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亜希の章 ツンデレな同居人
まさかの家族バレと由奈の静かな失恋
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休憩時間が終わった僕と亜希は再び棺桶の中へと入りお客さんが来るのをただじっと待っていた……。
……が、誰も来ない。
「……誰も来ないわね」
「そうだね……」
最初こそ変に話してたら隠れてるのがバレるかも!って思ったいたけど、今となってはそんなこと気にすることもなく僕は亜希と話をしていた。
「ねえ、彼方ってさ……意外とSよね」
亜希の入っている棺からクスッとした笑う声が聞こえてきた。
「え……?そ……そうかな……、僕としてはそんなつもりは無いんだけど……」
「そう?でも、さっき私が止めてって言っても彼方私の首筋をずっと吸ってたじゃない……おかげで首のところにキスマークができちゃったのよ?」
「え……?そうなの……?」
「あ~あ、これで私は彼方の所有物にされちゃった……」
「所有物って……」
「勿論、彼方は責任取ってくれるのよね……?」
少しだけ甘えるような声で、亜希がそう言った。
「も……勿論だよ!」
「そう……分かったわ」
亜希がそう言うと、亜希の棺が開かれた。
どうしたんだろう……?
そう思っていると、僕の棺が開かれ亜希が中へと入ってくると、僕へと密着してくる!
「あ……亜希……っ!?」
突然、僕の棺の蓋が開いたため、驚いて顔を上げるとそこには亜希がいた。
「おじゃましま~す」
そう言って、彼女は僕の隣に滑り込んでくる。
「え……?なんで……っ!?」
「何って……責任を取ってもらいに来たのよ」
亜希は棺の蓋を閉めて僕へと抱きついてくると、彼女の髪から甘い香りが漂ってくる……。
「で……でも今そんなこと言われても……!」
「だ~め……。ん……」
亜希は僕へと抱きつくとそのままキスをしてくる。
突然のことに僕は驚いたけど、彼女からのキスをそのまま受け入れる……。
唇が重なると、亜希の体温がじんわりと伝わってくる。
彼女の手が僕の背中に回り、僕たちは自然と深く求め合っていた。
「彼方……ん……ちゅ……」
「亜希……ちゅ……ん……」
僕たちは舌を絡ませながらお互いを求めるようにキスを交わす……。
このまま時間が止まればいいのに……。
僕はそう思っていた。
しかし……僕たちは忘れていた……ここがどこで本来何をすべきなのかを……!
ガタッ――。
突然、棺の蓋が開いた。
僕と亜希はそのままの姿勢で、目の前に立つ人たちと目が合った。
そして……地獄って、こういうことを言うんだと思った。
「あ……」
なんとそこにいたのは父さんと真奈美さん、それに由奈ちゃんだった……!
「と……父さん……っ!?」
「お……お母さんに由奈……っ!?」
「まあ、その声は彼方くんと亜希ちゃんね。いつの間にかそんな濃厚なキスをするような関係になっていたのね、お母さん嬉しいわ♪」
「え……えっと……お兄ちゃんとお姉ちゃん……お忙しいところお邪魔しました~……」
由奈ちゃんは苦笑しながら棺の蓋を閉めると、僕と亜希は慌てて棺から出る!
「ま……待ってーー……!」
「そ……そうよ!私たちの話を聞いて……っ!」
「彼方……きちんと避妊はするんだぞ……!」
「彼方くん、亜希ちゃんのこと末永くよろしくね♪」
「えっと……お姉ちゃん、お兄ちゃんとお幸せにね……」
父さんと真奈美さん、そして由奈ちゃんは生暖かい目で僕と亜希を見つめてくる……。
僕と亜希は、顔を真っ赤にして固まったまま、声にならない悲鳴を上げたのだった……。
い……いぃぃやぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー……!
~サイドストーリー~
──由奈──
迷路型おばけ屋敷の通路を歩きながら、あたしはさっきの光景を思い出していた。
暗くて曲がりくねった道が、なんだか今の気持ちに似ている気がした。
(お兄ちゃんとお姉ちゃん……キスしあっていた……)
つ……つまり、二人は恋人同士……てことだよね……?
と……ということは手をつないだり、キスをしたり……も……もしかしたらその先もしてるかもってことだよね……っ!?
そう思うとふしぎとあたしの目から涙がこぼれてくる……。
(あれ……?なんで……?)
あ……そっか……。
(あたし……お兄ちゃんが好きだったんだ……。でも……お姉ちゃんに取られたからそれで……)
お兄ちゃん……、絶対にお姉ちゃんを幸せにしてよね……!
絶対だよ……!
あたしは少し淋しげな笑みを浮かべると後ろを振り返り未だ固まっている二人へと視線を向けたのだった……。
……が、誰も来ない。
「……誰も来ないわね」
「そうだね……」
最初こそ変に話してたら隠れてるのがバレるかも!って思ったいたけど、今となってはそんなこと気にすることもなく僕は亜希と話をしていた。
「ねえ、彼方ってさ……意外とSよね」
亜希の入っている棺からクスッとした笑う声が聞こえてきた。
「え……?そ……そうかな……、僕としてはそんなつもりは無いんだけど……」
「そう?でも、さっき私が止めてって言っても彼方私の首筋をずっと吸ってたじゃない……おかげで首のところにキスマークができちゃったのよ?」
「え……?そうなの……?」
「あ~あ、これで私は彼方の所有物にされちゃった……」
「所有物って……」
「勿論、彼方は責任取ってくれるのよね……?」
少しだけ甘えるような声で、亜希がそう言った。
「も……勿論だよ!」
「そう……分かったわ」
亜希がそう言うと、亜希の棺が開かれた。
どうしたんだろう……?
そう思っていると、僕の棺が開かれ亜希が中へと入ってくると、僕へと密着してくる!
「あ……亜希……っ!?」
突然、僕の棺の蓋が開いたため、驚いて顔を上げるとそこには亜希がいた。
「おじゃましま~す」
そう言って、彼女は僕の隣に滑り込んでくる。
「え……?なんで……っ!?」
「何って……責任を取ってもらいに来たのよ」
亜希は棺の蓋を閉めて僕へと抱きついてくると、彼女の髪から甘い香りが漂ってくる……。
「で……でも今そんなこと言われても……!」
「だ~め……。ん……」
亜希は僕へと抱きつくとそのままキスをしてくる。
突然のことに僕は驚いたけど、彼女からのキスをそのまま受け入れる……。
唇が重なると、亜希の体温がじんわりと伝わってくる。
彼女の手が僕の背中に回り、僕たちは自然と深く求め合っていた。
「彼方……ん……ちゅ……」
「亜希……ちゅ……ん……」
僕たちは舌を絡ませながらお互いを求めるようにキスを交わす……。
このまま時間が止まればいいのに……。
僕はそう思っていた。
しかし……僕たちは忘れていた……ここがどこで本来何をすべきなのかを……!
ガタッ――。
突然、棺の蓋が開いた。
僕と亜希はそのままの姿勢で、目の前に立つ人たちと目が合った。
そして……地獄って、こういうことを言うんだと思った。
「あ……」
なんとそこにいたのは父さんと真奈美さん、それに由奈ちゃんだった……!
「と……父さん……っ!?」
「お……お母さんに由奈……っ!?」
「まあ、その声は彼方くんと亜希ちゃんね。いつの間にかそんな濃厚なキスをするような関係になっていたのね、お母さん嬉しいわ♪」
「え……えっと……お兄ちゃんとお姉ちゃん……お忙しいところお邪魔しました~……」
由奈ちゃんは苦笑しながら棺の蓋を閉めると、僕と亜希は慌てて棺から出る!
「ま……待ってーー……!」
「そ……そうよ!私たちの話を聞いて……っ!」
「彼方……きちんと避妊はするんだぞ……!」
「彼方くん、亜希ちゃんのこと末永くよろしくね♪」
「えっと……お姉ちゃん、お兄ちゃんとお幸せにね……」
父さんと真奈美さん、そして由奈ちゃんは生暖かい目で僕と亜希を見つめてくる……。
僕と亜希は、顔を真っ赤にして固まったまま、声にならない悲鳴を上げたのだった……。
い……いぃぃやぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー……!
~サイドストーリー~
──由奈──
迷路型おばけ屋敷の通路を歩きながら、あたしはさっきの光景を思い出していた。
暗くて曲がりくねった道が、なんだか今の気持ちに似ている気がした。
(お兄ちゃんとお姉ちゃん……キスしあっていた……)
つ……つまり、二人は恋人同士……てことだよね……?
と……ということは手をつないだり、キスをしたり……も……もしかしたらその先もしてるかもってことだよね……っ!?
そう思うとふしぎとあたしの目から涙がこぼれてくる……。
(あれ……?なんで……?)
あ……そっか……。
(あたし……お兄ちゃんが好きだったんだ……。でも……お姉ちゃんに取られたからそれで……)
お兄ちゃん……、絶対にお姉ちゃんを幸せにしてよね……!
絶対だよ……!
あたしは少し淋しげな笑みを浮かべると後ろを振り返り未だ固まっている二人へと視線を向けたのだった……。
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