56 / 71
第二章
56 積極的な態度
しおりを挟む
「リリーナお嬢様、お元気で。更なるご活躍をお祈り致します」
「ありがとう。ルルガムも元気でね」
アルガルデ王国から二度目の旅立ちです。
一度目は嫌な別れ方でしたが、それがあったおかげでこんなにも幸せな毎日を送れています。
今回の旅立ちは、いずれまたここへ帰ってこれる状態です。
悲しさはありません。
馬車はゆっくりと動き出し、王都の検問所を通り過ぎました。
「良い旅であったな」
「はい。帰りは何事もなく、無事にオーブルジェ王国まで移動できればいいのですが」
ライカル様と馬車の中で二人きり状態です。
私の横にライカル様が座っています。
「ふぅ……」
私は安堵のため息を吐いてしまいました。
「大丈夫か?」
「はい。すみません」
「長旅だったし、今回もリリーナは両国の為に動いてくれた。ここではゆっくり休むと良い」
ライカル様が私の肩に手をあてながらニコリと微笑みました。
ドキドキしながらも、そのまま眠気が襲ってきました。
目に見えない疲労が溜まっていたのかもしれませんね。
そしていつの間にかライカル様の肩に身体を預けて眠ってしまいました。
「うーん……うん!? んーー!?」
概ね三時間くらい昼寝をしてしまったようです。
それだけならともかく、視界がおかしなことになっているのです。
慌てて勢いよく身体を起こしながら状況を整理していきたいと思います。
「やあ、お目覚めかい?」
ライカル様は平然とした顔で微笑んでくださっていますが、私はそれでも尚慌てていました。
「私、ライカル様の膝の上でずっと……?」
「あぁ。あまりにも寝顔が可愛いから私も幸せだった。もう一度寝るかい?」
「ひえ……!」
こういうスキンシップには免疫がないのです。
おまけにライカル様の完璧な外見と優しさが加わって、私の感情に収集がつきません。
「重かったでしょう!? 申し訳ございません!」
「問題ない。私の膝ならば、リリーを迎える準備がいつでも整っているのだから」
今日のライカル様は、いつもより積極的な感じがします。
私は押されると弱いので、脳内が混乱してしまっています。
「ら、ライカル様! 急にどうしたのです!?」
「何か変か?」
「その……いつもより私にこう……何と言いますか」
自分で言い出すのはあまりにも恥ずかしいです。
何故私に積極的に行動してくるのかと聞きたいところですが、決して嫌なわけではありません。
ただ、突然だったのでびっくりしただけなのですが……。
「行きの馬車では国務が控えているのでずっと我慢していた。だが、やはり私はリリーともっと深く深く関わっていきたい。時間の許す限り君と共にくっついていたいのだ」
「ひょえ! わ、私もですっ!!」
意中の方からの押しには弱いんです……。
馬車の中で手を繋ぎながら、二人だけの時間がゆっくりと過ぎていきました。
「ありがとう。ルルガムも元気でね」
アルガルデ王国から二度目の旅立ちです。
一度目は嫌な別れ方でしたが、それがあったおかげでこんなにも幸せな毎日を送れています。
今回の旅立ちは、いずれまたここへ帰ってこれる状態です。
悲しさはありません。
馬車はゆっくりと動き出し、王都の検問所を通り過ぎました。
「良い旅であったな」
「はい。帰りは何事もなく、無事にオーブルジェ王国まで移動できればいいのですが」
ライカル様と馬車の中で二人きり状態です。
私の横にライカル様が座っています。
「ふぅ……」
私は安堵のため息を吐いてしまいました。
「大丈夫か?」
「はい。すみません」
「長旅だったし、今回もリリーナは両国の為に動いてくれた。ここではゆっくり休むと良い」
ライカル様が私の肩に手をあてながらニコリと微笑みました。
ドキドキしながらも、そのまま眠気が襲ってきました。
目に見えない疲労が溜まっていたのかもしれませんね。
そしていつの間にかライカル様の肩に身体を預けて眠ってしまいました。
「うーん……うん!? んーー!?」
概ね三時間くらい昼寝をしてしまったようです。
それだけならともかく、視界がおかしなことになっているのです。
慌てて勢いよく身体を起こしながら状況を整理していきたいと思います。
「やあ、お目覚めかい?」
ライカル様は平然とした顔で微笑んでくださっていますが、私はそれでも尚慌てていました。
「私、ライカル様の膝の上でずっと……?」
「あぁ。あまりにも寝顔が可愛いから私も幸せだった。もう一度寝るかい?」
「ひえ……!」
こういうスキンシップには免疫がないのです。
おまけにライカル様の完璧な外見と優しさが加わって、私の感情に収集がつきません。
「重かったでしょう!? 申し訳ございません!」
「問題ない。私の膝ならば、リリーを迎える準備がいつでも整っているのだから」
今日のライカル様は、いつもより積極的な感じがします。
私は押されると弱いので、脳内が混乱してしまっています。
「ら、ライカル様! 急にどうしたのです!?」
「何か変か?」
「その……いつもより私にこう……何と言いますか」
自分で言い出すのはあまりにも恥ずかしいです。
何故私に積極的に行動してくるのかと聞きたいところですが、決して嫌なわけではありません。
ただ、突然だったのでびっくりしただけなのですが……。
「行きの馬車では国務が控えているのでずっと我慢していた。だが、やはり私はリリーともっと深く深く関わっていきたい。時間の許す限り君と共にくっついていたいのだ」
「ひょえ! わ、私もですっ!!」
意中の方からの押しには弱いんです……。
馬車の中で手を繋ぎながら、二人だけの時間がゆっくりと過ぎていきました。
28
あなたにおすすめの小説
永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~
畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
【完結】女王と婚約破棄して義妹を選んだ公爵には、痛い目を見てもらいます。女王の私は田舎でのんびりするので、よろしくお願いしますね。
五月ふう
恋愛
「シアラ。お前とは婚約破棄させてもらう。」
オークリィ公爵がシアラ女王に婚約破棄を要求したのは、結婚式の一週間前のことだった。
シアラからオークリィを奪ったのは、妹のボニー。彼女はシアラが苦しんでいる姿を見て、楽しそうに笑う。
ここは南の小国ルカドル国。シアラは御年25歳。
彼女には前世の記憶があった。
(どうなってるのよ?!)
