4 / 19
4 【ザグレーム視点】身分証だと!?
しおりを挟む
メアリーナはドジだった。
女を口説くことに関してだけは俺は完璧だ。メアリーナは特にチョロかった。
あいつは強い。更に名推理も加わり、過去に王子の命を救ったり、相当な功績を残してきたそうだ。
おまけに一流の貴族との繋がりもそこそこある。これほどの逆玉はないと思ってとにかく手放さないように努力した。
その後結婚して、ようやく俺も大きな財産を手に入れた。
だが調子に乗ってしまい、愛人のシャーラとよろしくやっていたのがあっさりとバレてしまった。
離婚とはいえ、メアリーナの財産もある程度俺のものになれば文句はないと思ったが、結果は違った。
まさか俺に残されたのは多額の損害賠償だけだとは……。
やはりメアリーナの頭はキレている。
もうダメかと思っていたが、メアリーナは肝心なところでアホをしたのだ。
まさか大量の金を保管している金庫部屋を放置していたとは……。
これはチャンスだと思い、テーブルに置かれていた百万円と、棚に飾ってある金の塊を可能な限り持ってシャーラと夜逃げすることにした。
国外に逃亡してしまえば俺たちを捕まえることなどできない。
だからこそ世界のどこでも換金できる金塊を奪えたのはでかい。
この国の金は他国じゃ使えないからな。
「シャーラ、夕方一番の馬車に乗り、まずは王都を脱出する。俺たちの力では王都から隣の町まで歩いてしまえば、野獣に喰われて死ぬ可能性の方が高いからな。護衛付きの馬車ならばほぼ安心だ」
「この百万円があって助かりましたわぁ。金魂はまだ換金しないんですの? これ、重くて……」
「あぁ、これは他国へ移動してから、その国の貨幣に換金した方がいい。円相場はあくまでこの国の貨幣だからな……」
「ザグレームさまったら頭が冴えてるぅ!」
当然だ。俺はドヤ顔をしてシャーラの頭を撫でた。
「だが、いいのか? シャーラまで犯罪者になってしまって」
「どうせ私なんて、ザグレーム様に拾ってもらわなかったら、今も身体を売ってしか生きれない生活でしたもの。それに、生涯ザグレームさまに付いていくって決めてますから」
やはり俺の人生は間違いではなかったようだ。
メアリーナと金目当てで結婚したおかげで、ついに心から愛せるシャーラを手に入れた。代償として犯罪者になってしまったかもしれないが、国外まで逃げてしまえば関係ないだろう。
人生バラ色にするために、まずは馬車のチケットを買いに向かった。
「夕方発、隣町行きの乗車券大人二枚くれ」
「かしこまりました。ですが、本日より国からの行政指示が加わりまして、乗車されるお客様全員にお願いをしていることがあります」
そんなことは初耳だ。今まではスンナリと切符を買えていたのに……。
あ、そうか。馬車の中で喧嘩したり葉巻を吸う奴がいたりするもんな。
そういう行為を禁止するように言われたのか。
「身分証の提示をお願いしております」
「「な!?」」
バカな……。
女を口説くことに関してだけは俺は完璧だ。メアリーナは特にチョロかった。
あいつは強い。更に名推理も加わり、過去に王子の命を救ったり、相当な功績を残してきたそうだ。
おまけに一流の貴族との繋がりもそこそこある。これほどの逆玉はないと思ってとにかく手放さないように努力した。
その後結婚して、ようやく俺も大きな財産を手に入れた。
だが調子に乗ってしまい、愛人のシャーラとよろしくやっていたのがあっさりとバレてしまった。
離婚とはいえ、メアリーナの財産もある程度俺のものになれば文句はないと思ったが、結果は違った。
まさか俺に残されたのは多額の損害賠償だけだとは……。
やはりメアリーナの頭はキレている。
もうダメかと思っていたが、メアリーナは肝心なところでアホをしたのだ。
まさか大量の金を保管している金庫部屋を放置していたとは……。
これはチャンスだと思い、テーブルに置かれていた百万円と、棚に飾ってある金の塊を可能な限り持ってシャーラと夜逃げすることにした。
国外に逃亡してしまえば俺たちを捕まえることなどできない。
だからこそ世界のどこでも換金できる金塊を奪えたのはでかい。
この国の金は他国じゃ使えないからな。
「シャーラ、夕方一番の馬車に乗り、まずは王都を脱出する。俺たちの力では王都から隣の町まで歩いてしまえば、野獣に喰われて死ぬ可能性の方が高いからな。護衛付きの馬車ならばほぼ安心だ」
「この百万円があって助かりましたわぁ。金魂はまだ換金しないんですの? これ、重くて……」
「あぁ、これは他国へ移動してから、その国の貨幣に換金した方がいい。円相場はあくまでこの国の貨幣だからな……」
「ザグレームさまったら頭が冴えてるぅ!」
当然だ。俺はドヤ顔をしてシャーラの頭を撫でた。
「だが、いいのか? シャーラまで犯罪者になってしまって」
「どうせ私なんて、ザグレーム様に拾ってもらわなかったら、今も身体を売ってしか生きれない生活でしたもの。それに、生涯ザグレームさまに付いていくって決めてますから」
やはり俺の人生は間違いではなかったようだ。
メアリーナと金目当てで結婚したおかげで、ついに心から愛せるシャーラを手に入れた。代償として犯罪者になってしまったかもしれないが、国外まで逃げてしまえば関係ないだろう。
人生バラ色にするために、まずは馬車のチケットを買いに向かった。
「夕方発、隣町行きの乗車券大人二枚くれ」
「かしこまりました。ですが、本日より国からの行政指示が加わりまして、乗車されるお客様全員にお願いをしていることがあります」
そんなことは初耳だ。今まではスンナリと切符を買えていたのに……。
あ、そうか。馬車の中で喧嘩したり葉巻を吸う奴がいたりするもんな。
そういう行為を禁止するように言われたのか。
「身分証の提示をお願いしております」
「「な!?」」
バカな……。
43
あなたにおすすめの小説
わたくしは、すでに離婚を告げました。撤回は致しません
絹乃
恋愛
ユリアーナは夫である伯爵のブレフトから、完全に無視されていた。ブレフトの愛人であるメイドからの嫌がらせも、むしろメイドの肩を持つ始末だ。生来のセンスの良さから、ユリアーナには調度品や服の見立ての依頼がひっきりなしに来る。その収入すらも、ブレフトは奪おうとする。ユリアーナの上品さ、審美眼、それらが何よりも価値あるものだと愚かなブレフトは気づかない。伯爵家という檻に閉じ込められたユリアーナを救ったのは、幼なじみのレオンだった。ユリアーナに離婚を告げられたブレフトは、ようやく妻が素晴らしい女性であったと気づく。けれど、もう遅かった。
理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました
ぺきぺき
恋愛
王家の次男として生まれたヨーゼフには幼い頃から決められていた婚約者がいた。兄の補佐として育てられ、兄の息子が立太子した後には臣籍降下し大公になるよていだった。
このヨーゼフ、優秀な頭脳を持ち、立派な大公となることが期待されていたが、幼い頃に見た絵本のお姫様を理想の女性として探し続けているという残念なところがあった。
そしてついに貴族学園で絵本のお姫様とそっくりな令嬢に出会う。
ーーーー
若気の至りでやらかしたことに苦しめられる主人公が最後になんとか幸せになる話。
作者別作品『二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち』のスピンオフになっていますが、単体でも読めます。
完結まで執筆済み。毎日四話更新で4/24に完結予定。
第一章 無計画な婚約破棄
第二章 無計画な白い結婚
第三章 無計画な告白
第四章 無計画なプロポーズ
第五章 無計画な真実の愛
エピローグ
融資できないなら離縁だと言われました、もちろん快諾します。
音爽(ネソウ)
恋愛
無能で没落寸前の公爵は富豪の伯爵家に目を付けた。
格下ゆえに逆らえずバカ息子と伯爵令嬢ディアヌはしぶしぶ婚姻した。
正妻なはずが離れ家を与えられ冷遇される日々。
だが伯爵家の事業失敗の噂が立ち、公爵家への融資が停止した。
「期待を裏切った、出ていけ」とディアヌは追い出される。
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の伯爵令嬢だったエミリアは長年の想い人である公爵令息オリバーと結婚した。
しかし、夫となったオリバーとの仲は冷え切っていた。
オリバーはエミリアを愛していない。
それでもエミリアは一途に夫を想い続けた。
子供も出来ないまま十年の年月が過ぎ、エミリアはオリバーにもう一つの家庭が存在していることを知ってしまう。
それをきっかけとして、エミリアはついにオリバーとの離婚を決意する。
オリバーと離婚したエミリアは第二の人生を歩み始める。
一方、最愛の愛人とその子供を公爵家に迎え入れたオリバーは後悔に苛まれていた……。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
愛する夫が目の前で別の女性と恋に落ちました。
ましゅぺちーの
恋愛
伯爵令嬢のアンジェは公爵家の嫡男であるアランに嫁いだ。
子はなかなかできなかったが、それでも仲の良い夫婦だった。
――彼女が現れるまでは。
二人が結婚して五年を迎えた記念パーティーでアランは若く美しい令嬢と恋に落ちてしまう。
それからアランは変わり、何かと彼女のことを優先するようになり……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる