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第一章
22 第二王子
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「改めましてリリーナです。先程の紹介にあったように、ライカル様の元で住まわせていただいてます」
「あなたったらラッキーね! ライカルちゃんって男前でしょう? でもこの子ったら異性にメッチャクチャ弱いのよ。アタシが抱きつこうとしたら本気で抵抗するんだもの」
あぁ、やはり同性が好きなようですね。ライカル様が困ったような顔をしています。
「殿下は男でしょう!? 失礼ですが公の場では殿下もしっかりと喋っておられるではないですか」
「そりゃあ正式な場所じゃしっかり王子として振る舞わないとね。とは言ってもアタシの趣味なんてとっくに知れ渡っちゃってるからあまり意味はないのよね。それにしてもライカルちゃんったら……ふふっ照れちゃって相変わらずお可愛いこと……。でもあなたにはリリーナちゃんがいるものね。二人には身を引いておいて、あ・げ・る」
第一王子のダスフォール殿下は性格に問題がありそうですが、第二王子のシンザーン殿下は魅力的に感じてきます。
もちろん恋や異性としての意識とは別物ですが、なんとなく芯のある何かを感じるのです。
しばらく殿下との会話が続きました。
♢
「それは絶対ダメよ! 諦めたらそこで終了なのよ?」
「アタシの言うことを全部鵜呑みにしなくて良いのよ? だって同じ人間ですもの。王子だって間違えることはあるわよ。その時は遠慮なく怒って欲しいの」
「周りに千人知人がいても、全員から好かれようとしちゃダメよ」
シンザーン殿下と話し始めたら終わりがみえてきません。
ひたすら殿下とのマシンガントークが続きました。
「あらー、やだもう! すっかり話し込んじゃってこんな時間! ごめんなさいね!」
「相変わらず、話し始めたら止まりませんでしたな。リリーナさんもここまで話しこむとは予想外でしたが」
シンザーン殿下はライカル様と同じように、王都が好きで、人を大事に想っているんだと伝わってきたのです。
王子としての威厳よりも住民たちとの友情を優先しているような発言も、私にとっては新鮮で聴き入ってしまいました。
「夢中になって聴いてしまいました。ありがとうございますシンザーン殿下」
「いいのよ。それよりも今後は公の場以外ではアタシのことは『しんちゃん』と呼びなさい! いいわね『リーナ』」
困ってしまいました。
いくら仲良くしていただいたとはいえ、王子殿下に対してそのように気安く呼ぶなどあり得ません。
いや……このフレンド国家ならばあり得るのかもしれませんが……。
助けを求めてライカル様の方を向きます。
「シンザーン殿下が認めた者には、そう呼ぶようにいつもお願いしているくらいだから問題ありませんよ。私も何度か言われていますがお断りしていますがね」
「そう! ライカルちゃんったら遠慮してるのよ! でもリーナは良いわよね? もちろん敬語も使っちゃダメよ!」
「で……では……しんちゃん。よろしくね……」
「よろしい!!」
今一瞬だけ物凄い男っけのある口調になりました。
ギャップに驚いて怯んでしまったほどです。
「あらごめんなさい! 嬉しくって、つい興奮しちゃって……改めてよろしくねリーナ。アタシ達はもう友達よ」
「友達……?」
「当たり前じゃないの! これだけ沢山話したんだもの! あと、ちょっと良いかしら?」
「え……?」
そう言って私の腕をグイッと引っ張ってライカル様とロロガルさんから少し離れたところへ連れて行かれてしまいました。
物凄い力です。本気で抵抗しても全く敵わないでしょう。とはいえ、しんちゃん相手なので特に抵抗はしていませんが……。
「急にごめんなさいね。リーナとライカルちゃんとの距離を感じるのよねー」
「と言いますと?」
「敬語禁止ー! まぁリーナも遠慮しているところあるから仕方ないわよね。あのね、ライカルちゃんって昔からああいう感じで周りの押しがないと異性には動けない性格なのよ……」
なんとなくわかる気がします。ライカル様は今までもずっと敬語でしたし、それは婚約が決まった後もそうでした。
ライカル様の良さだとは思いますが、やはりそれ以上の距離がなかなか縮まりませんでしたからね……。
「だからね、リーナ。気持ちはすっごくわかるんだけども、あなたから一歩押してあげて欲しいの。呼び方ひとつにしてもそう。さっきアタシがあなたに言ったみたいに、『さん付けしないで』とかでも良いと思うの。きっとライカルちゃんも喜ぶと思うわよ」
「ではさっき私に呼び方を変えてと言ったのも……?」
しんちゃんは首を横に振りました。
「あれは本心よ。リーナとはきっと良い友達になれると思ったから。ライカルちゃんのお嫁さんなら尚更よ。でもきっと、彼は今頃心の中で妬いていると思うわ。あの子は自分から言い出せないのよね。だから、ね?」
「わかりまし……いえ、わかったわ。ありがとう、しんちゃん!」
なんとも不思議な気持ちです。
今まで私も敬語以外で喋ったことなどほとんどありませんでしたからね……。
それに彼の優しさと気遣いがとても嬉しく、断ることなどできなかったのです。
ライカル様の元へ戻り、しんちゃんはそのまま満足そうな顔をして王宮へ戻って行かれました。
もしも、しんちゃんが新国王陛下になってくれたら、この国も平和が続きそうな気がします。
「あなたったらラッキーね! ライカルちゃんって男前でしょう? でもこの子ったら異性にメッチャクチャ弱いのよ。アタシが抱きつこうとしたら本気で抵抗するんだもの」
あぁ、やはり同性が好きなようですね。ライカル様が困ったような顔をしています。
「殿下は男でしょう!? 失礼ですが公の場では殿下もしっかりと喋っておられるではないですか」
「そりゃあ正式な場所じゃしっかり王子として振る舞わないとね。とは言ってもアタシの趣味なんてとっくに知れ渡っちゃってるからあまり意味はないのよね。それにしてもライカルちゃんったら……ふふっ照れちゃって相変わらずお可愛いこと……。でもあなたにはリリーナちゃんがいるものね。二人には身を引いておいて、あ・げ・る」
第一王子のダスフォール殿下は性格に問題がありそうですが、第二王子のシンザーン殿下は魅力的に感じてきます。
もちろん恋や異性としての意識とは別物ですが、なんとなく芯のある何かを感じるのです。
しばらく殿下との会話が続きました。
♢
「それは絶対ダメよ! 諦めたらそこで終了なのよ?」
「アタシの言うことを全部鵜呑みにしなくて良いのよ? だって同じ人間ですもの。王子だって間違えることはあるわよ。その時は遠慮なく怒って欲しいの」
「周りに千人知人がいても、全員から好かれようとしちゃダメよ」
シンザーン殿下と話し始めたら終わりがみえてきません。
ひたすら殿下とのマシンガントークが続きました。
「あらー、やだもう! すっかり話し込んじゃってこんな時間! ごめんなさいね!」
「相変わらず、話し始めたら止まりませんでしたな。リリーナさんもここまで話しこむとは予想外でしたが」
シンザーン殿下はライカル様と同じように、王都が好きで、人を大事に想っているんだと伝わってきたのです。
王子としての威厳よりも住民たちとの友情を優先しているような発言も、私にとっては新鮮で聴き入ってしまいました。
「夢中になって聴いてしまいました。ありがとうございますシンザーン殿下」
「いいのよ。それよりも今後は公の場以外ではアタシのことは『しんちゃん』と呼びなさい! いいわね『リーナ』」
困ってしまいました。
いくら仲良くしていただいたとはいえ、王子殿下に対してそのように気安く呼ぶなどあり得ません。
いや……このフレンド国家ならばあり得るのかもしれませんが……。
助けを求めてライカル様の方を向きます。
「シンザーン殿下が認めた者には、そう呼ぶようにいつもお願いしているくらいだから問題ありませんよ。私も何度か言われていますがお断りしていますがね」
「そう! ライカルちゃんったら遠慮してるのよ! でもリーナは良いわよね? もちろん敬語も使っちゃダメよ!」
「で……では……しんちゃん。よろしくね……」
「よろしい!!」
今一瞬だけ物凄い男っけのある口調になりました。
ギャップに驚いて怯んでしまったほどです。
「あらごめんなさい! 嬉しくって、つい興奮しちゃって……改めてよろしくねリーナ。アタシ達はもう友達よ」
「友達……?」
「当たり前じゃないの! これだけ沢山話したんだもの! あと、ちょっと良いかしら?」
「え……?」
そう言って私の腕をグイッと引っ張ってライカル様とロロガルさんから少し離れたところへ連れて行かれてしまいました。
物凄い力です。本気で抵抗しても全く敵わないでしょう。とはいえ、しんちゃん相手なので特に抵抗はしていませんが……。
「急にごめんなさいね。リーナとライカルちゃんとの距離を感じるのよねー」
「と言いますと?」
「敬語禁止ー! まぁリーナも遠慮しているところあるから仕方ないわよね。あのね、ライカルちゃんって昔からああいう感じで周りの押しがないと異性には動けない性格なのよ……」
なんとなくわかる気がします。ライカル様は今までもずっと敬語でしたし、それは婚約が決まった後もそうでした。
ライカル様の良さだとは思いますが、やはりそれ以上の距離がなかなか縮まりませんでしたからね……。
「だからね、リーナ。気持ちはすっごくわかるんだけども、あなたから一歩押してあげて欲しいの。呼び方ひとつにしてもそう。さっきアタシがあなたに言ったみたいに、『さん付けしないで』とかでも良いと思うの。きっとライカルちゃんも喜ぶと思うわよ」
「ではさっき私に呼び方を変えてと言ったのも……?」
しんちゃんは首を横に振りました。
「あれは本心よ。リーナとはきっと良い友達になれると思ったから。ライカルちゃんのお嫁さんなら尚更よ。でもきっと、彼は今頃心の中で妬いていると思うわ。あの子は自分から言い出せないのよね。だから、ね?」
「わかりまし……いえ、わかったわ。ありがとう、しんちゃん!」
なんとも不思議な気持ちです。
今まで私も敬語以外で喋ったことなどほとんどありませんでしたからね……。
それに彼の優しさと気遣いがとても嬉しく、断ることなどできなかったのです。
ライカル様の元へ戻り、しんちゃんはそのまま満足そうな顔をして王宮へ戻って行かれました。
もしも、しんちゃんが新国王陛下になってくれたら、この国も平和が続きそうな気がします。
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