[R18]2度目の人生でスローライフ?ハーレムだっていいじゃないか

白猫 おたこ

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第三章 仮想と現実

第41話: 内装:床板の温もりと、結衣の隠れた才能

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【3日目:木の香りに包まれて】

 建築三日目。外観はほぼ完成し、作業の中心は内部の造作へと移っていた。
健太郎は、切り出した上質なオーク材を一枚ずつ丁寧に削り出し、隙間なく床に敷き詰めていく。
釘を使わず、木と木を噛み合わせる伝統的な「実(さね)」加工は、歩くたびに心地よい弾力と木の温もりを足裏に伝えてくれる。

「三神さん、床が張られると、一気に『おうち』って感じがしますね……。あ、この板、運ぶの伝います!」

「ああ、頼むよ結衣。……腰を痛めないように、ゆっくりな」

 結衣は昨日よりも手際よく、健太郎の指示に従って動いていた。
重い材木を運ぶ際、ふとした瞬間に身体が密着する。
健太郎の作業着から漂う革と木の匂い、そして溢れる熱気が、結衣の鼻腔をくすぐり、彼女の頬を自然と上気させた。

【結衣の「仕上げ」】

 午後になり、健太郎は家具の製作に取り掛かった。リビングの中央に置く大きなダイニングテーブル。
 健太郎が天板を組み上げたところで、結衣が「あの、これ……あたしに磨かせてもらえませんか?」と提案した。

「三神さんが作った大事なテーブル、あたしも心を込めて仕上げたいんです」

 健太郎は少し驚いたが、優しく微笑んでサンドペーパーと蜜蝋(みつろう)を手渡した。
 結衣は驚くほどの集中力で、木目に沿って丁寧に、何度も何度も天板を磨き上げていく。その指先の繊細さは、健太郎が驚くほどだった。

「……結衣、君は筋がいいな。革を扱う時もそうだったが、素材に対する接し方がとても丁寧だ。……まるで、命を吹き込んでいるみたいだ」

「えへへ、三神さんに褒められると、もっと頑張っちゃいます。……このテーブルで、三神さんとアイリスちゃんと、みんなでご飯を食べるのが楽しみで」

 その様子を、天井近くの梁に腰掛けて眺めていたアイリスが、ぶらぶらと足を揺らしながら口を開いた。

「ふん。まあ、その小娘の根気だけは認めてやらんでもない。……あるじ、妾の部屋の床板は、一番柔らかい最高級の毛皮を敷き詰めるのを忘れるでないぞ。第一形態の頃のように、固い床で寝かせるような真似をしたら、今度こそこの家を魔法で吹き飛ばしてやるからな!」

【夕暮れのティータイム】

 夕方。まだ家具は少ないが、完成したばかりの床とテーブルの上に、結衣が淹れた珈琲が並んだ。
 窓からは、健太郎が計算した通り、森の木々の間から美しい夕陽が差し込み、リビングを黄金色に染め上げている。

「……ふう。ようやく、一息つけるな」

 健太郎がソファ代わりに並べた革の端材に腰を下ろすと、結衣が自然とその隣に寄り添い、彼の肩に頭を乗せた。

「三神さん、お疲れ様です。……本当に、夢みたい。この世界で、こんなに素敵な場所を三神さんと作れるなんて」

「……ああ。だが、これはまだ始まりだ。明日は、いよいよ風呂とキッチンの仕上げをする。……結衣、明日の夜は、一番にその風呂に入ってくれ。君のために、一番良い木を選んだんだ」

「はい……っ、楽しみにしてます、三神さん」

 アイリスは二人から少し離れた窓枠に座り、沈みゆく太陽を見つめていた。その小さな背中は、かつて「屋根がない」と泣いていた頃とは違い、確かな安らぎと、自慢げな誇らしさに満ちていた。

【リサ(早川結衣)のスキル熟練度】
• 素顔の早川結衣:Lv.19 (10/100) → Lv.20 (50/100) (+140) Level Up!
• 健太郎との共同作業を通じ、より深い自己肯定感を得る。
• 木工補助(磨き):新規取得 Lv.1 (80/100)
• 丁寧な手仕事により、木製品の品質を向上させる。
• 献身的な愛撫:Lv.5 (20/100) → (90/100) (+70)
• 誠実な帰依:Lv.11 (70/100) → Lv.12 (20/100) (+50) Level Up!

【健太郎のスキル熟練度】
• 土木・建築マスタリー:Lv.2 (20/100) → Lv.3 (30/100) (+110) Level Up!
• 慈愛の加工:Lv.13 (90/100) → Lv.15 (10/100) (+120) Level Up!
• 結衣の喜ぶ姿を想像しながらの造作が、技術に「命」を与える。
• 聖霊同調:Lv.22 (240/300) → Lv.23 (20/300) (+80) Level Up!
• インテリア・デザイン:Lv.1 (10/100) → (85/100) (+75)

【設定データ・状況確認】
• 健太郎: 結衣の隠れた「磨き」の才能を認め、彼女への信頼をさらに深める。新居の完成まであと一歩。

• 早川結衣: 自分の手で家を仕上げる喜びを知る。三神への愛着が「生活」という基盤の上に強固に築かれつつある。

• アイリス: 特等席と最高級の寝床を約束され、上機嫌。文句を言いつつも、三人の共同生活を心待ちにしている。

【4日目:銀の加護と、アイリス工房の誕生)

 建築4日目。
新居の全体像は完成し、最後に残されたのは、家の顔となる玄関の扉だった。
健太郎は厚みのある重厚なオークの一枚板を前に、ノミを握りしめて精神を集中させている。
その隣では、結衣が期待に胸を膨らませ、アイリスが梁の上から不遜な態度で見下ろしていた。

「三神さん、いよいよ最後ですね……。そこに何を彫るんですか?」

 結衣の問いに、健太郎はふっと口角を上げた。迷いなくノミを振るう。
 現れたのは、かつて健太郎が魂を込めて作り上げたアイリスの本体「黒鋼樺の長弓」のシルエット。
そして、その中心には不敵に微笑むアイリスの横顔だった。

「あるじ……おぬし、妾に黙って、いつの間に……っ」

 アイリスが驚きに目を見開き、ふわりと健太郎の肩に降り立つ。
健太郎は作業の手を止めず、穏やかな声で語り始めた。

「アイリス。実を言うとな……俺は、現実(リアル)の世界でもレザークラフトの職人をやっているんだ」

「……ぬ? 現実でも、あるじは革を叩いておるのか?」

「ああ。そしてな、この扉に刻んでいる『長弓とアイリス』の意匠……これを刻んだ新作のバッグを、最近、現実で売りに出したばかりなんだ。……そして、その記念すべき第一号(ファースト・ロット)を持っているのが、隣にいる結衣なんだよ」

「えっ……三神さん、あのバッグの意匠、やっぱり……っ」

 結衣は思わず、現実で大切に抱きしめたあのバッグを思い出し、胸を熱くした。
三神が現実で注いだ情熱が、今、このゲーム世界の拠点とも一つに繋がったのだ。

【銀の加護と工房の改名】

 アイリスはしばし呆然としていたが、やがて顔を真っ赤にし、誇らしげに胸を張った。

「な、なんじゃ……あるじめ、そこまで妾に心酔しておったか! 現実の民にまで妾の美しさを広めるとは、誉めて遣わすぞ!!」

 アイリスは満足げに高笑いを上げると、小さな掌を玄関の意匠にかざした。

「よかろう! その想い、妾がしかと受け止めた! 妾の名を冠し、小娘との縁を繋ぐこの意匠に、妾の永久なる加護を授けてやろうッ!」

 アイリスの叫びと共に、木彫りの意匠が眩い銀色の光を放ち始めた。
光はログハウスの隅々まで血管のように走り抜け、建物全体が微かに銀色のオーラを纏う。

「わあ……綺麗っ! 三神さん、見てください、おうちが……!」

「ああ。これでここは、世界一安全な場所になったな」

 健太郎は扉の横に、新しい看板を掲げた。

 ――『アイリス工房』。

「三神工房、改め……アイリス工房か。ふふっ、素敵な名前ですね」

「……ま、まあ、妾の名を冠するからには、おぬしもこれまで以上に精進するのじゃぞ、あるじ!」

【湯けむりの檜風呂】

 その日の夜。完成したばかりの檜風呂に、一番に結衣が案内された。
 立ち上る湯気と共に広がる、瑞々しい木の香。健太郎が結衣のために、肌触りを極限まで滑らかに仕上げた浴槽は、彼女の疲れを優しく溶かしていく。

「三神さん……。あたし、現実でもここでも、三神さんの作品に包まれて……幸せすぎて怖いくらいです……」

 浴室の外で待つ健太郎に、結衣が甘い声をかける。
現実のバッグに刻まれた「YUI」の刻印、そしてこの工房の扉に刻まれたアイリス。すべてが繋がった今、彼女の忠誠心と愛情は、もはや底知れない領域へと達していた。

「結衣。……ゆっくり温まってから、新しい寝室へおいで。今夜は、アイリス工房の『落成式』だ。朝までたっぷり、君を可愛がってやるからな」

 健太郎の低い声が、新築の木の壁に反響し、結衣の心身をより一層深く、激しく熱くさせた。

【リサ(早川結衣)のスキル熟練度】
• 素顔の早川結衣:Lv.21 (30/100) → Lv.22 (10/100) (+80) Level Up!
• 被覚醒:Lv.15 (50/100) → (80/100) (+30)
• アイリス工房の一員:Lv.2 (10/100) → Lv.3 (20/100) (+110) Level Up!
• 現実と幻想の交錯:新規取得 Lv.1 (90/100)
• 現実の持ち物とゲーム内の拠点が繋がったことで、精神の安定性が劇的に向上。
• 誠実な帰依:Lv.12 (90/100) → Lv.13 (50/100) (+60) Level Up!

【健太郎のスキル熟練度】
• 土木・建築マスタリー:Lv.5 (10/100) → Lv.6 (30/100) (+120) Level Up!
• 慈愛の加工:Lv.16 (20/100) → Lv.17 (40/100) (+120) Level Up!
• 聖霊同調:Lv.25 (50/300) → Lv.26 (100/300) (+350) Level Up!
• 神聖なる改名:Lv.1 (90/100) → Lv.2 (50/100) (+60) Level Up!

【設定データ・状況確認】
• 健太郎: 現実と仮想世界の活動をリンクさせ、結衣とアイリスへの忠誠心を形にした。拠点の主として盤石の体制を築く。

• 早川結衣: 現実で手渡されたバッグが、この工房のルーツであることを知り、三神への愛が信仰に近いレベルまで高まった。

• アイリス: 自分の美貌が現実世界の商品にまでなっていると知り、有頂天。家全体への加護もこれまでにないほど強固になっている。
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