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由奈の章 甘えたがりな義妹
オバケ屋敷と揺れる心
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──彼方──
クレープを食べ終えた由奈ちゃんが、さっきまでの甘えが嘘みたいに、少しだけ距離を取って歩いていた。
さっきまで腕に抱きついてきてたのに……どうしたんだろう。
(もしかして……間接キス、気にしてるのかな……?)
由奈ちゃんと食べたクレープ、僕がバナナとチョコのクレープを一口食べたあと、彼女がそのまま僕のを食べて……。
正直、僕も気にしてないとは言えば嘘になる……。
いや、むしろ気にするなという方が無理……っ!
(でも……、僕が意識してるってバレたら、由奈ちゃんが気まずくなるかもしれないし……)
僕はできるだけ平常心を装って歩く。
由奈ちゃんがちらちらと俺の顔を見てくるのがわかるけど、気づかないふりをする。
(ああもう……、なんでこんなにドキドキしてるんだ僕は……!)
なぜか僕は自分で自分に苛つき始める。
そんなとき、由奈ちゃんが急に腕に手を添えてきた。
距離を空けていたはずなのに、今はもうぴったりくっついて歩いている。
「ねえ、お兄ちゃん……あたし、あそこ行ってみたいな」
指さした先には、お化け屋敷。
“恐怖!地獄の迷宮”という看板が、妙に手作り感満載で逆に怖い。
「え、お化け屋敷? でも由奈ちゃん、怖いの大丈夫なの?」
「えっと……苦手だけど……だからお兄ちゃんと一緒に入りたいかなって……ダメ……?」
由奈ちゃんに上目遣いで見られて、腕にぎゅっと力を込められる……。
僕の理性が音を立てて崩れそうになるのも、どうにか堪えることが出来た……。
(由奈ちゃん……、反則だよそれ……!)
「……わかったよ。じゃあ、行こうか」
僕は照れを隠すように笑って、由奈ちゃんの手を握り返した。
その瞬間、彼女の目がぱっと輝いたのを見て、心臓が跳ねる。
(怖いのは、お化けじゃなくて……この距離感だよ……)
受付で入場料を払おうとしたら、由奈ちゃんが制してきた。
「お兄ちゃん、ここはあたしがだすよ」
「え……?でも……」
「さっきクレープのお金を出してもらったからね。お兄ちゃんばかりに出させたら悪いし……ね♪」
ウインクされた瞬間、僕は顔が熱くなるのを感じて、思わず目を逸らした。
(なんだろう……、今日の由奈ちゃん……いつもよりもちょっと積極的すぎない……?)
「わ……分かったよ……。ならここは由奈ちゃんにお願いしようかな……」
由奈が嬉しそうに「うん!」と答えて、受付の女生徒にお金を渡す。
僕たちは、黒い布で覆われた教室の中へと足を踏み入れた。
中は思った以上に本格的で、スモークとBGMが妙にリアルで、由奈ちゃんが俺の腕にしがみついてくる。
「うわ……本気だ……」
俺がそう呟くと、由奈がさらに背中にぴったりくっついてきた。
「由奈ちゃん、後ろからくっつきすぎじゃ……」
「だって……怖いんだもん……」
制服の裾をぎゅっと掴まれて、僕の心臓はもううるさいくらいにドキドキと高鳴っていた。
「ギャアアアア!」
どこからともなく叫び声が響いた瞬間、由奈ちゃんが僕の背中に顔を埋めてきた。
「うわっ、びっくりした……!」
俺も驚いたけど、それ以上に由奈の反応が可愛すぎて、頭が真っ白になるも、それ以上にこの胸のドキドキが聞こえてしまうのではと少し心配になった。
「大丈夫だよ、僕がいるから」
そう言って手を握ると、由奈がそっと握り返してくれた。
その手の温度が、なんだか心地よくて感じる……。
次の角を曲がった瞬間、壁の隙間から白い手が飛び出してきた。
「きゃあああああっ!!」
由奈ちゃんが俺に抱きついてきた。
胸元にしがみつく彼女の体温と鼓動が、俺の理性をさらに削っていく。
「ゆ、由奈ちゃん……!?」
僕は動けないまま、由奈ちゃんを抱きしめると彼女の震えを感じていた。
怖いのは、お化けじゃない。
僕たちの“関係が変わるかもしれない”こと。
(もしかして……僕も、由奈ちゃんのこと……)
その答えを、まだ言葉にできないまま、僕たちは暗い迷宮の中を、手を繋いで歩いていった。
クレープを食べ終えた由奈ちゃんが、さっきまでの甘えが嘘みたいに、少しだけ距離を取って歩いていた。
さっきまで腕に抱きついてきてたのに……どうしたんだろう。
(もしかして……間接キス、気にしてるのかな……?)
