罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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二章 三者三様

妹の距離と姉の距離

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「ねえねえお母さんっ!今日お兄ちゃんすっごくカッコよかったんだよ!今日あたし知らない男の人に連れて行かれそうなったんだけど、お兄ちゃんが助けに来てくれて、その男の人たちをズバーっと投げ飛ばしてたんだよ!」

 夜……父さんと真奈美さんが帰り、みんなで夕食を囲っていると由奈ちゃんが今日の出来事を身振り手振り、さらに擬音まで交えて興奮冷めやぬ様子で説明していた。

「由奈ちゃん大丈夫だったの……っ!?」

「大丈夫大丈夫!お兄ちゃんのおかげであたしはほら、ケガ一つしてないよ!」

 真奈美さんの心配をよそに由奈ちゃんは笑いながらピースまでしていた。

「彼方は中学の頃まで柔道を習ってたからな……、しかしなかなか頼もしい兄じゃないか」

「まあ……、でもたまたま通りかかってよかったよ。もう少し由奈ちゃんに気がつくのが遅かったら今ごろ由奈ちゃんはどうなっていたかと思うとゾッとするよ……」

「ホント、お兄ちゃんには感謝してもしきれないよ~!あははははっ!」

「ちょっと……!由奈ちゃん……っ!?」

 由奈ちゃんは突然席を立つと僕に抱きついてきた。

 あわ……あわわわ……!せ……背中に由奈ちゃんの柔らかな二つの膨らみが……!

「こら由奈……!行儀が悪いわよ……!」

 その様子を亜希はどこかムッとしながら由奈ちゃんを注意していた。
 姉として妹の行儀を指摘しているんだろうな……、亜希も中々いいお姉ちゃんをしているようだ。

「それはそうと、今日の夕飯は彼方と亜希ちゃんが作ってくれたんだろ?中々美味しいじゃないか」

「は……はい……!彼方に教えてもらいながら作りましたっ!」

 父さんは亜希と由奈ちゃんの様子に若干苦笑しながらも話を変えるように炒飯を口へと運ぶと亜希はぱあっと笑顔を浮かべていた。

「へぇ~、亜希ちゃんと彼方くんがね……うふふ、二日目なのに一緒に料理をするほど仲が良くなってるのね、お母さん嬉しいわ」

 真奈美さんも笑顔を浮かべながら炒飯を食べているとなぜか由奈ちゃんは少し面白く無さそうな顔をしていた。

「ねね、お兄ちゃん。今度あたし調理実習があるんだ、あたしの料理も見てよ~」

「あら……?由奈ちゃんの調理実習ってもう少し先じゃなかったかしら……?それに、料理を覚えたいのならお母さんが教えてあげるわよ?」

「やだ!あたしお兄ちゃんがいいのっ!」

「ははは……、彼方はモテモテだな」

「あは……あははは……、ま……まあ、僕でよければいつでも教えてあげるよ」

「ホントっ!?やったーっ!!」

「ちょ……っ!由奈ちゃん……っ!?」

 僕は苦笑しながらも由奈ちゃんのお願いを聞き入れると、彼女は笑顔を浮かべながらさらに僕へと抱きついてくる!
 すると当然由奈ちゃんの胸が僕の背中に押し付けられるわけで……。
 僕は理性をフル動員してその感触に耐えていた。

「由奈っ!いい加減にしなさいっ!彼方が困ってるでしょっ!?」

「えぇ~、お姉ちゃん嫉妬してるの~?」

「んな……!し……嫉妬なんてしてないわよ……!」

「じゃあいいじゃん。それにお兄ちゃん困ってないよね?」

「え……?えっと……」

 由奈ちゃんの言葉に僕は言葉に詰まり、視線を泳がせていた。

 確かに困ると言えば困る、困っていないと言えば困っていない……むしろ役得……。

「でも由奈ちゃん、お行儀が悪いのは確かよ」

「はぁ~い……」

 真奈美さんに指摘された由奈ちゃんは渋々僕からから離れると僕は少し残念な気持ちを感じながらもホッと胸を撫で下ろした。

「全く……彼方も由奈に抱きつかれてデレデレしすぎよ……!」

「うぐ……」

 亜希に指摘された僕はぐうの音も出ない……。
 でもまあ……女の子に抱きつかれて嬉しくない男はいないっていうか、あの胸をもっと押し付けて欲しかったと言うか……。

 いやいや……ダメだ……!僕は由奈ちゃんの兄なんだ!
 妹にそんな邪なことを考えるわけにはいかない……!
 毅然とした取っておかないと……っ!

 僕は緩んだ気をぎゅっと引き締めた!

「ねえねえ、お兄ちゃん!ご飯食べたらエリシア一緒にしようよ!あたしと一緒に冒険しよ!」

「あ、うんいいよ」 

「やったーっ!お兄ちゃん大好きっ!」

「うわぁ……!ちょ……!由奈ちゃん……っ!?」

 僕は由奈ちゃんの頼みを聞き入れると、再び彼女は僕へと抱きついてきたのだった。
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