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リライト 学園長室(前編)
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杉山和彦は校長と白川学年主任の陰に隠れるようにこそこそと進む。
初めてこの学園を訪れた時、広々とした環境を恵まれた教育の場と感動した和彦だが、今、その広さが恨めしい。
和彦の担当する予定だった二年が居なくなったのを確認し、学園長、白川に連れられ、和彦は体育館を出る。
体育館から校長室のある校舎までは、渡り廊下を進む。
その後、通用口から廊下を通り、奥まった校長室までを歩かねばならない、股間を膨らませたままで。
どうしても股間が突っ張り歩き方が小股でぎこちなくなってしまう。
しかも上半身裸で、授業に持ってきたスポーツタオルと脱ぎ捨てたスポーツシャツを不自然に腰の前に垂らしている。
張り詰めて内側からジャージを勢いよく突き上げている股間を隠すために、、、
その姿は、我ながら情けないほど滑稽だ。
そして、みっともない股間の膨らみを行き交う生徒に見られたら、、、
学園長、白川がうまく前と横に並び、目立たぬようにしてくれているが、和彦は生きた心地がしない。
短い休み時間と言っても、校内の生徒達の往来は多い。
生徒と行き交う度に、生徒達の視線が股間に突き刺さってくるような気がする。
顔が赤らむのを抑えられない。
挨拶しながら通り過ぎる生徒たち、、、
皆が和彦の股間の膨らみをみて、クスクスと嘲笑をされているように思える。
学園長と白川が居るため、生徒が少し距離を取って歩き、視線も逸らしていたことが和彦には幸いだったが、当の和彦はそのことに気付いてはいない。
ただ、ただ、生徒達の視線が恐ろしく、疎ましかった。
純真な生徒たちの視線が疎ましく思えてしまう自分が情けない。
そして、上裸でタオルと汚れたシャツを不自然に臍のあたりで持ち、股間に垂らして隠す自身の情けない姿、、、
穴があったら入りたい、、、
ここから消えてしまいたい、、、
頭の中で自己嫌悪が渦巻き、羞恥で顔が熱く火照る。
「あの、、、」
和彦は小さな、掠れた声で校長と白川に訴える。
「なんだっ?」
白川の厳しい声。
陰険な目付きと表情で、和彦を横目に見る。
「私だけ、、、走って校長室まで行かせていただけないでしょうか、、、」
和彦は必死に懇願する。
廊下をゆっくり進むのはいたたまれない。
そして、生徒が目の前に現れる度に、勃起がばれ、指をさされて指摘されないかが怖い。
全速力で走れば、股間の膨らみを隠し、校長室まで駆け抜けられるかも知れない。
だが、白川の冷笑が響く。
「君はまさか、駆け足禁止の校舎の廊下を走ろうというのかね。どこまで非常識なんだか…」
その言葉は、和彦をさらに追い詰める。
自分の発言が自らを貶める結果になり、自己嫌悪が渦を増し、胸を締め付ける。
6時限目の開始を告げるチャイムが鳴り、生徒たちが教室に駆け込むバタバタとした音が響く。
やがて学園内に静寂が戻り、和彦、校長、白川の三人は静かな廊下を進む。
落ち着いた校長、獲物を捕らえた喜びに目を輝かせる白川、そして、その二人に囲まれるように股間をシャツで隠し、上半身の鍛えられた筋肉を縮こまらせ、さらに真っ赤に染まった強張る顔を隠すように俯いて歩く新任体育教師。
まるで刑場へ向かう囚人のように哀れ、、、だが、その鍛えられた若い身体にどんな刑が課されるのか、暗い期待を呼び起こすような背徳的な光景、、、
罪と言えば、授業中にフル勃起してしまった教師は聖なる教育の場において罪を犯したことにもなる。
罪人とは言っても知らない内に催淫剤をタップリと飲まされたことによる冤罪ではあるのだが、和彦は、自分が薬のせいで勃起したことを知らず、そう抗弁することもできない。
校長室に向かう和彦は、囚人というよりも、まさしく、罪人の状態であった。
さしずめ白川が処刑官、学園長が裁判官というところだろうか、、、
上半身裸の和彦の姿が、校長室に消えていく。
*
クッ、、、
狩人はスマホを見てほくそ笑む。
授業中にスマホを見るのは、もちろん校則違反だ。
もっとも、教師に隠れて見るものは多く、また、授業の妨げにならなければ教師もいちいち指摘せず、形骸化した規則だが。
だが、狩人が授業中にスマホを見ることはほとんどない。
が、今は、衝動が抑えられない。
6限目のチャイムがなる直前から次々と送られてくる画像、、、
狩人は、狩りの初手は完全に成功したと確信する。
そのために、他人の力を借りるのは癪だったが、大きな成功のためにはプライドを捨てなければ、、、
だが、猟犬達はよく働いてくれている。
特に、森崎、、、
写真部員だけの腕はある。
この鮮明で的確な画像は、望遠レンズの性能だけではない。
ヤツに褒美を取らせてやらないとな、、、
プッと狩人は授業中だと言うのに吹き出す。
褒美を取らせるってなんだよ、俺は、殿様か?
