罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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亜希の章 ツンデレな同居人

そびえ立つ恋人たちの試練、"甘味の城"フルーツパラダイス!

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「いらっしゃいませ!」

 僕と亜希が喫茶店に入ると、店員のお姉さんが元気な声で迎えてくれた。  
 冷房の効いた店内は、外の暑さを忘れさせてくれる心地よさだった。

「ご注文が決まりましたらお呼びください」

 適当な席へと座った僕と亜希の前に先ほどの店内のお姉さんがお冷を置いてくれる。

「ねえ、亜希何にする?」

 僕は出されたばかりのお冷を一口飲むと亜希はメニューを開いて眺めていた。

「うーん……あっ、これ!これ見て、彼方!」

「えっと……?」

 亜希がメニューを指さし、目を輝かせるも僕はそのメニューを見て絶句した……!

 そこには「カップル限定、デカ盛りスイーツっ!!」と言うメニューがイラスト付きでデカデカとテーブルに置かれていた。

 こ……これを頼むの……?

 僕さ目を疑った……。

「彼方、これカップル限定みたいよ!これは頼むしかないと思うんだけどどうかしらっ!?」

 亜希は興奮気味にこのデカ盛りスイーツというものを指さす。

 僕は改めてそのデカ盛りスイーツの説明へと目を向ける……。

 そこには「恋人の試練!そびえ立つ甘味の城!究極パフェタワー"フルーツパラダイス"」と書かれており、各層の説明までしっかりと書かれている。

  究極パフェタワーの構造 
 高さ約50cm超え!圧倒的ボリュームの5層構造! 

  1段目、アイスの楽園
 バニラ・チョコ・ストロベリー・抹茶・マンゴーの5種のアイスがどっさり!
 砕いたクッキー&チョコチップでザクザク食感UP!  

 2段目、ケーキ&ホイップの誘惑
 ふわふわカステラ、生クリーム、たっぷりホイップが豪快に積み上げられる!

 3段目、フルーツ&プリン&濃厚チーズケーキ層
 バナナ、いちご、キウイ、ブルーベリー、マンゴーなど カラフルフルーツ満載!
 コクのあるプリン&濃厚チーズケーキがどっしり!

 4段目、ミニケーキ&チョコブラウニー軍団
 ガトーショコラ、ショートケーキ、シフォンケーキがギュウギュウに詰め込まれたケーキゾーン!

 5段目、最終試練!ホイップ&チョコソース&フルーツ爆盛り!
 特濃ホイップクリーム&チョコソースが 「これでもか!」というほどかけられる!
 さらに山盛りフルーツで鮮やかに!

 ……食べられるのだろうか?

 どう見てもこの量は二人で食べるにしても多いような気がする……。

「ね……ねえ、亜希やっぱり止めたほうが……」

 嫌な予感しかしない……、僕の直感がこれは危険だと訴える。

「彼方とならいけるわよ!……たぶん」

(“たぶん”って言った……!)

 僕は内心で頭を抱えながらも、亜希の期待に満ちた笑顔を見て、結局断ることができなかった。

「……じゃあ、頼もうか」

「やったっ!」

 亜希は嬉しそうに店員さんを呼び、メニューを指さして注文する。

「すみません、この“フルーツパラダイス”をお願いします!」

「かしこまりました~!カップル限定メニューですね。挑戦、頑張ってください~!」

 店員さんはにこやかにウインクして、厨房へと戻っていった。

(“挑戦”って言った……っ!?)

 僕はお冷をもう一口飲みながら、テーブルの上に置かれた注意書きに目をやる。

 《※完食率12%!途中でギブアップされた場合は通常料金+追加チャージが発生します》

(……やっぱり嫌な予感しかしない)

「ねえ彼方、楽しみね!」

「……うん。まあ、楽しみ……だね」

 亜希はメニューを閉じると、僕の方に身を乗り出してきた。

「でも、こういうのってちょっと憧れてたのよね。カップル限定って、なんか特別感あるじゃない?」

「……まあ、確かに。僕も、亜希となら」

 そう言いかけたところで、厨房の奥から店員さんの声が聞こえてきた。

「フルーツパラダイス、入りまーす!」

 店内の空気が一瞬ざわついた。  
 周囲の客たちがちらちらとこちらを見てくる。

「……え、なんか視線を感じない?」

「気のせいよ。……たぶん」

(また“たぶん”って言った……!)

 そして——

「お待たせしました~!」

 店員さんが運んできたそれは、まさに“そびえ立つ甘味の城”だった。

 高さ約50cm。  
 アイス、ケーキ、フルーツ、ホイップ、チョコソース……すべてが積み上げられ、まるで塔のようにそびえ立っている。

「でかっ……!」

 僕と亜希は同時に声を漏らした。  
 目の前にそびえるそれは、もはやスイーツではなく“建造物”……まさに塔だった!

 僕と亜希は同時に声を漏らした。

「こちら、カップル限定メニュー“フルーツパラダイス”です。  
 本日で挑戦者は7組目になりますが、まだ誰も完食されていません。  
 頑張ってくださいね!」

 店員さんはそう言って、にこやかに去っていった。

「……彼方、いけるよね?」

「……たぶん」

 僕はスプーンを手に取り、そびえ立つ甘味の塔を見上げた。

(……これは、確かに恋人の試練だ)

 これはもう笑うしかない……、僕と亜希はスプーンやフォークを手にこのテーブルにそびえ立つ甘味の城へと挑んだのだった……!
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