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亜希の章 ツンデレな同居人
亜希を怒らせた彼方
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──彼方──
亜希との買い物から帰った僕は買った物を部屋へと設置していく。
「……なんかピンクの割合が増えたな」
僕は自分の部屋を見ながらそうつぶやいた……。
マウスパッドはピンク、小さなローテーブルの置かれたテーブルクロスもピンク、その下に置いてある二つのクッションもピンク、おまけにベッドの近くに飾ったアクリルスタンドは赤に近いピンク……。
アクリルスタンドを除くもの全て亜希が選んでくれたもの。
なんか部屋が亜希に侵食されてきてるような気もしなくない……。
「……まあいいか」
そう思いながら部屋を眺めているとドアがノックされる音が聞こえてきた。
誰だろう、亜希かな……?
「彼方いるか?」
声からして父さんのようだ。
父さんが僕の部屋に来るなんて珍しいな……。
しかし、これが思わぬ事態へと繋がるとは僕はまだ知らなかった……。
「父さん何?」
「彼方は水着買いに行かなくていいのか?」
「は……?」
意味がわからなかった……。
僕は目が点になっているとさらに父さんは言葉を続ける。
「真奈美さんから聞いたが、亜希ちゃんと明日プールに行くんだろ?亜希ちゃんは水着を買いに行ったそうじゃないか、なら彼方も水着を買いに行かなくていいのか?」
「え……?は……?」
突然の展開に頭が追いつかない……。
え……?亜希とプール……?
いや……確かにプールのペアチケットは当たったけど、え……?あした……?
「ほら、早くしないと店も閉まるし兎に角行くぞ!」
「え……?ちょっと……!」
僕は半ば無理やり父さんに連れられて水着を買いに向かったのだった……。
◆◆◆
翌日……、僕は未だ感情が追いついていない中、水着を着てプールへと来ていた。
今思えば今朝からかなり無茶苦茶だった……。
亜希は朝から顔を赤くしたまま僕と目も合わせようとさないし、父さんと真奈美さんはテンション高め……さらにプールへと車で送ってくれたのはいいのだけど僕と亜希を降ろすと父さんが「夕方に迎えにくるからそれまでしっかりと遊んでこい!」と言い残してそのまま走り去ってしまった……。
「なんだかなぁ~……」
僕はビミョ~な顔をしながら頬を掻く……。
9月とは言え、まだ暑いこの時期……プールには多くの家族連れやカップルで賑わっているのだけど、なんか僕だけ浮いているような気もしなくもない……。
それに、こんな強引に連れてこられて亜希も迷惑してるんじゃないのかなぁ~……。
「あ……あの……彼方……お……お待たせ……」
心の中でため息をついていると後ろから亜希の声が聞こえてきた。
僕は振り向くとそこには顔を真っ赤にさせながら手で水着を隠している亜希の姿があった。
「う……ううん、だ……、大丈夫だよ……」
その亜希の様子に僕もどこか恥ずかしくなり彼女からの少し目を背ける。
な……なんだろう……、いつもの亜希と少し違うような……。
「あ……あの……、私の水着……変じゃない……?」
亜希はそう言うと水着を隠していた手を除けると赤寄りのピンクのビキニが見え、僕の胸はドキっとしてしまう。
「その……す……すごく似合ってると思うよ……」
「あ……ありがとう……彼方のもその……似合ってるわよ……」
僕はお互い目を逸らしながらお互いの水着の感想を言い合う。
何ていうか……、亜希ってこんなに可愛かったっけ……?