狩人は、首尾よく行ったことに浮かれている。
?
不審げな顔で、教壇の上から化学教師の榎木が狩人を見る。
慌てて真顔になり、スマホをノートに隠す。
何か言いたそうではあったが、榎木はすぐに授業に戻った。
化学教師とは思えない見事なガタイをした榎木。
元は水球選手で、この学園に赴任後、それまで無縁のレスリング部の顧問を任されたのを期に顧問が無知ではいけないと地元のプロレス団体の門を叩き、土日のみのパートタイムレスラーにまでなった変わった男だ。
分厚い筋肉に覆われたガッシリとした体格と、優しげな顔で、生徒にも人気で、言い寄る者もいるが一切、相手にしないようだ。
榎木は、淡々と授業を続け、黒板に化学式を書き出す。
狩人は、ホッとする。
危ない、危ない、、、
榎木はしばらく黒板に向かっていそうだ。
スマホのロック画面を解除する。
見事にジャージの前が突き上げられ、顔は恥辱のため真っ赤になっている。
おまけに、上裸、、、、
なんて可愛い獲物なんだ、、、
狩人は、スマホの画面に頬擦りしたい衝動を抑えた。
初めてこの学園を訪れた時、広々とした環境を恵まれた教育の場と感動した和彦だが、今、その広さが恨めしい。
和彦の担当する予定だった二年が居なくなったのを確認し、学園長、白川に連れられ、和彦は体育館を出る。
体育館から校長室のある校舎までは、渡り廊下を進む。
その後、通用口から廊下を通り、奥まった校長室までを歩かねばならない、股間を膨らませたままで。
どうしても股間が突っ張り歩き方が小股でぎこちなくなってしまう。
しかも上半身裸で、授業に持ってきたスポーツタオルと脱ぎ捨てたスポーツシャツを不自然に腰の前に垂らしている。
張り詰めて内側からジャージを勢いよく突き上げている股間を隠すために、、、
その姿は、我ながら情けないほど滑稽だ。
そして、みっともない股間の膨らみを行き交う生徒に見られたら、、、
学園長、白川がうまく前と横に並び、目立たぬようにしてくれているが、和彦は生きた心地がしない。
短い休み時間と言っても、校内の生徒達の往来は多い。
生徒と行き交う度に、生徒達の視線が股間に突き刺さってくるような気がする。
顔が赤らむのを抑えられない。
挨拶しながら通り過ぎる生徒たち、、、
皆が和彦の股間の膨らみをみて、クスクスと嘲笑をされているように思える。
学園長と白川が居るため、生徒が少し距離を取って歩き、視線も逸らしていたことが和彦には幸いだったが、当の和彦はそのことに気付いてはいない。
ただ、ただ、生徒達の視線が恐ろしく、疎ましかった。
純真な生徒たちの視線が疎ましく思えてしまう自分が情けない。
そして、上裸でタオルと汚れたシャツを不自然に臍のあたりで持ち、股間に垂らして隠す自身の情けない姿、、、
穴があったら入りたい、、、
ここから消えてしまいたい、、、
頭の中で自己嫌悪が渦巻き、羞恥で顔が熱く火照る。
「あの、、、」
和彦は小さな、掠れた声で校長と白川に訴える。
「なんだっ?」
白川の厳しい声。
陰険な目付きと表情で、和彦を横目に見る。
「私だけ、、、走って校長室まで行かせていただけないでしょうか、、、」
和彦は必死に懇願する。
廊下をゆっくり進むのはいたたまれない。
そして、生徒が目の前に現れる度に、勃起がばれ、指をさされて指摘されないかが怖い。
全速力で走れば、股間の膨らみを隠し、校長室まで駆け抜けられるかも知れない。
だが、白川の冷笑が響く。
「君はまさか、駆け足禁止の校舎の廊下を走ろうというのかね。どこまで非常識なんだか…」
その言葉は、和彦をさらに追い詰める。
自分の発言が自らを貶める結果になり、自己嫌悪が渦を増し、胸を締め付ける。
6時限目の開始を告げるチャイムが鳴り、生徒たちが教室に駆け込むバタバタとした音が響く。
やがて学園内に静寂が戻り、和彦、校長、白川の三人は静かな廊下を進む。
落ち着いた校長、獲物を捕らえた喜びに目を輝かせる白川、そして、その二人に囲まれるように股間をシャツで隠し、上半身の鍛えられた筋肉を縮こまらせ、さらに真っ赤に染まった強張る顔を隠すように俯いて歩く新任体育教師。
まるで刑場へ向かう囚人のように哀れ、、、だが、その鍛えられた若い身体にどんな刑が課されるのか、暗い期待を呼び起こすような背徳的な光景、、、
罪と言えば、授業中にフル勃起してしまった教師は聖なる教育の場において罪を犯したことにもなる。
罪人とは言っても知らない内に催淫剤をタップリと飲まされたことによる冤罪ではあるのだが、和彦は、自分が薬のせいで勃起したことを知らず、そう抗弁することもできない。
校長室に向かう和彦は、囚人というよりも、まさしく、罪人の状態であった。
さしずめ白川が処刑官、学園長が裁判官というところだろうか、、、
上半身裸の和彦の姿が、校長室に消えていく。
*
クッ、、、
狩人はスマホを見てほくそ笑む。
授業中にスマホを見るのは、もちろん校則違反だ。
もっとも、教師に隠れて見るものは多く、また、授業の妨げにならなければ教師もいちいち指摘せず、形骸化した規則だが。
だが、狩人が授業中にスマホを見ることはほとんどない。
が、今は、衝動が抑えられない。
6限目のチャイムがなる直前から次々と送られてくる画像、、、
狩人は、狩りの初手は完全に成功したと確信する。
そのために、他人の力を借りるのは癪だったが、大きな成功のためにはプライドを捨てなければ、、、
だが、猟犬達はよく働いてくれている。
特に、森崎、、、
写真部員だけの腕はある。
この鮮明で的確な画像は、望遠レンズの性能だけではない。
ヤツに褒美を取らせてやらないとな、、、
プッと狩人は授業中だと言うのに吹き出す。
褒美を取らせるってなんだよ、俺は、殿様か?
狩人は、首尾よく行ったことに浮かれている。
?
不審げな顔で、教壇の上から化学教師の榎木が狩人を見る。
慌てて真顔になり、スマホをノートに隠す。
何か言いたそうではあったが、榎木はすぐに授業に戻った。
化学教師とは思えない見事なガタイをした榎木。
元は水球選手で、この学園に赴任後、それまで無縁のレスリング部の顧問を任されたのを期に顧問が無知ではいけないと地元のプロレス団体の門を叩き、土日のみのパートタイムレスラーにまでなった変わった男だ。
分厚い筋肉に覆われたガッシリとした体格と、優しげな顔で、生徒にも人気で、言い寄る者もいるが一切、相手にしないようだ。
榎木は、淡々と授業を続け、黒板に化学式を書き出す。
狩人は、ホッとする。
危ない、危ない、、、
榎木はしばらく黒板に向かっていそうだ。
スマホのロック画面を解除する。
見事にジャージの前が突き上げられ、顔は恥辱のため真っ赤になっている。
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