのかな?」これに、リリスが言いました。
「うむ、なら話してやろうか?妾とキャリーの出会いをの。
あれは、今から1年ほど
前じゃ、妾がこの町のアクセサリーショップでショッピングを楽しんでおった時、
ぼろの服を着ていた猫の獣人の少女、つまり、キャリーが人目を気にするように
あたりを見回しておった、それで、キャリーはスキを見て棚に
陳列していた1000Gもする宝石の首かざりをかすめ取り、
会計をせずに店を足早に出ていったのを見たのじゃ!
「キャードロボー!」と言うさけび声とともに、妾はキャリーを追いかけたのじゃ。
キャリーの逃げ足は思ったよりも速く、なかなか追いつけなかった。
それで、気が付けば、町の北東にある倉庫街にたどり着いたのじゃ。
キャリーをさがし回っておると、キャリーは二人組のゴロツキどもにかこまれて
おった。どうも、キャリーはその二人の財布をちょろまかしたとの
事だった。ゴロツキどもは、手に警棒やナイフをにぎっておった。
キャリーはおびえてぎゅっと目をつむった時、妾はキャリーをかばって、
ゴロツキどもの前にたちはだかった」
「そうか、キャリーは盗みで暮らしをたてていたんだ」リリスがうなずくと、
話を続けます。
「いくらなんでも、小さな少女相手に二人がかりで武器をふるうなど
もってのほかじゃった!妾は振り下ろされる警棒を左腕ではじき、右ストレートで
一人目を下し、ナイフで襲いかかってくるもう一人を
回し蹴りで迎えうつと、ゴロツキどもは尻尾を
巻いて逃げだした。キャリーは妾に礼を言ったが、店で盗みを
働いた事をとがめ、アクセサリーショップに連れて行き、
店員にあやまらせた。それで、店員はその孤児をどうするかと
尋ねてきた。そこで、妾はキャリーを孤児院をやっている
『聖フレナード教会』にあずけることを思いついたのじゃ」
「なるほど、それでキャリーは教会に住む事になったんだね」すぐるがキャリーに
言いました。
「そうさ!今じゃ教会がアタイの家よ!」リリスがほほえみながら話を続けます。
「教会にはキャリーと同じように、倉庫街に住んでいた孤児や、便利な暮らしに
ありつけなかった身寄りのない子供たちが住んでおった。院長のシスターは喜んで
キャリーをむかえてくれた。ここなら、キャリーと同じくらいの子もおるし、
もう、盗みを働く必要もないと思ったのじゃ。
数週間後、久しぶりに孤児院の様子を見に来た
妾の前に、白のワンピースドレスを着たキャリーがやって来てこう言ったのじゃ。
「お願い、リリス姐さん!アタイを弟子にして!」とな」
「それを聞いた妾は最初、戸惑ったが、キャリーが真剣な目で「アタイも、
姐さんみたいに強くなりたい!きれいな女性になりたい!」とうったえるものだから、
妾はキャリーを弟子にすることにしたのじゃ。
それで、妾はキャリーを道場に連れて
行き、共に拳法の稽古にはげんだのじゃ。最初はすぐにへばったりしたが、
1年もすると、妾が教えた型や技を一通りマスターし、少しの事じゃ
へばらなくなったのじゃ。見たところ、キャリーはパワーはそうでもないが、
今までドロボーしてきた分、スピードはあったし、のみこみも早かった。
なかなか素質はありそうじゃった」
「なるほど、キャリーって強くなったんだね」これに、キャリーは首を横にふります。
「いいや、アタイなんてまだ全然よ、試合の時は、ここぞって時にやられちゃうし、
姐さんにはまるでかなわないもん」これに、リリスは言いました。
「確かに、キャリーは才能はあるが、まだ『精神的』に弱いところが
あるしの。と、まぁ、妾はキャリーには、格闘技のほか、
今までの冒険などで学んだことなどを教えてきたのじゃ。おっと、
そろそろ夕食の時間じゃな、準備をせねば。すぐる、
お主も手伝ってくれぬかの」
「オーケー」リリスとすぐるはエプロンを着けて、夕食のしたくにとりかかりました。
リリスは大きな鍋に、生のターキーを入れて、コンロの上に置くと、
口から炎を吐いてコンロに火をつけ、ターキーを焼き始めました。
「わぁ・・・いい匂いがしてきた」
「姐さんって、意外に料理が上手なのよね」キャリーがこう言うと、リリスが
言い返します。
「意外とは何じゃ!?妾は両親を亡くし、一人暮らしで自炊する事が
多かったのじゃ」
「なるほどね」すぐるもお湯をわかし、きざんだ野菜とコンソメの粉を入れて、
スープの準備をします。そして、ほどなくして夕食が完成しました。
「わぁ、ターキーの焼き加減も、スパイシーな味付けもいいね」
「すぐるも料理するんだ・・・いい感じ」キャリーはスープをすすりながら
言いました。
「まあね、リリスに仕込まれたんだよ。男と言えど、料理は出来たほうがいいってね。
さっきの話を聞いて思ったけど、リリスって強いだけじゃないんだね」これに、リリスは
ムッとします。
「何じゃ!腕っぷしだけが取り柄だと思っておったのか?」
「そんなことないよ、リリスって姉御肌なんだね、面倒見がいいし、
しっかりしているし」これに、キャリーも言いました。
「ええ!アタイの自慢の姐さんよ!」これにリリスは顔を赤らめて叫びます。
「これ!よさぬか二人とも!」その声はどことなくうれしそうでもありました。
(リリスって、やっぱりかわいいな)
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