今まで学園ではツンツンして男子を邪険にしていたのに、同居してからは亜希の知らない一面ばかり見てきたせいか、今日はすごく可愛く感じる……。
僕はチラっと亜希の体へと目をやると、細い足に少し大きめな太もも……。
腰回りは細く胸は……胸は……見なかったことにしよう。
「……彼方、なんかすっごく失礼な視線を胸のあたりに感じるんだけど?」
僕の視線に気がついたのか亜希が睨んでくる。
「き……キノセイデスヨ……?」
「ふん!どうせ私は胸が小さいですよっ!」
「え……?あ……!亜希ちょっとまってよ……!」
僕は目を泳がせながら答えると、亜希はそれが不服だったのか肩を怒らせながらどこかへとか去ってしまったのだった……。
亜希との買い物から帰った僕は買った物を部屋へと設置していく。
「……なんかピンクの割合が増えたな」
僕は自分の部屋を見ながらそうつぶやいた……。
マウスパッドはピンク、小さなローテーブルの置かれたテーブルクロスもピンク、その下に置いてある二つのクッションもピンク、おまけにベッドの近くに飾ったアクリルスタンドは赤に近いピンク……。
アクリルスタンドを除くもの全て亜希が選んでくれたもの。
なんか部屋が亜希に侵食されてきてるような気もしなくない……。
「……まあいいか」
そう思いながら部屋を眺めているとドアがノックされる音が聞こえてきた。
誰だろう、亜希かな……?
「彼方いるか?」
声からして父さんのようだ。
父さんが僕の部屋に来るなんて珍しいな……。
しかし、これが思わぬ事態へと繋がるとは僕はまだ知らなかった……。
「父さん何?」
「彼方は水着買いに行かなくていいのか?」
「は……?」
意味がわからなかった……。
僕は目が点になっているとさらに父さんは言葉を続ける。
「真奈美さんから聞いたが、亜希ちゃんと明日プールに行くんだろ?亜希ちゃんは水着を買いに行ったそうじゃないか、なら彼方も水着を買いに行かなくていいのか?」
「え……?は……?」
突然の展開に頭が追いつかない……。
え……?亜希とプール……?
いや……確かにプールのペアチケットは当たったけど、え……?あした……?
「ほら、早くしないと店も閉まるし兎に角行くぞ!」
「え……?ちょっと……!」
僕は半ば無理やり父さんに連れられて水着を買いに向かったのだった……。
◆◆◆
翌日……、僕は未だ感情が追いついていない中、水着を着てプールへと来ていた。
今思えば今朝からかなり無茶苦茶だった……。
亜希は朝から顔を赤くしたまま僕と目も合わせようとさないし、父さんと真奈美さんはテンション高め……さらにプールへと車で送ってくれたのはいいのだけど僕と亜希を降ろすと父さんが「夕方に迎えにくるからそれまでしっかりと遊んでこい!」と言い残してそのまま走り去ってしまった……。
「なんだかなぁ~……」
僕はビミョ~な顔をしながら頬を掻く……。
9月とは言え、まだ暑いこの時期……プールには多くの家族連れやカップルで賑わっているのだけど、なんか僕だけ浮いているような気もしなくもない……。
それに、こんな強引に連れてこられて亜希も迷惑してるんじゃないのかなぁ~……。
「あ……あの……彼方……お……お待たせ……」
心の中でため息をついていると後ろから亜希の声が聞こえてきた。
僕は振り向くとそこには顔を真っ赤にさせながら手で水着を隠している亜希の姿があった。
「う……ううん、だ……、大丈夫だよ……」
その亜希の様子に僕もどこか恥ずかしくなり彼女からの少し目を背ける。
な……なんだろう……、いつもの亜希と少し違うような……。
「あ……あの……、私の水着……変じゃない……?」
亜希はそう言うと水着を隠していた手を除けると赤寄りのピンクのビキニが見え、僕の胸はドキっとしてしまう。
「その……す……すごく似合ってると思うよ……」
「あ……ありがとう……彼方のもその……似合ってるわよ……」
僕はお互い目を逸らしながらお互いの水着の感想を言い合う。
何ていうか……、亜希ってこんなに可愛かったっけ……?
今まで学園ではツンツンして男子を邪険にしていたのに、同居してからは亜希の知らない一面ばかり見てきたせいか、今日はすごく可愛く感じる……。
僕はチラっと亜希の体へと目をやると、細い足に少し大きめな太もも……。
腰回りは細く胸は……胸は……見なかったことにしよう。
「……彼方、なんかすっごく失礼な視線を胸のあたりに感じるんだけど?」
僕の視線に気がついたのか亜希が睨んでくる。
「き……キノセイデスヨ……?」
「ふん!どうせ私は胸が小さいですよっ!」
「え……?あ……!亜希ちょっとまってよ……!」
僕は目を泳がせながら答えると、亜希はそれが不服だったのか肩を怒らせながらどこかへとか去ってしまったのだった……。
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