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5 【ザグレーム視点】逃げ道が無い!
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おそらくメアリーナは血相を変えて俺たちを探しているはず。
そんな時に身分証明書などを提示すれば、ここにいますよってアピールするようなものだ。
身分証を持っていないとも口が裂けても言えるものか。
国の法律で、全員が身分証明書を持つ義務がある。
もしも持っていなかったり紛失した場合は即刻王宮の近くへ連れていかれる。
再発行をするか親族の迎えが来るまで待たされることになってしまうぞ……。
「あ、しまった! 金を忘れた! 後でまた来るから、じゃ。ソユコトデ……」
逃げるように大急ぎでこの場を離れた。
♢
これは異常事態だ。
概ね直径二十キロメートルの円形の王都だからそこまで広いわけではない。このままではいずれ捕まってしまうぞ……。
「ねぇ、ザグレームさまぁ、いい方法がありますわ」
「本当か!?」
「えぇ。ギルドに行くのは危険ですけど、今ならまだ指名手配されていないはずなので大丈夫かと思うんですよね。ギルドへ行って、強そうな方をボディーガードとして雇い、徒歩で隣町まで一緒に行くという方法ですわ」
「天才だっ!!」
さすがシャーラだ。
俺のような楽をしたい人間の発想では思いつかなかった。
歩くのはしんどいが、頑張った先に未来がある。
よし、早速ギルドへ行き、なるべく強そうな人間をスカウトしよう。できれば女の子が良い。旅の最中にこっそりと口説けるし。
♢
「では、これから隣町へ徒歩で向かうのですね? なぜ歩くのか理由は尋ねませんが、僕も冒険の途中でしたので引き受けましょう」
「助かる! 前払制だったよな、五十万円でよろしく頼む」
「はい。もちろん承知かとは思いますが、依頼者側の理由で隣町への移動を断念した場合、もしくはキャンセルの際は返金はできませんが問題ありませんね?」
「あぁ、そこはしっかりと法律に従う」
相手が男性で真面目そうな冒険者だったのが残念だが、とにかくこれで一安心だ。
旅をしている冒険者ならば、外に生息している野獣などに負けることは滅多にないはず。
ちなみにもっと離れた地へ行くと、言葉を話す魔獣だって生息する。
そいつらは人間を餌にするが性格は温厚らしい。とはいえ餌は必要だ。
今のところは人間と魔獣間での取引で、重罪を犯した死刑執行の囚人を餌として提供している。
その代わりに人間の住む街へ危害を加えないという条約を結んでいるそうだ。
さて、いよいよ王都の出入口まで来たわけだが、何故か列ができている。何か珍しい薬草でも発見したのだろうか。
ここではあくまで野獣が入らないように警備しているだけなので、王都から外へ出るのには問題ない。
王都の外といっても、近くに薬草や食べ物を収穫できる場所もあるために人の出入りは多い。
だから身分証の提示はスルーなのだ。
「本日より国からの行政指示が加わりまして、王都から外へ出られる方全員にお願いをしていることがあります」
なんだこれは……少し前に似たようなことを聞いた気がするぞ。
まさか!?
「身分証の提示をお願いしております」
目の前にいる奴が身分証を提示していたので、俺もシャーラも顔が真っ青になってしまった。
「あ……あのさ、ちょっと悪いんだけど、この依頼なかったことにして良い?」
「別に構いませんが、ここまでの道のりも護衛に該当します。従って、返金はできませんが……」
「あーもうこの際構わん! とにかく急用ができたので失礼する」
大急ぎでシャーラを連れて列から離脱した。
一体、どこへ逃げれば良いのだ……。
そんな時に身分証明書などを提示すれば、ここにいますよってアピールするようなものだ。
身分証を持っていないとも口が裂けても言えるものか。
国の法律で、全員が身分証明書を持つ義務がある。
もしも持っていなかったり紛失した場合は即刻王宮の近くへ連れていかれる。
再発行をするか親族の迎えが来るまで待たされることになってしまうぞ……。
「あ、しまった! 金を忘れた! 後でまた来るから、じゃ。ソユコトデ……」
逃げるように大急ぎでこの場を離れた。
♢
これは異常事態だ。
概ね直径二十キロメートルの円形の王都だからそこまで広いわけではない。このままではいずれ捕まってしまうぞ……。
「ねぇ、ザグレームさまぁ、いい方法がありますわ」
「本当か!?」
「えぇ。ギルドに行くのは危険ですけど、今ならまだ指名手配されていないはずなので大丈夫かと思うんですよね。ギルドへ行って、強そうな方をボディーガードとして雇い、徒歩で隣町まで一緒に行くという方法ですわ」
「天才だっ!!」
さすがシャーラだ。
俺のような楽をしたい人間の発想では思いつかなかった。
歩くのはしんどいが、頑張った先に未来がある。
よし、早速ギルドへ行き、なるべく強そうな人間をスカウトしよう。できれば女の子が良い。旅の最中にこっそりと口説けるし。
♢
「では、これから隣町へ徒歩で向かうのですね? なぜ歩くのか理由は尋ねませんが、僕も冒険の途中でしたので引き受けましょう」
「助かる! 前払制だったよな、五十万円でよろしく頼む」
「はい。もちろん承知かとは思いますが、依頼者側の理由で隣町への移動を断念した場合、もしくはキャンセルの際は返金はできませんが問題ありませんね?」
「あぁ、そこはしっかりと法律に従う」
相手が男性で真面目そうな冒険者だったのが残念だが、とにかくこれで一安心だ。
旅をしている冒険者ならば、外に生息している野獣などに負けることは滅多にないはず。
ちなみにもっと離れた地へ行くと、言葉を話す魔獣だって生息する。
そいつらは人間を餌にするが性格は温厚らしい。とはいえ餌は必要だ。
今のところは人間と魔獣間での取引で、重罪を犯した死刑執行の囚人を餌として提供している。
その代わりに人間の住む街へ危害を加えないという条約を結んでいるそうだ。
さて、いよいよ王都の出入口まで来たわけだが、何故か列ができている。何か珍しい薬草でも発見したのだろうか。
ここではあくまで野獣が入らないように警備しているだけなので、王都から外へ出るのには問題ない。
王都の外といっても、近くに薬草や食べ物を収穫できる場所もあるために人の出入りは多い。
だから身分証の提示はスルーなのだ。
「本日より国からの行政指示が加わりまして、王都から外へ出られる方全員にお願いをしていることがあります」
なんだこれは……少し前に似たようなことを聞いた気がするぞ。
まさか!?
「身分証の提示をお願いしております」
目の前にいる奴が身分証を提示していたので、俺もシャーラも顔が真っ青になってしまった。
「あ……あのさ、ちょっと悪いんだけど、この依頼なかったことにして良い?」
「別に構いませんが、ここまでの道のりも護衛に該当します。従って、返金はできませんが……」
「あーもうこの際構わん! とにかく急用ができたので失礼する」
大急ぎでシャーラを連れて列から離脱した。
一体、どこへ逃げれば良いのだ……。
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