罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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亜希の章 ツンデレな同居人

夕焼けのフェンスと亜希の決意

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 学園祭が終わり、後夜祭が行われているなか、僕と亜希は、僕と亜希は夕日に染まりながら屋上のフェンスに並んでフェンスにもたれながら、沈みゆく夕日をただ黙って見つめていた。

「……まだ顔が熱いよ」

 僕がそう呟くと、亜希はくすっと笑った。

「そりゃそうよ。あんなバレ方したら、誰だってしばらく立ち直れないわ……。私だってそうよ……」

 亜希の笑顔は、夕焼けに染まってさらに赤く見えた。
 その色が、なんだか胸にじんわりと染みてくる。

 僕と亜希はしばらく夕日を眺めていると、不意に亜希が口を開く。

「ねえ彼方……私、お父さんにも報告したいの」

「……え?」

 亜希の言葉に、僕は思わず彼女の顔を見た。

「私……お父さんにも彼氏が出来たんだよって、本当に好きな人が出来たんだよって伝えたいなって思って……、でも、お父さんどこにいるか分からないし無理よね……」

 亜希は夕焼けを見たまま、ぽつりと呟いた。

「……亜希のお父さんの名前なんていうの?」

「お父さんの名前は鈴原 拓真って言うの」

 亜希の寂しそうな顔を見てなんとかしてあげたいと思った僕は亜希から聞かされたお父さんの名前を聞いて少し思案する……。

 鈴原 拓真……?
 鈴原 拓真……すずはら たくま……スズハラ タクマ……スズタク……?

「まさか……いや、そんなまさか……ね……」

「どうしたの?彼方……、もしかしてお父さんを知ってるの……?」

「いや……、知ってると言うか……もしかしたらって人なら……」

「だ……誰それ……?」

「その人、エリシア・オンラインで僕が所属してたチームのリーダーで、スズタクって名前なんだ」

「え……?エリシア……?」

「うん。その人、すごく頼りになる人なんだけど……まさかそんな偶然……」

 亜希は目を見開いた。

「……お父さん、友達からスズタクって呼ばれてたって言ってた」

 その言葉に、僕は息を呑んだ。

「え……?」

 僕たちは夕焼けの中で、言葉を失って見つめ合った。

 まさか……本当にスズタクさんざ亜希のお父さん……?

「彼方……私お父さんに会いたい……」

「分かった……行こう!」

 僕と亜希は急いでメイクを落とし、制服に着替えると夕焼けの校舎を駆け下り、家へと急いだ。


 ◆◆◆


 家に帰るなり、僕と亜希は急いで自分の部屋へと駆け込んだ。  
 着替える暇もなく、僕はパソコンを立ち上げてエリシアを起動する。

 いつもなら気にも留めないローディング画面が、今はやけに長く感じる。  

(まだか……、まだか……!)

 指先が無意識にマウスをカチカチと叩いていた。

 そしてようやくゲームが始まると自分のキャラを選択してログインを行った。

『スズタクさん、いますか……っ!?』

『カナタじゃないか、こんな時間にインしてるとは珍しいな』

 僕はパーティーチャットでスズタクさんを呼ぶと丁度インしていたらしく、返事が返ってきた。

「この人が……私のお父さん、なの……?」

 亜希は画面を見つめながら、声を震わせた。

「多分だけどね……それより亜希、亜希もミアキでログインしておいて……!」

「う……うん、分かったわ」

 僕は亜希が自分の部屋へと向かったのを確認するとスズタクさんとのチャットを続ける。

『スズタクさん、実はちょっと込み入った話をしたいのですがいいですか?』

『ああ、かまわんよ。……ということはチームチャットじゃないほうがいいということだな?』

『はい、そうですね。出来ればパーティーチャットのほうが助かります』

『分かった、どこに向かえばいい?』

『トリスタのトリエステ城の前にお願いします』

『分かった』

「彼方ーっ!どこに行けばいいの!?」

 亜希の部屋から、焦った声が響いてきた。

「トリスタのトリエステ城の前にお願いっ!」

「分かったわっ!」

 僕は瞬間移動スクロールを使って、カナタをトリスタへと向かわせると、胸の鼓動がどんどん速くなっていくのを感じた。
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