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4 【ザグレーム視点】身分証だと!?
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メアリーナはドジだった。
女を口説くことに関してだけは俺は完璧だ。メアリーナは特にチョロかった。
あいつは強い。更に名推理も加わり、過去に王子の命を救ったり、相当な功績を残してきたそうだ。
おまけに一流の貴族との繋がりもそこそこある。これほどの逆玉はないと思ってとにかく手放さないように努力した。
その後結婚して、ようやく俺も大きな財産を手に入れた。
だが調子に乗ってしまい、愛人のシャーラとよろしくやっていたのがあっさりとバレてしまった。
離婚とはいえ、メアリーナの財産もある程度俺のものになれば文句はないと思ったが、結果は違った。
まさか俺に残されたのは多額の損害賠償だけだとは……。
やはりメアリーナの頭はキレている。
もうダメかと思っていたが、メアリーナは肝心なところでアホをしたのだ。
まさか大量の金を保管している金庫部屋を放置していたとは……。
これはチャンスだと思い、テーブルに置かれていた百万円と、棚に飾ってある金の塊を可能な限り持ってシャーラと夜逃げすることにした。
国外に逃亡してしまえば俺たちを捕まえることなどできない。
だからこそ世界のどこでも換金できる金塊を奪えたのはでかい。
この国の金は他国じゃ使えないからな。
「シャーラ、夕方一番の馬車に乗り、まずは王都を脱出する。俺たちの力では王都から隣の町まで歩いてしまえば、野獣に喰われて死ぬ可能性の方が高いからな。護衛付きの馬車ならばほぼ安心だ」
「この百万円があって助かりましたわぁ。金魂はまだ換金しないんですの? これ、重くて……」
「あぁ、これは他国へ移動してから、その国の貨幣に換金した方がいい。円相場はあくまでこの国の貨幣だからな……」
「ザグレームさまったら頭が冴えてるぅ!」
当然だ。俺はドヤ顔をしてシャーラの頭を撫でた。
「だが、いいのか? シャーラまで犯罪者になってしまって」
「どうせ私なんて、ザグレーム様に拾ってもらわなかったら、今も身体を売ってしか生きれない生活でしたもの。それに、生涯ザグレームさまに付いていくって決めてますから」
やはり俺の人生は間違いではなかったようだ。
メアリーナと金目当てで結婚したおかげで、ついに心から愛せるシャーラを手に入れた。代償として犯罪者になってしまったかもしれないが、国外まで逃げてしまえば関係ないだろう。
人生バラ色にするために、まずは馬車のチケットを買いに向かった。
「夕方発、隣町行きの乗車券大人二枚くれ」
「かしこまりました。ですが、本日より国からの行政指示が加わりまして、乗車されるお客様全員にお願いをしていることがあります」
そんなことは初耳だ。今まではスンナリと切符を買えていたのに……。
あ、そうか。馬車の中で喧嘩したり葉巻を吸う奴がいたりするもんな。
そういう行為を禁止するように言われたのか。
「身分証の提示をお願いしております」
「「な!?」」
バカな……。
女を口説くことに関してだけは俺は完璧だ。メアリーナは特にチョロかった。
あいつは強い。更に名推理も加わり、過去に王子の命を救ったり、相当な功績を残してきたそうだ。
おまけに一流の貴族との繋がりもそこそこある。これほどの逆玉はないと思ってとにかく手放さないように努力した。
その後結婚して、ようやく俺も大きな財産を手に入れた。
だが調子に乗ってしまい、愛人のシャーラとよろしくやっていたのがあっさりとバレてしまった。
離婚とはいえ、メアリーナの財産もある程度俺のものになれば文句はないと思ったが、結果は違った。
まさか俺に残されたのは多額の損害賠償だけだとは……。
やはりメアリーナの頭はキレている。
もうダメかと思っていたが、メアリーナは肝心なところでアホをしたのだ。
まさか大量の金を保管している金庫部屋を放置していたとは……。
これはチャンスだと思い、テーブルに置かれていた百万円と、棚に飾ってある金の塊を可能な限り持ってシャーラと夜逃げすることにした。
国外に逃亡してしまえば俺たちを捕まえることなどできない。
だからこそ世界のどこでも換金できる金塊を奪えたのはでかい。
この国の金は他国じゃ使えないからな。
「シャーラ、夕方一番の馬車に乗り、まずは王都を脱出する。俺たちの力では王都から隣の町まで歩いてしまえば、野獣に喰われて死ぬ可能性の方が高いからな。護衛付きの馬車ならばほぼ安心だ」
「この百万円があって助かりましたわぁ。金魂はまだ換金しないんですの? これ、重くて……」
「あぁ、これは他国へ移動してから、その国の貨幣に換金した方がいい。円相場はあくまでこの国の貨幣だからな……」
「ザグレームさまったら頭が冴えてるぅ!」
当然だ。俺はドヤ顔をしてシャーラの頭を撫でた。
「だが、いいのか? シャーラまで犯罪者になってしまって」
「どうせ私なんて、ザグレーム様に拾ってもらわなかったら、今も身体を売ってしか生きれない生活でしたもの。それに、生涯ザグレームさまに付いていくって決めてますから」
やはり俺の人生は間違いではなかったようだ。
メアリーナと金目当てで結婚したおかげで、ついに心から愛せるシャーラを手に入れた。代償として犯罪者になってしまったかもしれないが、国外まで逃げてしまえば関係ないだろう。
人生バラ色にするために、まずは馬車のチケットを買いに向かった。
「夕方発、隣町行きの乗車券大人二枚くれ」
「かしこまりました。ですが、本日より国からの行政指示が加わりまして、乗車されるお客様全員にお願いをしていることがあります」
そんなことは初耳だ。今まではスンナリと切符を買えていたのに……。
あ、そうか。馬車の中で喧嘩したり葉巻を吸う奴がいたりするもんな。
そういう行為を禁止するように言われたのか。
「身分証の提示をお願いしております」
「「な!?」」
バカな……。
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