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亜希の章 ツンデレな同居人
涙のあとに繋いだ手
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──亜希──
「何よ彼方のバカっ!そんなに胸の大きい子が良ければ柊さんや由奈と来れば良かったじゃない……!」
私は肩を怒らせながらプールサイドを歩いていると、腹立たしさと共にこんなはずじゃなかったのにと言う悲しさに襲われる。
「ほんと……こんなはずじゃなかったのに……」
私は自分の小さな胸に手を当てながら呟く……。
もう少し胸が大きければ彼方も喜んでくれたのかな……。
やっぱり私じゃダメなのかな……。
あの時、笑いながら「彼方のバカ」って言えば良かったなかなか……。
拗ねて彼方の前から去ってしまった自分自身に私は後悔をしていた……。
「私のバカ……本当は彼方と遊ぶのすごく楽しみにしてたのに……」
気がつくと目の前が涙でにじんでいた……。
もういきなりこんなんじゃ全部が台無し……、もう帰りたい……。
「ねえ、そこの君……」
「え……?」
更衣室へと向かおうとすると突然声をかけられた。
彼方かなと思い振り向くとそこには知らない男性二人の姿があった。
「君かわいいね!よかったら俺たちと遊ばない?」
「え……?いや……その……」
「俺たち見ての通り男二人なんだよ。だからさ、君のような可愛い子と一緒に遊びたいなって思ったんだけどどうかな?」
「あの……その……私友達と来てて……」
「そうなんだ。じゃあさ、その友達が来るまでの間俺たちと遊んで待っていようよ」
「さ……さよなら……!」
「おっと、逃さないよ」
私は急いで更衣室へと逃げようとするも前に男の人が立ちふさがる。
後ろを振り向くともう一人の男の人が立っていて私は男の人たちに挟まれてしまった。
こ……怖い……、か……彼方助けてよ……。
男の人の一人が私の腕へと手を伸ばす……。
も……もうダメ……!
私は目をギュッと閉じたその時……!
「亜希……!」
彼方が私のところに来てくれたのだった……!
──彼方──
(はぁ~……、亜希を怒らせちゃった……)
僕は心の中でため息をつきながらトボトボと歩いていた。
僕ってダメだな……、折角亜希ともっと仲良くなれる機会だってのに……。
ぼくは亜希を探すため周囲を見渡していると二人の男の人に囲まれている亜希を見つけた!
「大変だ……!」
僕は考えるよりも先に体が動き彼女の元へと走った!
「亜希……!」
亜希の腕が男の人に掴まれそうになったその時、僕は亜希の名前を呼ぶと亜希は怯えたような表情から一転、僕の姿を見た瞬間、目を見開き、ほっとしたように涙ぐんだ。
「彼方……!」
僕は彼女の腕を掴もうとする男の手を遮るように間に入り、亜希の前に立った。
「彼女に何してるんですか」
自分でも驚くほど低くて真っ直ぐな声が出た。
男たちは一瞬たじろいだようだったが、すぐに不機嫌そうな顔をして言い返してきた。
「なんだよ、彼氏かよ……。別にちょっと声かけただけじゃん」
「彼女、嫌がってましたよね。もうやめてください」
僕は視線を逸らさずに言った。
心臓はバクバクしていたけど、亜希の震える肩を見たら、怖がってる場合じゃなかった。
「チッ……つまんねーの」
男たちは舌打ちをして、ようやくその場を離れていくと、僕はすぐに亜希の方へ向き直る。
「亜希、大丈夫……?」
「……怖かった」
亜希は小さく頷いたあと、僕の胸元に顔をうずめた。
彼女のその声は震えていて、僕はそっと彼女の肩に手を置いた。
「ごめん……僕が亜希を怒らせたばっかりにこんな怖い目に遭わせちゃって……」
「私の方こそごめんなさい……。私が勝手に怒って、勝手に離れて……でも……来てくれてありがとう、すごくうれしかった……」
その言葉に、僕の胸がじんわりと熱くなる。
「当たり前だよ。亜希のこと、放っておけるわけないだろ」
亜希は少しだけ目をそらして、照れくさそうに笑った。
「……バカ。でも、ほんとにありがとう」
その笑顔が、いつもより少しだけ柔らかくて僕は、またドキッとしてしまった。
……なんだろう。今日の亜希、やっぱりすごく可愛い。
「あのさ……亜希、もしよかったら僕と一緒に遊ばない……?」
「うん……!」
僕は亜希へと手を差し伸べると亜希は涙を涙を拭った手で僕の手を取ると、僕達は手を繋ぎながらプールへと向かったのだった。
「何よ彼方のバカっ!そんなに胸の大きい子が良ければ柊さんや由奈と来れば良かったじゃない……!」
私は肩を怒らせながらプールサイドを歩いていると、腹立たしさと共にこんなはずじゃなかったのにと言う悲しさに襲われる。
「ほんと……こんなはずじゃなかったのに……」
私は自分の小さな胸に手を当てながら呟く……。
もう少し胸が大きければ彼方も喜んでくれたのかな……。
やっぱり私じゃダメなのかな……。
あの時、笑いながら「彼方のバカ」って言えば良かったなかなか……。
拗ねて彼方の前から去ってしまった自分自身に私は後悔をしていた……。
「私のバカ……本当は彼方と遊ぶのすごく楽しみにしてたのに……」
気がつくと目の前が涙でにじんでいた……。
もういきなりこんなんじゃ全部が台無し……、もう帰りたい……。
「ねえ、そこの君……」
「え……?」
更衣室へと向かおうとすると突然声をかけられた。
彼方かなと思い振り向くとそこには知らない男性二人の姿があった。
「君かわいいね!よかったら俺たちと遊ばない?」
「え……?いや……その……」
「俺たち見ての通り男二人なんだよ。だからさ、君のような可愛い子と一緒に遊びたいなって思ったんだけどどうかな?」
「あの……その……私友達と来てて……」
「そうなんだ。じゃあさ、その友達が来るまでの間俺たちと遊んで待っていようよ」
「さ……さよなら……!」
「おっと、逃さないよ」
私は急いで更衣室へと逃げようとするも前に男の人が立ちふさがる。
後ろを振り向くともう一人の男の人が立っていて私は男の人たちに挟まれてしまった。
こ……怖い……、か……彼方助けてよ……。
男の人の一人が私の腕へと手を伸ばす……。
も……もうダメ……!
私は目をギュッと閉じたその時……!
「亜希……!」
彼方が私のところに来てくれたのだった……!
──彼方──
(はぁ~……、亜希を怒らせちゃった……)
僕は心の中でため息をつきながらトボトボと歩いていた。
僕ってダメだな……、折角亜希ともっと仲良くなれる機会だってのに……。
ぼくは亜希を探すため周囲を見渡していると二人の男の人に囲まれている亜希を見つけた!
「大変だ……!」
僕は考えるよりも先に体が動き彼女の元へと走った!
「亜希……!」
亜希の腕が男の人に掴まれそうになったその時、僕は亜希の名前を呼ぶと亜希は怯えたような表情から一転、僕の姿を見た瞬間、目を見開き、ほっとしたように涙ぐんだ。
「彼方……!」
僕は彼女の腕を掴もうとする男の手を遮るように間に入り、亜希の前に立った。
「彼女に何してるんですか」
自分でも驚くほど低くて真っ直ぐな声が出た。
男たちは一瞬たじろいだようだったが、すぐに不機嫌そうな顔をして言い返してきた。
「なんだよ、彼氏かよ……。別にちょっと声かけただけじゃん」
「彼女、嫌がってましたよね。もうやめてください」
僕は視線を逸らさずに言った。
心臓はバクバクしていたけど、亜希の震える肩を見たら、怖がってる場合じゃなかった。
「チッ……つまんねーの」
男たちは舌打ちをして、ようやくその場を離れていくと、僕はすぐに亜希の方へ向き直る。
「亜希、大丈夫……?」
「……怖かった」
亜希は小さく頷いたあと、僕の胸元に顔をうずめた。
彼女のその声は震えていて、僕はそっと彼女の肩に手を置いた。
「ごめん……僕が亜希を怒らせたばっかりにこんな怖い目に遭わせちゃって……」
「私の方こそごめんなさい……。私が勝手に怒って、勝手に離れて……でも……来てくれてありがとう、すごくうれしかった……」
その言葉に、僕の胸がじんわりと熱くなる。
「当たり前だよ。亜希のこと、放っておけるわけないだろ」
亜希は少しだけ目をそらして、照れくさそうに笑った。
「……バカ。でも、ほんとにありがとう」
その笑顔が、いつもより少しだけ柔らかくて僕は、またドキッとしてしまった。
……なんだろう。今日の亜希、やっぱりすごく可愛い。
「あのさ……亜希、もしよかったら僕と一緒に遊ばない……?」
「うん……!」
僕は亜希へと手を差し伸べると亜希は涙を涙を拭った手で僕の手を取ると、僕達は手を繋ぎながらプールへと向かったのだった。
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