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二章 三者三様
甘える妹と甘えれない姉
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カナタを街の外へと向かわせるとそこは平原となっており、画面の至る所にホーンラビットという額に小さな角の生えたウサギが多数生息していた。
「ねえ、お兄ちゃん戦闘ってどうやるの?」
壁越しに由奈ちゃんの声が聞こえてくる。
「そうか……、由奈ちゃんは最初のチュートリアルクエストしかしていないのか……」
チュートリアルクエスト、それは操作説明を行うためのクエストでこれを完遂するとレベルが1上がる。
つまり、このゲームでは実質レベル2からのスタートとなる。
「そうだよ~。キャラを作ってみたもののよく分からなかったからそのまま放置してたんだよ」
「なるほど、ユーナカリアは魔法使い?」
「うん、魔法使いの女の子!」
「魔法はどんなのが使える?」
「えっとね……ファイアローとアイスバレットっていうの」
ふむ……、ファイアローとアイスバレットか。
確か両方とも炎と氷の初級魔法だったな……。
「魔法使いは確か画面右の方に本みたいなアイコンがない?それを選択すると魔法が撃てるよ。それか、その魔法を画面下のサブパレットにセットしておくといつでも使えるよ」
「え……?えっと……ごめんお兄ちゃんどれか分からないからちょっと来て~!」
「え……?うん、分かった……」
僕は席を立って部屋を出ると由奈ちゃんの部屋の前へとやってくる。
そしてドアをようと手を上げると同時に部屋のドアが開かれた。
「あ、お兄ちゃんいらっしゃ~い!さ、入って!」
そこには僕へと笑顔を振りまく由奈ちゃんの姿があった。
「おじゃましま~す……」
僕は自分の家なのにどこか緊張しながら由奈ちゃんの部屋へと入る。
うう……女の子の部屋に入るのなんて初めてだから緊張するよ……。
そう思いながら部屋を見渡すと部屋の広さこそ僕の部屋と同じ6畳くらいの部屋にベッドに本棚、服がしまってあるタンスに勉強机兼パソコンデスクなどの家具が置かれていた。
違いと言えば、家具の色は水色系で統一され、ベッドには犬のぬいぐるみが置かれてあることくらい。
マンガとかであるフリフリのレース付きの部屋とかそういうのでは無かったため、僕はどこか少しホッとした。
「それでお兄ちゃん、魔法ってどうやってこのサブパレットってのに入れるの?」
「これはこうやるんだよ」
僕は由奈ちゃんのマウスへと触ると本のようなアイコンを開くとその中にあるファイアローとアイスバレットのアイコンをドラックしてサブパレットへと持っていく。
「へえ~、こうやるんだ……」
「本のアイコン開いても出来るけど、よく使う魔法はこのサブパレットに入れておくと便利だよ。あと、このサブパレットはキーボードのファンクションキーと対応してるからボタンを押すだけですぐに発動出来るよ」
「ありがとうお兄ちゃん!すっごく助かったよっ!」
「ちょ……!由奈ちゃん……っ!?」
由奈ちゃんは笑顔を浮かべながら僕へと抱きついてきたため、思わずドキっとしてしまう。
い……いきなり抱きついてくるからなんかビックリするよ……。
「えへへ~、やっぱりお兄ちゃんは頼りになるなぁ~……。そうだ!改めて一緒に敵を倒していこうよ!」
「うん、そうだね」
由奈ちゃんに解放された僕は自分の部屋へと戻ると彼女とゲームを楽しんだのだった。
~サイドストーリー~
──亜希──
食事を済ませたあと、私は自分の部屋のベッドで寝転がりながらスマホを眺めていると隣の部屋から由奈の声が聞こえてきた。
「あ……!出たっ!お兄ちゃんあたしのユーナカリアが魔法を撃ったよ!」
声からして由奈は彼方とゲームで遊んでいるみたい……。
「そんなに面白いのかしら……?」
私は見ていた画面を閉じるとエリシア・オンラインを検索しゲームの紹介画面を開く。
これが今彼方と由奈が熱中しているゲーム……。
由奈はこのゲームを通して彼方との距離を近付けている……。
ゲームがきっかけで交際に発展したって話もテレビやネットで見たことがある……。
まさか……彼方と由奈も……?
私は焦りを感じていた……。
このままじゃ由奈に先を越されてしまう……。
でも、私はゲームなんてしたことないし……それにしたとしてもその後どうするの……?
彼方に助けてって一々言う……?
でもそれ、私のキャラじゃないって言うか……でも……どうすれば……。
私はゲームの紹介画面を見ながらウンウンと頭を悩ませていると隣の由奈の部屋からまた声が聞こえてきた。
「えっ!?お兄ちゃんこれくれるのっ!?やったー!お兄ちゃん大好きっ!」
大好き……その言葉を聞いた私はベッドから起き上がるとパソコンを立ち上げ、エリシア・オンラインというゲームをインストールさせ、ピンク色の髪をした自分のキャラクターを作ったのだった……。
「ねえ、お兄ちゃん戦闘ってどうやるの?」
壁越しに由奈ちゃんの声が聞こえてくる。
「そうか……、由奈ちゃんは最初のチュートリアルクエストしかしていないのか……」
チュートリアルクエスト、それは操作説明を行うためのクエストでこれを完遂するとレベルが1上がる。
つまり、このゲームでは実質レベル2からのスタートとなる。
「そうだよ~。キャラを作ってみたもののよく分からなかったからそのまま放置してたんだよ」
「なるほど、ユーナカリアは魔法使い?」
「うん、魔法使いの女の子!」
「魔法はどんなのが使える?」
「えっとね……ファイアローとアイスバレットっていうの」
ふむ……、ファイアローとアイスバレットか。
確か両方とも炎と氷の初級魔法だったな……。
「魔法使いは確か画面右の方に本みたいなアイコンがない?それを選択すると魔法が撃てるよ。それか、その魔法を画面下のサブパレットにセットしておくといつでも使えるよ」
「え……?えっと……ごめんお兄ちゃんどれか分からないからちょっと来て~!」
「え……?うん、分かった……」
僕は席を立って部屋を出ると由奈ちゃんの部屋の前へとやってくる。
そしてドアをようと手を上げると同時に部屋のドアが開かれた。
「あ、お兄ちゃんいらっしゃ~い!さ、入って!」
そこには僕へと笑顔を振りまく由奈ちゃんの姿があった。
「おじゃましま~す……」
僕は自分の家なのにどこか緊張しながら由奈ちゃんの部屋へと入る。
うう……女の子の部屋に入るのなんて初めてだから緊張するよ……。
そう思いながら部屋を見渡すと部屋の広さこそ僕の部屋と同じ6畳くらいの部屋にベッドに本棚、服がしまってあるタンスに勉強机兼パソコンデスクなどの家具が置かれていた。
違いと言えば、家具の色は水色系で統一され、ベッドには犬のぬいぐるみが置かれてあることくらい。
マンガとかであるフリフリのレース付きの部屋とかそういうのでは無かったため、僕はどこか少しホッとした。
「それでお兄ちゃん、魔法ってどうやってこのサブパレットってのに入れるの?」
「これはこうやるんだよ」
僕は由奈ちゃんのマウスへと触ると本のようなアイコンを開くとその中にあるファイアローとアイスバレットのアイコンをドラックしてサブパレットへと持っていく。
「へえ~、こうやるんだ……」
「本のアイコン開いても出来るけど、よく使う魔法はこのサブパレットに入れておくと便利だよ。あと、このサブパレットはキーボードのファンクションキーと対応してるからボタンを押すだけですぐに発動出来るよ」
「ありがとうお兄ちゃん!すっごく助かったよっ!」
「ちょ……!由奈ちゃん……っ!?」
由奈ちゃんは笑顔を浮かべながら僕へと抱きついてきたため、思わずドキっとしてしまう。
い……いきなり抱きついてくるからなんかビックリするよ……。
「えへへ~、やっぱりお兄ちゃんは頼りになるなぁ~……。そうだ!改めて一緒に敵を倒していこうよ!」
「うん、そうだね」
由奈ちゃんに解放された僕は自分の部屋へと戻ると彼女とゲームを楽しんだのだった。
~サイドストーリー~
──亜希──
食事を済ませたあと、私は自分の部屋のベッドで寝転がりながらスマホを眺めていると隣の部屋から由奈の声が聞こえてきた。
「あ……!出たっ!お兄ちゃんあたしのユーナカリアが魔法を撃ったよ!」
声からして由奈は彼方とゲームで遊んでいるみたい……。
「そんなに面白いのかしら……?」
私は見ていた画面を閉じるとエリシア・オンラインを検索しゲームの紹介画面を開く。
これが今彼方と由奈が熱中しているゲーム……。
由奈はこのゲームを通して彼方との距離を近付けている……。
ゲームがきっかけで交際に発展したって話もテレビやネットで見たことがある……。
まさか……彼方と由奈も……?
私は焦りを感じていた……。
このままじゃ由奈に先を越されてしまう……。
でも、私はゲームなんてしたことないし……それにしたとしてもその後どうするの……?
彼方に助けてって一々言う……?
でもそれ、私のキャラじゃないって言うか……でも……どうすれば……。
私はゲームの紹介画面を見ながらウンウンと頭を悩ませていると隣の由奈の部屋からまた声が聞こえてきた。
「えっ!?お兄ちゃんこれくれるのっ!?やったー!お兄ちゃん大好きっ!」
大好き……その言葉を聞いた私はベッドから起き上がるとパソコンを立ち上げ、エリシア・オンラインというゲームをインストールさせ、ピンク色の髪をした自分のキャラクターを作ったのだった……。
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