婚約者を姉に奪われ、婚約破棄されたエリーゼは、王子殿下に国外追放されて捨てられた先は、なんと魔獣がいる森。そこから大逆転するしかない?怒りの

山田 バルス

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第45話 岩宿ダンジョン3階層、古代遺跡

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岩宿ダンジョン――砂に埋もれた古代遺跡のようなこのダンジョンの三階層は、荘厳な神殿の姿を保っていた。柱の一本一本に古代語のような文字が刻まれ、天井には星の意匠が輝いている。

 しかし、そこに神聖さなどなかった。

「……拙者、やはり帰るべきではござろうか。これは……きっと死ぬ流れでござるよ……」

 青い髪を揺らし、ダリルがぷるぷる震える。眼鏡の奥の目は涙目だった。

「大丈夫だって。わたしたちならできるよ。ね?」

 桃色の髪をポニーテールに結んだ少女、エリーゼ=アルセリアがにっこり笑って、ダリルの背をぽんと叩いた。

「ボクは帰る選択も否定しないけどね……でも、あの銀の牙の人たちの顔を見て決めたよ」

 金髪をかきあげ、ナルシスト全開のアリスターが頬杖をついた。

「オレは乗りかかった船だと思ってる。ここで逃げたら、胸張って冒険者名乗れねぇだろ」

 筋肉隆々のマスキュラーが剣を肩に担ぎ、前を睨む。

 ――貴族令嬢、ラフィーナ嬢が捕らえられている。

 それを聞いたとき、銀の牙のメンバーは何も言わずに頭を下げた。

「……お願い、彼女だけは……」

 あの時の目を、ダリルは忘れられなかった。

「拙者も……見捨てることなどできぬでござる……!」

 ダリルが小さく呟いたときだった。

 空気が震えた。

 ギィィ……という、金属を擦るような音。

 神殿の奥、祭壇の前に現れたのは、漆黒のマントを羽織った一人の男――魔族だった。

「ほう、こんなところまで来るとは。感心だな。だが、ここで終わりだ」

 その目は冷たく、皮膚には魔の刻印が浮かび、全身から黒い霧のような魔力を噴き出していた。

「みんな、構えて! 来るよ!」

 エリーゼが叫び、瞬間、戦いが始まった。

 マスキュラーが突撃し、剣を振るうが、魔族は指先一つで魔法陣を展開し、衝撃波を飛ばす。

「ぐあっ!」

 壁に叩きつけられるマスキュラー。しかしすぐ立ち上がる。

「効かねぇなァ……これでも筋トレだけはしてきたんだ!」

 アリスターが詠唱を終え、雷の槍を放つ。

「――穿て、雷精の牙《ライトニング・ファング》!」

 雷撃が魔族の防御結界を貫く。だが、その奥で魔族は微笑んでいた。

「ぬるい。所詮は人間の魔法か」

 ダリルは震える手で祈りを捧げる。

「光よ、導きを……聖盾《ホーリーシェル》!」

 仲間に防御の加護が与えられ、魔族の反撃を防ぐ。

 その間に、エリーゼが前に出た。

 右手は金に、左足は銀に輝いている。

 「ラフィーナ嬢を返して! わたしたちは、誰も見捨てない!」

 疾風のように駆け、魔族の腹に剣を突き刺す。黄金の右腕が魔力を増幅し、剣は深く喰い込んだ。

「ぐっ……この娘……!」

「……甘く見ないで。わたし、前世では剣道三段だったんだから」

 ――それは誰にも聞こえない小さな独り言。

 魔族は傷を負いながら、暗黒の瘴気を展開する。

「このままでは……っ」

 その時、ダリルが叫んだ。

「神よ、我に力を――浄化せよ、聖なる光よ《セイント・レイ》!」

 天井が輝き、光が差し込む。魔族の瘴気が焼かれ、苦悶の声が響いた。

 その隙を、マスキュラーが逃さなかった。

「これがオレの本気だぁあああっ!!」

 全力の渾身の剣が魔族の肩を斬り裂く。

「……チッ、これ以上は不利か」

 魔族は苦悶の声を上げながら、空間転移魔法で姿を消した。

 直後――

「う……うう……」

 奥の祭壇で、ボロボロの服を着た少女が囚われていた。

「ラフィーナ嬢!」

 エリーゼが駆け寄り、拘束を解く。

「……ありがとうございます……あなた方が、助けに……?」

「うん。もう大丈夫だよ。わたしたち、スプレーマムが迎えに来たんだから」

 ラフィーナは涙を流し、エリーゼの胸に倒れ込んだ。

 神殿に残ったのは、戦いの余韻と、彼らの新たな絆だけだった――。

【エリーゼ=アルセリア】

レベル:36

HP:584

MP:317

攻撃:662【439+剣225】

防御:853【428+上下425】

早さ:837【627+脚210】

幸運:100MAX

スキル:──剣聖──フェンリルの加護 金龍の加護

装備:武器 テオドリック帝国 王家の剣 
   防具 上半身 剣聖のドレスチェスト
      下半身 剣聖のレッドプリーツ
      脚   剣聖のブレイズブーツ
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