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亜希の章 ツンデレな同居人
始まる恋人たちの試練!
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「お召し上がりの前に、挑戦ルールのご説明があります」
スプーンを伸ばしかけていた僕と亜希は、店員さんの声にぴたりと手を止めた。
「ルール……?」
「まず、制限時間は一時間。そして……最初の一口は、お互いに食べさせ合っていただきます」
「な……っ!?」
「ええ……っ!?」
思わぬルールに、僕と亜希は同時に声を上げた。
「まず、制限時間は一時間となっております。、最初の一口目はお互い食べさせ合うことそしてから始めていただきます」
「な……っ!?」
「ええ……っ!?」
思わぬルールに僕と亜希は同時に声を上げる……!
ま……まさかそんなルールがあったなんて……!
「カップル限定ですからね、そのくらいは当たり前かと……。それに、こちらのメニューの方にもそのように書いてありますよ」
「ええ……っ!?」
店員さんの説明に僕は改めてメニューを見ると確かにそこには『※最初の一口目はお互い食べさせ合うことから始めていただきます』と書かれていた!
「では、最初の一口目……お願いします!」
店員のお姉さんはそう言うとなぜかスマホを構える。
「あ……あの……、何でスマホを構えるんですか……?」
「もちろん、カップル限定メニューの挑戦記念と、当店のSNS用です♪」
店員さんはスマホを構えたまま、にこにこしている。
「なんだって……っ!?」
僕は絶句した……。
まさかこんな……こんな頼んでもいない特典が用意されているなんて……!
「彼方、たべるわよ……」
「え……?」
亜希はスプーンで一段目のアイスをすくうと僕の口元へと向ける。
「彼女さんの方はノリノリですね、では彼氏さんも行ってみましょう!」
こ……こうなれば自棄だ……!
僕もスプーンを使って一段目のアイスをすくうと亜希の口元へと向けた。
「では、カップル限定、フルーツパラダイスの挑戦スタートです!はい、あ~んっ!」
「はい、あ……あ~ん……」
「はい、あ~ん……」
僕と亜希は店員さんの声と共に顔を赤くしながら一口目を食べさせ合うと、口の中にアイスの冷たさと甘さが広がる。
「いい一口目だ!」
「頑張って!」
「彼氏!彼女にいいところ見せるチャンスだぞ!」
「彼女さんも無理せず頑張って!」
するとスマホのカメラのシャッターを切る音が聞こえると共に、周囲からは拍手と歓声が聞こえてくる。
うう……、は……恥ずかしい……。
僕と亜希は顔を赤くしながら、スプーンを手にそびえ立つスイーツタワーを見上げる。
「……じゃあ、亜希いくよ!」
「ええ……!彼方、いくわよ!」
亜希はスプーンを構えると、アイスの層に勢いよく突入した。
バニラ、チョコ、マンゴー……冷たくて甘いアイスが口の中で混ざり合い、思わず笑みがこぼれる。
「うん……美味しい……!」
「よかった。僕もいってみる」
僕もスプーンを手に取り、チョコチップのザクザク食感を楽しみながら一口目を味わう。
——だが、ここからが本当の試練だった。
「甘っ……!」
口の中に広がるのは、容赦ない甘さの波。
アイス、ホイップ、ケーキ、フルーツ……すべてが“美味しい”のに、“甘すぎる”。
「彼方、私が二段目のケーキ層いくわ!」
「う、うん……お願い……!僕は一段目を食べきるよ……!」
亜希はふわふわのカステラとホイップをすくい、勢いよく口に運ぶ。
「うん、いける……!でも……ちょっと……重いかも……」
僕たちは交互にスプーンを動かしながら、甘味の塔を少しずつ崩していく。
途中、亜希の口元にホイップがついているのに気づいた僕は、そっとナプキンを手に取る。
「亜希、口元……」
「えっ……?」
僕はナプキンでそっと彼女の口元を拭う。
「……ありがと」
亜希は少しだけ目をそらしながら、でも嬉しそうに微笑んだ。
(よし……!このままの完食を目指すぞ……!)
僕は手を握りしめると未だそびえ立つ甘味の城へと挑んだ……!
スプーンを伸ばしかけていた僕と亜希は、店員さんの声にぴたりと手を止めた。
「ルール……?」
「まず、制限時間は一時間。そして……最初の一口は、お互いに食べさせ合っていただきます」
「な……っ!?」
「ええ……っ!?」
思わぬルールに、僕と亜希は同時に声を上げた。
「まず、制限時間は一時間となっております。、最初の一口目はお互い食べさせ合うことそしてから始めていただきます」
「な……っ!?」
「ええ……っ!?」
思わぬルールに僕と亜希は同時に声を上げる……!
ま……まさかそんなルールがあったなんて……!
「カップル限定ですからね、そのくらいは当たり前かと……。それに、こちらのメニューの方にもそのように書いてありますよ」
「ええ……っ!?」
店員さんの説明に僕は改めてメニューを見ると確かにそこには『※最初の一口目はお互い食べさせ合うことから始めていただきます』と書かれていた!
「では、最初の一口目……お願いします!」
店員のお姉さんはそう言うとなぜかスマホを構える。
「あ……あの……、何でスマホを構えるんですか……?」
「もちろん、カップル限定メニューの挑戦記念と、当店のSNS用です♪」
店員さんはスマホを構えたまま、にこにこしている。
「なんだって……っ!?」
僕は絶句した……。
まさかこんな……こんな頼んでもいない特典が用意されているなんて……!
「彼方、たべるわよ……」
「え……?」
亜希はスプーンで一段目のアイスをすくうと僕の口元へと向ける。
「彼女さんの方はノリノリですね、では彼氏さんも行ってみましょう!」
こ……こうなれば自棄だ……!
僕もスプーンを使って一段目のアイスをすくうと亜希の口元へと向けた。
「では、カップル限定、フルーツパラダイスの挑戦スタートです!はい、あ~んっ!」
「はい、あ……あ~ん……」
「はい、あ~ん……」
僕と亜希は店員さんの声と共に顔を赤くしながら一口目を食べさせ合うと、口の中にアイスの冷たさと甘さが広がる。
「いい一口目だ!」
「頑張って!」
「彼氏!彼女にいいところ見せるチャンスだぞ!」
「彼女さんも無理せず頑張って!」
するとスマホのカメラのシャッターを切る音が聞こえると共に、周囲からは拍手と歓声が聞こえてくる。
うう……、は……恥ずかしい……。
僕と亜希は顔を赤くしながら、スプーンを手にそびえ立つスイーツタワーを見上げる。
「……じゃあ、亜希いくよ!」
「ええ……!彼方、いくわよ!」
亜希はスプーンを構えると、アイスの層に勢いよく突入した。
バニラ、チョコ、マンゴー……冷たくて甘いアイスが口の中で混ざり合い、思わず笑みがこぼれる。
「うん……美味しい……!」
「よかった。僕もいってみる」
僕もスプーンを手に取り、チョコチップのザクザク食感を楽しみながら一口目を味わう。
——だが、ここからが本当の試練だった。
「甘っ……!」
口の中に広がるのは、容赦ない甘さの波。
アイス、ホイップ、ケーキ、フルーツ……すべてが“美味しい”のに、“甘すぎる”。
「彼方、私が二段目のケーキ層いくわ!」
「う、うん……お願い……!僕は一段目を食べきるよ……!」
亜希はふわふわのカステラとホイップをすくい、勢いよく口に運ぶ。
「うん、いける……!でも……ちょっと……重いかも……」
僕たちは交互にスプーンを動かしながら、甘味の塔を少しずつ崩していく。
途中、亜希の口元にホイップがついているのに気づいた僕は、そっとナプキンを手に取る。
「亜希、口元……」
「えっ……?」
僕はナプキンでそっと彼女の口元を拭う。
「……ありがと」
亜希は少しだけ目をそらしながら、でも嬉しそうに微笑んだ。
(よし……!このままの完食を目指すぞ……!)
僕は手を握りしめると未だそびえ立つ甘味の城へと挑んだ……!
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