私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

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217話 双種蜥蜴のダンジョンに再突入でございます!

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【ゾッ……ゾゾ!】
「キェェェェェ!」
【フッ……オイラの勝ちなんだゾ】


 私たちの目の前で蜥蜴が氷漬けになった。 
 ダンジョンに潜ってからほとんど全ての魔物をケル君一人で倒してしまっている。
 ダンジョンはすでにかなり深くまで来てるし、Cランクしか出てきてない。つまり、ランクだけで言えば格上しかいないはずなんだけど、こんな連戦して一撃も当たらないで連勝してるって……改めて見ると化け物じみてるわね。
 私は人のこと言えないかもしれないけど。


「覚えたばっかりなのに本当に魔法をよく使いこなしてるね」
【ゾー、どんな魔法も共通のパターンがあるってことさえ覚えてしまえば楽勝なんだゾ!】
「う、うん! そうだね!」


 ケル君が張り切っているお陰で私たちの出番がない。リンネちゃんなんて少し退屈そうにしてるし、私とロモンちゃんは倒した魔物の回収しかしてない。
   

【ムムッ!】
「どうしたのケル」
【Cランクが3匹に増えたんだゾ】

  
 ケル君が成長した嗅覚と大探知によるコンボで次々と魔物を勝手に見つけていくから私は探知を切ってたから気がつかなかった。
 しばらくしてケル君の言った通り、Cランクの蜥蜴が3匹いる。


「流石にこれはケル君では危ないですね。ここは私たちに」 
【いーや、やらせて欲しいんだゾ】
「危ないよ!」
【フッ……フフフフ、オイラ、そう、実はオイラ、Sランクの超越種の魔物に一矢報いることができて、あれから乗りに乗ってるんだゾ。ウズウズしてたんだゾ。やらせて欲しいんだゾ】
「えっ…….えー……お姉ちゃんどう思う?」
「ぼくとしても止めたいけど、そういう気分は分からなくもないからなー。絶対に無理しないで危なくなったらすぐに引くことを約束するんだったらいいと思うよ」


 前もこんなやりとりあったっけ。ケル君ってば常に書く上と戦いたがるのね。
 じゃあ、私から言えるのは。


「私もリンネちゃんと同意見です。危なくなったらすぐに私が対処しましょう」
「むぅ……でも、たしかに挑み続けるのがケルの良いところの一つだもんね。わかった、でも絶対に、ぜーったいに無理しないでね! 重傷負ったら泣くからね!」
【ゾー、泣かせるわけにはいかないんだゾ。でも、見てて欲しいんだゾ】
 

 そういうとケル君は振り返りもせずに、3匹のリザードマンに向かっていった。
 ケル君はリザードマンが自分に気がつく前に魔法を連発する。


【スバシャ! スヒョウ! スバシャ! スヒョウ! スバシャ! スヒョウ! ………!】


 覚えたばかりの水属性と氷属性の中級範囲魔法を交互に絶え間なく。いつも通り命中精度はかなり高く、全てリザードマンらの顔面に降りかかった。
 それにしてもその属性の中級魔法っていつ覚えたっけ? ケル君に限っては本当に目を離した隙に技を覚えてしまうから私でも把握できない。

 水で濡れた後に凍らされる、それを顔に繰り返されることにより、まともに行動できなくなってるみたい。 
 ロングソードのようなものをもってるリザードマンもいたけど、それすら何の意味もなくなってる。

 さらにケル君は例のクモ戦で見せた魔法を全身にまとう技の雷属性を行い、黄色く光ると、そのままもがき苦しむリザードマンのうちの1匹の首元にかぶりつく。
 どうやらそれも属性付きの噛み付く技を使ってるみたい。


【リシャイゴロゴム!】


 そして超至近距離からの光属性付与の雷属性上級魔法。
 水で感電しやすくなってるいる相手に一度に3種類の雷属性の技を叩き込む。
 私たちの心配なんて何一ついらなかった。
 文字通り瞬く間にケル君は敵を殲滅してしまった。


【できたんだゾ!】
「……進化もそろそろ近いね、これ」
「進化してまだ一ヶ月経つか経たないかだよ?」
「でも……もうこれだけのことできるし」
【ゾー、そんなに褒められたら照れるゾ。でも、この鎧で魔力に関するあれこれが上がったりしてるからオイラの実力かと言われると怪しいゾ】


 ケル君はそう言うけれど、それって魔法使いでいう杖だったり、剣士でいう剣みたいなものなんじゃないかしら。
 つまりここまで使いこなせてるのもケル君の実力ってこと。……まあ鎧なのに防御に関してより、おまけみたいな効果である魔力増強の方が活躍してるのはたしかにおかしいけど。

 それから先、3戦連続でCランクの魔物3体が出続けた。やはりケル君の戦法である、相手に気がつかれる前に行動して動きを止め、その隙に連続して攻撃を叩き込むっていうのは強い。ことごとく全滅させている。

 かと言って仮に先に気がつかれてしまったとしても、ケル君は回避性能が高い上に、リンネちゃんの空中を蹴る技も半端だけと使えるから多分大丈夫。


【ゾー、次遭遇したら今中級魔法しか使ってない技の、上級魔法を試してみるんだゾ】
「いつの間にか水、風、土、氷の中級魔法を使っていたと思えば、もう上級魔法を使うんですか? これらも覚えたばかりではないですか」
【ゾ、火と雷の上級魔法が使えるからあまり苦労はしなかったゾ?】


 これだから天才は。
 いや、周りから見たら私もこんな感じなのかもしれないけれどさ。


【ゾッゾッゾ、楽しみ……ゾッ!】
「おや、どうしました?」


 ケル君がまた立ち止まった。
 そしてこちらを振り返る。ちょっと困ってる様子。試しに探知をつけてみると、どうやらこの先にはついにBランクの魔物がいるらしかった。


【ゾー……見える? Bランクって、あのお部屋で戦ったやつと同じ強さだよね? 流石にまだオイラ一人じゃ無理なんだゾ……】
「あれは特別、亜種だったりダンジョン仕様だったりしてたみたいですけどね」
【それでもさすがにBランクはちょっと……】


 ふむ、ケル君って挑戦家だと思ってたけど実はそうじゃなくて、きちんと自分の力量を把握した上で挑んでいたのね。見直した。


「Bランクは無理なんですよね? 実際、どこまでだったら一人で対処できそうですか?」
【ゾ! Cランク5体同時までだと思うゾ】
「なんだ、ちゃんと計算して挑んでたんだね! 無鉄砲にBランクにも挑んじゃわないか心配だったよー」
【そんなまさか。自殺行為なんてオイラしないゾ】
 

 人間だったらふくれっ面をしているだろう表情をしている。犬だからそんなことできないけど。


「じゃあ私が倒しましょう」  
【ゾ、お手本見せて欲しいんだゾ】
「任せてくたざい」


 今度は私を先頭にして進む。すぐにランクBのリザードマン……ハイリザードマンと遭遇した。
 見た目は普通のリザードマンを筋骨隆々にして、エリマキトカゲみたいなものを首回りにつけているだけに過ぎないけど、結構強かったはず。


「キシャアアアアア!」


 こちらに気がつくなりエリを大きく広げて持っていた槍を構え、こちらに突撃してきた。
 私は即座に土属性の最上級魔法でハイリザードマンを取り囲み、その中で最上級の炎魔法を放つ。
 2回ほど土で包んだまま焼き上げると、中の反応がなくなった。


「はい、こんな感じです」
【おお、やっぱりアイリスはすごいんだゾ! オイラも早く最上級魔法を使いたいゾ】
「ケル君なら近いうちに使えますよ、きっと」


 この子が最上級魔法を覚えたらものすごい応用力でかなり強くなりそう。今からちょっと楽しみかも。
 私達はハイリザードマンをきっちり回収してしまってから、再び進むことにした。



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