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二章 三者三様
二人だけのパーティー
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「そう言えば由奈ちゃんのキャラクターってレベルどのくらい?」
夕食を済ませ、部屋へと戻りエリシアを起動した僕は更新がインストールされている待ち時間に由奈ちゃんへと壁越しに問う。
さっきの“お兄ちゃん大好き”がまだ耳に残っていてはいるけども、得てして妹というものはそんなものなのかもしれないと僕は自分のなかでそう整理する。
「あたしのキャラはまだレベル2だよ」
レベル2か……、今日の更新で新エリアが解放されるけど、由奈ちゃんと冒険する約束をしているから新エリアはまた今度かな……。
「分かった、なら今日は最初の街の辺りで由奈ちゃんへのキャラのレベル上げを手伝うよ」
「ホントっ!?お兄ちゃんありがとうー!」
由奈ちゃんとそんな話をしていると更新が終わり、僕はエリシアへとログインした。
『こんばんは!』
『こんばんは!』
『こんばんは、カナタ、ユーナカリアさん』
『カナタさん、ユーナカリアさんこんばんは』
僕と由奈ちゃんがほぼ同時に挨拶をするとスズタクさんと柊さんことミオリネさんが返事を返してくれた。
『カナタとユーナカリアさんは今日は同伴出勤か?』
『どーはんしゅっきん……ってなに……?』
「ねえ、お兄ちゃん同伴出勤ってなに?」
由奈ちゃんがチャットで聞くのと同時に壁越しに僕へと話しかけてくる。
何って聞かれても……なんて答えればいいのやら……。
『スズタクさん、ユーナカリアからリアルで聞かれました……。答えにくいことを言うのはやめてください……』
『スズタクさん、下手したらセクハラ発言ですよ……』
『はははは……!すまんすまん、おっさんのジョークだと思ってやり過ごしてくれ』
スズタクさんはそう言うけど……やれやれ、こっちはジョークじゃ済まないよ……。
僕はスズタクさんのブラックユーモア(?)に苦笑しながら画面を見つめていた。
『それより、カナタさん新しく実装されたエリアに行ってみませんか?』
『ミオリネさんごめん、今日はユーナカリアのレベル上げを手伝う約束をしてるんだ』
『ミオリネさんごめんね、今日はあたしがお兄ちゃんを予約してたの(汗)』
『わかりました、そういう事なら仕方ないですね。では次の機会にでもカナタさんをお誘いします』
『うん、その時は頼むよ』
『ミオリネさん、もしよければ俺と新エリアに行ってみないか?』
『わかりました』
『それじゃあユーナカリアは僕と行こうか』
『うん!お兄ちゃんお願いします!』
「そう言えば、由奈ちゃんは今どこにいるの?」
「え……?えっと……トリスタって街。そこにあるトリエステ城ってお城の前にいるよ」
トリスタ……一番最初の街か……。
「分かった」
僕はゲームのアイテム欄にある瞬間移動スクロールを使ってトリスタへと移動した。
◆◆◆
(え~っと……、確かトリエステ城のところに由奈ちゃんがいるって言ってたな……)
僕はキャラクターを操作しながらユーナカリアを探していると、城の入り口で目的のキャラクターを見つけた。
「由奈ちゃん来たよ」
「あ、お兄ちゃんだ!やっほ~!」
由奈ちゃんはユーナカリアを操作して僕のキャラクターへと手を振る。
「とりあえず、由奈ちゃんにパーティーの招待を送るよ」
「なんで?」
「パーティーを組んで敵を倒すと経験値がパーティー全員に入るんだよ」
「なるほど……」
「そういう訳だからユーナカリアにパーティーの招待を送るね」
「うん、分かった」
僕はユーナカリアへとパーティーの招待を送ると由奈ちゃんがそれを受けたのか『【ユーナカリア】さんがパーティーに加わりました!』というメッセージが流れてきた。
「よし、それじゃあ行くよ」
「うん!」
僕はカナタを移動させるとユーナカリアと共に街の外へと向かった。
夕食を済ませ、部屋へと戻りエリシアを起動した僕は更新がインストールされている待ち時間に由奈ちゃんへと壁越しに問う。
さっきの“お兄ちゃん大好き”がまだ耳に残っていてはいるけども、得てして妹というものはそんなものなのかもしれないと僕は自分のなかでそう整理する。
「あたしのキャラはまだレベル2だよ」
レベル2か……、今日の更新で新エリアが解放されるけど、由奈ちゃんと冒険する約束をしているから新エリアはまた今度かな……。
「分かった、なら今日は最初の街の辺りで由奈ちゃんへのキャラのレベル上げを手伝うよ」
「ホントっ!?お兄ちゃんありがとうー!」
由奈ちゃんとそんな話をしていると更新が終わり、僕はエリシアへとログインした。
『こんばんは!』
『こんばんは!』
『こんばんは、カナタ、ユーナカリアさん』
『カナタさん、ユーナカリアさんこんばんは』
僕と由奈ちゃんがほぼ同時に挨拶をするとスズタクさんと柊さんことミオリネさんが返事を返してくれた。
『カナタとユーナカリアさんは今日は同伴出勤か?』
『どーはんしゅっきん……ってなに……?』
「ねえ、お兄ちゃん同伴出勤ってなに?」
由奈ちゃんがチャットで聞くのと同時に壁越しに僕へと話しかけてくる。
何って聞かれても……なんて答えればいいのやら……。
『スズタクさん、ユーナカリアからリアルで聞かれました……。答えにくいことを言うのはやめてください……』
『スズタクさん、下手したらセクハラ発言ですよ……』
『はははは……!すまんすまん、おっさんのジョークだと思ってやり過ごしてくれ』
スズタクさんはそう言うけど……やれやれ、こっちはジョークじゃ済まないよ……。
僕はスズタクさんのブラックユーモア(?)に苦笑しながら画面を見つめていた。
『それより、カナタさん新しく実装されたエリアに行ってみませんか?』
『ミオリネさんごめん、今日はユーナカリアのレベル上げを手伝う約束をしてるんだ』
『ミオリネさんごめんね、今日はあたしがお兄ちゃんを予約してたの(汗)』
『わかりました、そういう事なら仕方ないですね。では次の機会にでもカナタさんをお誘いします』
『うん、その時は頼むよ』
『ミオリネさん、もしよければ俺と新エリアに行ってみないか?』
『わかりました』
『それじゃあユーナカリアは僕と行こうか』
『うん!お兄ちゃんお願いします!』
「そう言えば、由奈ちゃんは今どこにいるの?」
「え……?えっと……トリスタって街。そこにあるトリエステ城ってお城の前にいるよ」
トリスタ……一番最初の街か……。
「分かった」
僕はゲームのアイテム欄にある瞬間移動スクロールを使ってトリスタへと移動した。
◆◆◆
(え~っと……、確かトリエステ城のところに由奈ちゃんがいるって言ってたな……)
僕はキャラクターを操作しながらユーナカリアを探していると、城の入り口で目的のキャラクターを見つけた。
「由奈ちゃん来たよ」
「あ、お兄ちゃんだ!やっほ~!」
由奈ちゃんはユーナカリアを操作して僕のキャラクターへと手を振る。
「とりあえず、由奈ちゃんにパーティーの招待を送るよ」
「なんで?」
「パーティーを組んで敵を倒すと経験値がパーティー全員に入るんだよ」
「なるほど……」
「そういう訳だからユーナカリアにパーティーの招待を送るね」
「うん、分かった」
僕はユーナカリアへとパーティーの招待を送ると由奈ちゃんがそれを受けたのか『【ユーナカリア】さんがパーティーに加わりました!』というメッセージが流れてきた。
「よし、それじゃあ行くよ」
「うん!」
僕はカナタを移動させるとユーナカリアと共に街の外へと向かった。
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