3 / 70
3 おまえが勇者?
しおりを挟む
とりあえず、金なしの金をなんとかしなければ...
勇者の仕事ないでしょうか?
私は、昼はギルド、夜は酒場の店に顔を出してみる。
ーーー
「あんたが勇者!?ないない!」
そう言い放ったギルド長の俺の目には、驚きよりも、なに言ってるんだ?という純粋な疑問
彼女がいうには、今日国から発令されたばかりの勇者認定と魔王討伐の命令。
国はこの子が勇者が本物かなんて確認していないな。
魔王が復活した日に、偶然勇者が誕生した連絡が来たからただ命令出しただけだろ。
見ればわかる。どう見ても勇者じゃない。
しかも、あの当てにならない教会からは勇者討伐に行けと丸腰で追い出される。
こりゃ、教会の内部も、国もどうしようもなく腐ってやがる。
金も武器もパーティも討伐経験もない。
服に至っては、ただの神官服の女の子。
聖女認定試験を受けたわけだから18歳というが、見た目はかなり痩せて小柄。
18歳?そんな歳には見えない。
ちゃんと食ってるのか?
とりあえず、困っているのはわかるので話は聞いたが...
特技は家事と育児?
勇者スキルって何だそれ?って聞かれたぞ
うん、勇者の仕事はない。
「とりあえず、お金を稼がないと……何か仕事、ありませんか?」
震える声で言いやがる。
正直、酒場兼ギルドの片隅にあるこのボロボロの木の看板の下で、そんなこと言う奴はただのアホだ。
この辺は治安も悪い。
そんな若い女の子が「私は勇者だ!」なんて言ってみろ。
嘲笑されるのがオチだ。
「住むところがない」って言えば、女の子だしな。
ろくでもない奴らに絡まれて終わりだ。
「うちで雇ってやってもいいが、国からは『魔王討伐に行け』って言われてる書面もあるんだろう。止めたら国家反逆罪だ。」
そう言いながらも、体を見てみる。
こいつの腕も体も細すぎて、剣なんて持ち上げられるかどうか怪しいくらいだ。棒みたいじゃねえか。
このまま放り出したら、魔王じゃなくて人間にやられる可能性が高い。
「一晩くらい泊めてやるのは構わねえが……未婚の若い娘を泊めるのは後が怖えんだよなぁ……」
悩んでいるとき、ふといい考えが浮かんだ。
「紹介状を書いてやる。勇者で魔王討伐なら抜群の仕事だ。そこでまず話をして、雇ってもらえ。ほとぼりが冷めるまでは絶対帰ってくんなよ。」
俺は店の奥から鳥籠を持ってきた。
中には真っ黒な鳥が一羽。
艶やかな黒い目がダイヤのように輝いている。
「カラス?」
「違う。これは俺がとあるお方と連絡を取るときに使う伝書鳥だ。悪い人じゃねえ。この人なら経済力もあって、人望もある。信頼されてる。なんとかしてくれるはずだ。」
鳥の足につけたカプセルに羊皮紙を入れると、カプセルはポンッと煙とともに消えた。誰も気づかない。
「ほら、さっさと行け。あの鳥を追いかけろ!」
「えっ、あの鳥?」
「そうだ、見失ったら終わりだ!」
女の子は慌ててお礼を言い、黒い鳥を追いかけていった。
酒場の客の中には女を追いかけようとする奴もいた。
チョイ
引っ掛けてみる。
客は足がもつれて動けない。
「お客さん、飲みすぎじゃねえか?」
俺は床に転がる男たちに声をかけ、心の中でつぶやいた。
「うまくやれよ、お嬢ちゃん。」
勇者の仕事ないでしょうか?