ルカドル国は現在、崩壊の危機にある。女王にも関わらず、彼女に使える使用人は二人だけ。賃金が払えないからと、他のものは皆解雇されていた。
(貧乏女王に転生するなんて、、、。)
婚約破棄された女王シアラは、頭を抱えた。前世で散々な目にあった彼女は、今回こそは幸せになりたいと強く望んでいる。
(ひどすぎるよ、、、神様。金髪碧眼の、誰からも愛されるお姫様に転生させてって言ったじゃないですか、、、。)
幸せになれなかった前世の分を取り返すため、女王シアラは全力でのんびりしようと心に決めた。
最低な元婚約者も、継妹も知ったこっちゃない。
(もう婚約破棄なんてされずに、幸せに過ごすんだーー。)
妹に全部取られたけど、幸せ確定の私は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
恋愛
マリアはドレーク伯爵家の長女で、ドリアーク伯爵家のフリードと婚約していた。
だが、パーティ会場で一方的に婚約を解消させられる。
しかも新たな婚約者は妹のロゼ。
誰が見てもそれは陥れられた物である事は明らかだった。
だが、敢えて反論もせずにそのまま受け入れた。
それはマリアにとって実にどうでも良い事だったからだ。
主人公は何も「ざまぁ」はしません(正当性の主張はしますが)ですが...二人は。
婚約破棄をすれば、本来なら、こうなるのでは、そんな感じで書いてみました。
この作品は昔の方が良いという感想があったのでそのまま残し。
これに追加して書いていきます。
新しい作品では
①主人公の感情が薄い
②視点変更で読みずらい
というご指摘がありましたので、以上2点の修正はこちらでしながら書いてみます。
見比べて見るのも面白いかも知れません。
ご迷惑をお掛けいたしました
婚約破棄されたので、とりあえず王太子のことは忘れます!
パリパリかぷちーの
恋愛
クライネルト公爵令嬢のリーチュは、王太子ジークフリートから卒業パーティーで大勢の前で婚約破棄を告げられる。しかし、王太子妃教育から解放されることを喜ぶリーチュは全く意に介さず、むしろ祝杯をあげる始末。彼女は領地の離宮に引きこもり、趣味である薬草園作りに没頭する自由な日々を謳歌し始める。
姉と妹の常識のなさは父親譲りのようですが、似てない私は養子先で運命の人と再会できました
珠宮さくら
恋愛
スヴェーア国の子爵家の次女として生まれたシーラ・ヘイデンスタムは、母親の姉と同じ髪色をしていたことで、母親に何かと昔のことや隣国のことを話して聞かせてくれていた。
そんな最愛の母親の死後、シーラは父親に疎まれ、姉と妹から散々な目に合わされることになり、婚約者にすら誤解されて婚約を破棄することになって、居場所がなくなったシーラを助けてくれたのは、伯母のエルヴィーラだった。
同じ髪色をしている伯母夫妻の養子となってからのシーラは、姉と妹以上に実の父親がどんなに非常識だったかを知ることになるとは思いもしなかった。
聖女で美人の姉と妹に婚約者の王子と幼馴染をとられて婚約破棄「辛い」私だけが恋愛できず仲間外れの毎日
佐藤 美奈
恋愛
「好きな人ができたから別れたいんだ」
「相手はフローラお姉様ですよね?」
「その通りだ」
「わかりました。今までありがとう」
公爵令嬢アメリア・ヴァレンシュタインは婚約者のクロフォード・シュヴァインシュタイガー王子に呼び出されて婚約破棄を言い渡された。アメリアは全く感情が乱されることなく婚約破棄を受け入れた。
アメリアは婚約破棄されることを分かっていた。なので動揺することはなかったが心に悔しさだけが残る。
三姉妹の次女として生まれ内気でおとなしい性格のアメリアは、気が強く図々しい性格の聖女である姉のフローラと妹のエリザベスに婚約者と幼馴染をとられてしまう。
信頼していた婚約者と幼馴染は性格に問題のある姉と妹と肉体関係を持って、アメリアに冷たい態度をとるようになる。アメリアだけが恋愛できず仲間外れにされる辛い毎日を過ごすことになった――
閲覧注意
「価値がない」と言われた私、隣国では国宝扱いです
ゆっこ
恋愛
「――リディア・フェンリル。お前との婚約は、今日をもって破棄する」
高らかに響いた声は、私の心を一瞬で凍らせた。
王城の大広間。煌びやかなシャンデリアの下で、私は静かに頭を垂れていた。
婚約者である王太子エドモンド殿下が、冷たい眼差しで私を見下ろしている。
「……理由を、お聞かせいただけますか」
「理由など、簡単なことだ。お前には“何の価値もない”からだ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる