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2 おまえは勇者
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「今まで手塩にかけて育ててやったというのに! 教会から聖女が出ず、よりによって勇者とは、大恥だな!」
ガブリエル神父、ご立腹。顔は真っ赤。
「でも私、強くないですし!戦闘経験ゼロですし!ていうか勇者の剣とか、装備も何も持ってないんですけど!」
たぶん、なにかの間違いだと思います――
と言いかけたところで、
「バカがァ!!」
怒鳴り声で脳が揺れた。
ガブリエル、沸点突破。
(私、ただ勇者のくじを引き当てただけですよぉ!!)
「剣が一本、いくらすると思ってる!? 勇者なら、自分でどこかで引き当てるくらいしてみろ!」
「どこかって、どこですか……?」
涙目の私、リン。
うー!泣きたいよ。
なんで私勇者のくじを引き当てたのに、剣までどっかで引き当てなきゃならないんですか!!
今日の試験の準備、誰よりも頑張ったの、私ですからね!
名簿作って、
会場設営して、
整理券配って、
クッキー焼いて売って、
紙吹雪切って、
落ちた人の慰め役までこなしたんですよ!?
しかも最近、水晶チカチカしてて神力不足っぽかったのに――勇者なんて絶対水晶エラー。
その水晶が、最近、聖女判定ラッシュしてるのがそもそもおかしくないですか!?
選ぶ基準もわからない。
聖女なのにその顔でいいんですか!?
がっつり整形してるでしょ。
そのボインで!? 白ワンピに体が入ってませんけど!?
10Lまでしか用意してないんですよ!?
いくらなんでも聖女のガタイ良すぎですって。
そんな疑惑の聖女たちが大量発生した挙句、私は聖女を選ぶ水晶でなぜか勇者認定なんて!?
ねぇ、これ誰のせい!?
これ、やさぐれていい案件ですよね!?
ねぇ神父!!!
「これまで育ててやった恩も忘れて、教会の役にも立たず、勇者なんて魔王がいないと使えないくせに、この恩知らずがぁ!!」
こんなに教会に尽くしたのに...
ひどい!うるさい!もう知らない!!
誰か助けて!……そこの聖女像!!
ちょっとでいいから手を貸して!!
ガブリエル神父の後ろに、鈍い金色に光る聖女様ーー
わたしはやっぱり聖女の間違えだったと言って!
そのとき、部屋のドアがノックされた。
「神父様~、言われたとおり、リンの荷物持ってきました~」
神官見習いのカレンだ。
神父の前だと猫なで声を出す。
こうやって、人よりいつもいい待遇でご飯にありついたり、ふかふかのベッドで眠ったりするんだ。
「カレン、手間をかけたな。今日は疲れただろう」
いやらしいガブリエル神父の手が、すでにカレンの腰に回っている。
「いえ、神父様こそ。あ、それと国から電報が届いてましたよ。」
カレンは女性らしい体を武器に、ガブリエル神父にすり寄る。
くっそー!!私だって胸さえあれば!!
すり寄るどころかすりつぶしてご飯にありつくのに!!
「おっ、聖女認定試験の労いの言葉かな?」
神父とカレンはにやにやしながら電報を開ける。
なにその予定調和。気持ち悪い。
ちらっとこっちを見る二人の目がいやらしい
――そして、ガブリエルが電報を開いた瞬間。
「なに!? 魔王が復活しただと!!」
ガブリエル神父の目が泳ぎ固まる。
「……え??」
「よかったな、リン! 国からだ! 早速、討伐に向かえと!」
ガブリエル神父は、魔王復活の文字に関わりたくなさそうな顔をする。
ぽいっ
「うそでしょ!? ちょっ、えっ?あの、私なんで荷物ごと外に出されてるんでしょうか?」
「魔王倒して金になるまで、戻ってくるなよ!」
門が、バタンと閉じる。
いや、返事になってないよ...嘘でしょ。
私は今、教会の外。
荷物ひとつと心細さ満点で立ち尽くしていた。
街の人通りはもうまばら。空も薄暗くなってきてる。
――……これ、どうすんの。
もしかして、
もしかしなくても私、家無し金なし何もなしなんですけど。
私は途方に暮れた
ガブリエル神父、ご立腹。顔は真っ赤。
「でも私、強くないですし!戦闘経験ゼロですし!ていうか勇者の剣とか、装備も何も持ってないんですけど!」
たぶん、なにかの間違いだと思います――
と言いかけたところで、
「バカがァ!!」
怒鳴り声で脳が揺れた。
ガブリエル、沸点突破。
(私、ただ勇者のくじを引き当てただけですよぉ!!)
「剣が一本、いくらすると思ってる!? 勇者なら、自分でどこかで引き当てるくらいしてみろ!」
「どこかって、どこですか……?」
涙目の私、リン。
うー!泣きたいよ。
なんで私勇者のくじを引き当てたのに、剣までどっかで引き当てなきゃならないんですか!!
今日の試験の準備、誰よりも頑張ったの、私ですからね!
名簿作って、
会場設営して、
整理券配って、
クッキー焼いて売って、
紙吹雪切って、
落ちた人の慰め役までこなしたんですよ!?
しかも最近、水晶チカチカしてて神力不足っぽかったのに――勇者なんて絶対水晶エラー。
その水晶が、最近、聖女判定ラッシュしてるのがそもそもおかしくないですか!?
選ぶ基準もわからない。
聖女なのにその顔でいいんですか!?
がっつり整形してるでしょ。
そのボインで!? 白ワンピに体が入ってませんけど!?
10Lまでしか用意してないんですよ!?
いくらなんでも聖女のガタイ良すぎですって。
そんな疑惑の聖女たちが大量発生した挙句、私は聖女を選ぶ水晶でなぜか勇者認定なんて!?
ねぇ、これ誰のせい!?
これ、やさぐれていい案件ですよね!?
ねぇ神父!!!
「これまで育ててやった恩も忘れて、教会の役にも立たず、勇者なんて魔王がいないと使えないくせに、この恩知らずがぁ!!」
こんなに教会に尽くしたのに...
ひどい!うるさい!もう知らない!!
誰か助けて!……そこの聖女像!!
ちょっとでいいから手を貸して!!
ガブリエル神父の後ろに、鈍い金色に光る聖女様ーー
わたしはやっぱり聖女の間違えだったと言って!
そのとき、部屋のドアがノックされた。
「神父様~、言われたとおり、リンの荷物持ってきました~」
神官見習いのカレンだ。
神父の前だと猫なで声を出す。
こうやって、人よりいつもいい待遇でご飯にありついたり、ふかふかのベッドで眠ったりするんだ。
「カレン、手間をかけたな。今日は疲れただろう」
いやらしいガブリエル神父の手が、すでにカレンの腰に回っている。
「いえ、神父様こそ。あ、それと国から電報が届いてましたよ。」
カレンは女性らしい体を武器に、ガブリエル神父にすり寄る。
くっそー!!私だって胸さえあれば!!
すり寄るどころかすりつぶしてご飯にありつくのに!!
「おっ、聖女認定試験の労いの言葉かな?」
神父とカレンはにやにやしながら電報を開ける。
なにその予定調和。気持ち悪い。
ちらっとこっちを見る二人の目がいやらしい
――そして、ガブリエルが電報を開いた瞬間。
「なに!? 魔王が復活しただと!!」
ガブリエル神父の目が泳ぎ固まる。
「……え??」
「よかったな、リン! 国からだ! 早速、討伐に向かえと!」
ガブリエル神父は、魔王復活の文字に関わりたくなさそうな顔をする。
ぽいっ
「うそでしょ!? ちょっ、えっ?あの、私なんで荷物ごと外に出されてるんでしょうか?」
「魔王倒して金になるまで、戻ってくるなよ!」
門が、バタンと閉じる。
いや、返事になってないよ...嘘でしょ。
私は今、教会の外。
荷物ひとつと心細さ満点で立ち尽くしていた。
街の人通りはもうまばら。空も薄暗くなってきてる。
――……これ、どうすんの。
もしかして、
もしかしなくても私、家無し金なし何もなしなんですけど。
私は途方に暮れた
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