由奈ちゃんと食べたクレープ、僕がバナナとチョコのクレープを一口食べたあと、彼女がそのまま僕のを食べて……。
正直、僕も気にしてないとは言えば嘘になる……。
いや、むしろ気にするなという方が無理……っ!
(でも……、僕が意識してるってバレたら、由奈ちゃんが気まずくなるかもしれないし……)
僕はできるだけ平常心を装って歩く。
由奈ちゃんがちらちらと俺の顔を見てくるのがわかるけど、気づかないふりをする。
(ああもう……、なんでこんなにドキドキしてるんだ僕は……!)
なぜか僕は自分で自分に苛つき始める。
そんなとき、由奈ちゃんが急に腕に手を添えてきた。
距離を空けていたはずなのに、今はもうぴったりくっついて歩いている。
「ねえ、お兄ちゃん……あたし、あそこ行ってみたいな」
指さした先には、お化け屋敷。
“恐怖!地獄の迷宮”という看板が、妙に手作り感満載で逆に怖い。
「え、お化け屋敷? でも由奈ちゃん、怖いの大丈夫なの?」
「えっと……苦手だけど……だからお兄ちゃんと一緒に入りたいかなって……ダメ……?」
由奈ちゃんに上目遣いで見られて、腕にぎゅっと力を込められる……。
僕の理性が音を立てて崩れそうになるのも、どうにか堪えることが出来た……。
(由奈ちゃん……、反則だよそれ……!)
「……わかったよ。じゃあ、行こうか」
僕は照れを隠すように笑って、由奈ちゃんの手を握り返した。
その瞬間、彼女の目がぱっと輝いたのを見て、心臓が跳ねる。
(怖いのは、お化けじゃなくて……この距離感だよ……)
受付で入場料を払おうとしたら、由奈ちゃんが制してきた。
「お兄ちゃん、ここはあたしがだすよ」
「え……?でも……」
「さっきクレープのお金を出してもらったからね。お兄ちゃんばかりに出させたら悪いし……ね♪」
ウインクされた瞬間、僕は顔が熱くなるのを感じて、思わず目を逸らした。
(なんだろう……、今日の由奈ちゃん……いつもよりもちょっと積極的すぎない……?)
「わ……分かったよ……。ならここは由奈ちゃんにお願いしようかな……」
由奈が嬉しそうに「うん!」と答えて、受付の女生徒にお金を渡す。
僕たちは、黒い布で覆われた教室の中へと足を踏み入れた。
中は思った以上に本格的で、スモークとBGMが妙にリアルで、由奈ちゃんが俺の腕にしがみついてくる。
「うわ……本気だ……」
俺がそう呟くと、由奈がさらに背中にぴったりくっついてきた。
「由奈ちゃん、後ろからくっつきすぎじゃ……」
「だって……怖いんだもん……」
制服の裾をぎゅっと掴まれて、僕の心臓はもううるさいくらいにドキドキと高鳴っていた。
「ギャアアアア!」
どこからともなく叫び声が響いた瞬間、由奈ちゃんが僕の背中に顔を埋めてきた。
「うわっ、びっくりした……!」
俺も驚いたけど、それ以上に由奈の反応が可愛すぎて、頭が真っ白になるも、それ以上にこの胸のドキドキが聞こえてしまうのではと少し心配になった。
「大丈夫だよ、僕がいるから」
そう言って手を握ると、由奈がそっと握り返してくれた。
その手の温度が、なんだか心地よくて感じる……。
次の角を曲がった瞬間、壁の隙間から白い手が飛び出してきた。
「きゃあああああっ!!」
由奈ちゃんが俺に抱きついてきた。
胸元にしがみつく彼女の体温と鼓動が、俺の理性をさらに削っていく。
「ゆ、由奈ちゃん……!?」
僕は動けないまま、由奈ちゃんを抱きしめると彼女の震えを感じていた。
怖いのは、お化けじゃない。
僕たちの“関係が変わるかもしれない”こと。
(もしかして……僕も、由奈ちゃんのこと……)
その答えを、まだ言葉にできないまま、僕たちは暗い迷宮の中を、手を繋いで歩いていった。
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