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4 ザザンガ視点 幼馴染と再会
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待ち合わせの喫茶店に僕が先に到着した。
先にコーヒーを注文してしばらく待っていると、店のドアが開き、大人びた容姿に成長したエイプリーが来た。
僕はエイプリーの面影をしっかり把握できたのだ。将来を誓い合った相手だし当然だ。
「エイプリー! 久しぶりだな!」
少し戸惑っていたようだが僕のことを認識してくれたようだ。こちらへ向かってくる。
「遅くなってすみません。ザザンガさんもお元気そうで何よりです」
国外に行っていたからなのか、もしくはお互いに会うのが十年以上経過しているからなのかはわからないが、エイプリーの口調が変わってしまった。
「昔みたいに敬語を使わないでフレンドリーに喋ってくれないだろうか?」
エイプリーはクスクスと笑いながら正面の椅子に座った。
「もうわたくしたちは十九ですよ。十五を過ぎたら大人扱いになるんですから、これからは大人の付き合いでいきましょう?」
これではまるで僕が怒られているみたいだ。それにエイプリーとの距離が空いてしまったみたいで嫌だった。
「でも、ザザンガさんは今のまま砕けてても構いませんからね」
僕の心境を察してくれたのか、エイプリーは優しく微笑む。
いや、そういうことではないだろう。
これから僕の妻になるわけだから、『旦那に従うまでです』とでも思ってくれているに違いない。
あぁ、なんて可愛いやつなんだ。
「帰ってくるなら連絡してくれたっていいじゃないか。遠く離れていても会話ができる魔道具くらいあっちの国でも持っていただろ?」
「ごめんなさい。色々と事情がありましたから、ザザンガさんには直接お話しして驚いてもらいたかったのです」
「エイプリーと再会できたことだけでも驚いているよ」
にこりと笑うエイプリーの容姿を眺めて、僕はもはやデレデレ状態だ。
本当に失礼だが、ジュリーンと比べたら云々の差である。
ジュリーンとは親同士が決めた結婚だったので仕方がないことだとは承知の上だが、やはり好きな人同士で結ばれた方が良いに決まっている。
エイプリーは準伯爵家だし、ジュリーンの家庭よりは階級は劣るが父上も文句は言わないはずだ。
「ふふ……そう言っていただけると嬉しいですね。では驚かせたかった本題を話しましょうか」
「あーちょっと待って。心の準備がまだなんだ……」
やばいやばいやばいやばい!
エイプリーに『昔誓った婚約を果たしましょう』とでも言われると考えただけで、僕の心が暴走してしまう。
「よ……よし。では思いっきり驚かせてくれよ!」
「えぇ、もちろんです。実は、第三王子のマーチル殿下との婚約が決まりましたので、こちらへ帰ってきたんです」
「へ!?」
んあ!? 今なんと言った!?
先にコーヒーを注文してしばらく待っていると、店のドアが開き、大人びた容姿に成長したエイプリーが来た。
僕はエイプリーの面影をしっかり把握できたのだ。将来を誓い合った相手だし当然だ。
「エイプリー! 久しぶりだな!」
少し戸惑っていたようだが僕のことを認識してくれたようだ。こちらへ向かってくる。
「遅くなってすみません。ザザンガさんもお元気そうで何よりです」
国外に行っていたからなのか、もしくはお互いに会うのが十年以上経過しているからなのかはわからないが、エイプリーの口調が変わってしまった。
「昔みたいに敬語を使わないでフレンドリーに喋ってくれないだろうか?」
エイプリーはクスクスと笑いながら正面の椅子に座った。
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これではまるで僕が怒られているみたいだ。それにエイプリーとの距離が空いてしまったみたいで嫌だった。
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いや、そういうことではないだろう。
これから僕の妻になるわけだから、『旦那に従うまでです』とでも思ってくれているに違いない。
あぁ、なんて可愛いやつなんだ。
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「ごめんなさい。色々と事情がありましたから、ザザンガさんには直接お話しして驚いてもらいたかったのです」
「エイプリーと再会できたことだけでも驚いているよ」
にこりと笑うエイプリーの容姿を眺めて、僕はもはやデレデレ状態だ。
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「よ……よし。では思いっきり驚かせてくれよ!」
「えぇ、もちろんです。実は、第三王子のマーチル殿下との婚約が決まりましたので、こちらへ帰ってきたんです」
「へ!?」
んあ!? 今なんと言った!?
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