私は、昼はギルド、夜は酒場の店に顔を出してみる。
ーーー
「あんたが勇者!?ないない!」
そう言い放ったギルド長の俺の目には、驚きよりも、なに言ってるんだ?という純粋な疑問
彼女がいうには、今日国から発令されたばかりの勇者認定と魔王討伐の命令。
国はこの子が勇者が本物かなんて確認していないな。
魔王が復活した日に、偶然勇者が誕生した連絡が来たからただ命令出しただけだろ。
見ればわかる。どう見ても勇者じゃない。
しかも、あの当てにならない教会からは勇者討伐に行けと丸腰で追い出される。
こりゃ、教会の内部も、国もどうしようもなく腐ってやがる。
金も武器もパーティも討伐経験もない。
服に至っては、ただの神官服の女の子。
聖女認定試験を受けたわけだから18歳というが、見た目はかなり痩せて小柄。
18歳?そんな歳には見えない。
ちゃんと食ってるのか?
とりあえず、困っているのはわかるので話は聞いたが...
特技は家事と育児?
勇者スキルって何だそれ?って聞かれたぞ
うん、勇者の仕事はない。
「とりあえず、お金を稼がないと……何か仕事、ありませんか?」
震える声で言いやがる。
正直、酒場兼ギルドの片隅にあるこのボロボロの木の看板の下で、そんなこと言う奴はただのアホだ。
この辺は治安も悪い。
そんな若い女の子が「私は勇者だ!」なんて言ってみろ。
嘲笑されるのがオチだ。
「住むところがない」って言えば、女の子だしな。
ろくでもない奴らに絡まれて終わりだ。
「うちで雇ってやってもいいが、国からは『魔王討伐に行け』って言われてる書面もあるんだろう。止めたら国家反逆罪だ。」
そう言いながらも、体を見てみる。
こいつの腕も体も細すぎて、剣なんて持ち上げられるかどうか怪しいくらいだ。棒みたいじゃねえか。
このまま放り出したら、魔王じゃなくて人間にやられる可能性が高い。
「一晩くらい泊めてやるのは構わねえが……未婚の若い娘を泊めるのは後が怖えんだよなぁ……」
悩んでいるとき、ふといい考えが浮かんだ。
「紹介状を書いてやる。勇者で魔王討伐なら抜群の仕事だ。そこでまず話をして、雇ってもらえ。ほとぼりが冷めるまでは絶対帰ってくんなよ。」
俺は店の奥から鳥籠を持ってきた。
中には真っ黒な鳥が一羽。
艶やかな黒い目がダイヤのように輝いている。
「カラス?」
「違う。これは俺がとあるお方と連絡を取るときに使う伝書鳥だ。悪い人じゃねえ。この人なら経済力もあって、人望もある。信頼されてる。なんとかしてくれるはずだ。」
鳥の足につけたカプセルに羊皮紙を入れると、カプセルはポンッと煙とともに消えた。誰も気づかない。
「ほら、さっさと行け。あの鳥を追いかけろ!」
「えっ、あの鳥?」
「そうだ、見失ったら終わりだ!」
女の子は慌ててお礼を言い、黒い鳥を追いかけていった。
酒場の客の中には女を追いかけようとする奴もいた。
チョイ
引っ掛けてみる。
客は足がもつれて動けない。
「お客さん、飲みすぎじゃねえか?」
俺は床に転がる男たちに声をかけ、心の中でつぶやいた。
「うまくやれよ、お嬢ちゃん。」
30
あなたにおすすめの小説
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています
放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。
希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。
元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。
──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。
「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」
かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着?
優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。
酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜
鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。
そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。
秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。
一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。
◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。
モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】
いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。
陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々
だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い
何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています
木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。
少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが……
陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。
どちらからお読み頂いても話は通じます。
偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて
奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】
※ヒロインがアンハッピーエンドです。
痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。
爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。
執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。
だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。
ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。
広場を埋め尽くす、人。
ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。
この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。
そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。
わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。
国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。
今日は、二人の婚姻の日だったはず。
婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。
王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。
『ごめんなさい』
歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。
無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる