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兄たちの制裁
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奏芽のやつはそんな俺と音芽のことなんてすでに眼中にないらしく、さっさとターゲットを鶴見に切り替えた。
「まぁそれはそうと、だ。そこの……えっと大我ちゃん、だっけ?」
ごく自然な感じで、奏芽が鶴見の車の開いたままになっていた助手席に座り込んで、鶴見に話しかける。
「どうも、はじめましてぇー。うちの音芽がいつもお世話になっておりますぅ~。わたくし、音芽の兄の鳥飼奏芽と申します」
こういうバカっぽい口調の時の奏芽は、その雰囲気とは裏腹にかなり高確率で機嫌が悪い。
俺も音芽もそのことを知っているから自然と身体に力が入った。
あー、これ、俺が問い詰めるより絶対手痛いお仕置きされるな、鶴見のやつ。
そんなことを思ったけれど、まぁ知ったこっちゃねぇわ。
寧ろ奏芽が妹のためにどういう風に動くのか興味津々なくらいだ。
言って、にこやかな笑顔で鶴見に手を差し出す奏芽を、俺も音芽も固唾を飲んで見守った。
丁寧なんだかおネエ言葉なんだか分からない変な口調の奏芽に、嫌な予感しかしない。
だが、奏芽のことを知らない人間は、そんなの分からないから大抵気を緩めて酷い目に遭わされるんだ。
そう、今の鶴見みたいに。
「あ、は、はじめまして。鶴見大我です。妹さんとはプライベートでも親しくさせていただいています」
とか、どう考えてもこいつ、舐めてるだろっ!
音芽とプライベートで親しくって何だよ?
俺そんなの認めた覚えねぇんだけど?
いくら奏芽が締まりのない口調で問いかけてきたからって、本気で反省してたらそういうセリフは出てこねぇよな、普通。
鶴見のあまりにも腹立たしい言動に、思わず前に出そうになった俺を、奏芽が片手を上げて制してくる。
くそっ。
奏芽、止めたからにはキッチリ落とし前付けさせろよ?
そう思って見守る俺と音芽の前で、奏芽が差し出された鶴見の手をにこやかに握り返した。
いや、握り返したというより握り潰しにかかったというべきか。
「痛っ」
鶴見が顔をしかめて慌てて手を引こうとするのを、奏芽はにこやかな笑顔を浮かべたまま、許さない。
「大我ちゃん。プライベートで親しくっていうのさぁー、うちの妹も合意の上での発言?」
低めた声で奏芽がそう言って、握ったままの手をグイッと自分の方へ引き寄せたのが見えた。
そうしてそのまま鶴見の胸ぐらを掴んで――。
「えっ! ちょっ!」
思わず音芽が身じろいで、驚きの声をあげたのも無理はない。
俺だって奏芽の行動にはさすがにびっくりしたんだ。
というよりその行動が、音芽の記憶のパンドラの箱を開けてしまうんじゃないかと、気が気じゃなかったんだ。
奏芽のバカ、さすがにそれはやりすぎだ!
「まぁそれはそうと、だ。そこの……えっと大我ちゃん、だっけ?」
ごく自然な感じで、奏芽が鶴見の車の開いたままになっていた助手席に座り込んで、鶴見に話しかける。
「どうも、はじめましてぇー。うちの音芽がいつもお世話になっておりますぅ~。わたくし、音芽の兄の鳥飼奏芽と申します」
こういうバカっぽい口調の時の奏芽は、その雰囲気とは裏腹にかなり高確率で機嫌が悪い。
俺も音芽もそのことを知っているから自然と身体に力が入った。
あー、これ、俺が問い詰めるより絶対手痛いお仕置きされるな、鶴見のやつ。
そんなことを思ったけれど、まぁ知ったこっちゃねぇわ。
寧ろ奏芽が妹のためにどういう風に動くのか興味津々なくらいだ。
言って、にこやかな笑顔で鶴見に手を差し出す奏芽を、俺も音芽も固唾を飲んで見守った。
丁寧なんだかおネエ言葉なんだか分からない変な口調の奏芽に、嫌な予感しかしない。
だが、奏芽のことを知らない人間は、そんなの分からないから大抵気を緩めて酷い目に遭わされるんだ。
そう、今の鶴見みたいに。
「あ、は、はじめまして。鶴見大我です。妹さんとはプライベートでも親しくさせていただいています」
とか、どう考えてもこいつ、舐めてるだろっ!
音芽とプライベートで親しくって何だよ?
俺そんなの認めた覚えねぇんだけど?
いくら奏芽が締まりのない口調で問いかけてきたからって、本気で反省してたらそういうセリフは出てこねぇよな、普通。
鶴見のあまりにも腹立たしい言動に、思わず前に出そうになった俺を、奏芽が片手を上げて制してくる。
くそっ。
奏芽、止めたからにはキッチリ落とし前付けさせろよ?
そう思って見守る俺と音芽の前で、奏芽が差し出された鶴見の手をにこやかに握り返した。
いや、握り返したというより握り潰しにかかったというべきか。
「痛っ」
鶴見が顔をしかめて慌てて手を引こうとするのを、奏芽はにこやかな笑顔を浮かべたまま、許さない。
「大我ちゃん。プライベートで親しくっていうのさぁー、うちの妹も合意の上での発言?」
低めた声で奏芽がそう言って、握ったままの手をグイッと自分の方へ引き寄せたのが見えた。
そうしてそのまま鶴見の胸ぐらを掴んで――。
「えっ! ちょっ!」
思わず音芽が身じろいで、驚きの声をあげたのも無理はない。
俺だって奏芽の行動にはさすがにびっくりしたんだ。
というよりその行動が、音芽の記憶のパンドラの箱を開けてしまうんじゃないかと、気が気じゃなかったんだ。
奏芽のバカ、さすがにそれはやりすぎだ!
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