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中庭で
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「……あやつ……戻って来ないじゃないのっ」
わたしは中庭のベンチにて後輩が来るのを待っていた。
相談にのって欲しいと頼まれ、じゃあランチを食べながら聞こうじゃないかという事になったのだけど、その後輩が食堂にパンを買いに行ったっきり戻って来ないのだ。
ーーどうしよう、昼休憩終わっちゃうわ。もう食べようか。
そう思い持参したランチボックスから手製のサンドイッチを取り出した。
「いっただきま~す」
と言ってからわたしがサンドイッチを頬張ろうとしたその時、
「リゼカ?」
と、聞き覚えのある声で呼ばれた。
「……レオンっ……」
まさかのレオンが驚いた表情でわたしを見ていたのだ。
驚いたのはわたしも一緒である。
この時間、レオンは哨戒に出ている筈。
顔を合わせる事はないだろうと安心しきっていた。
レオンが足早にこちらに向かって来る。
そしてベンチに座るわたしの目の前に立った。
「リゼカ、昼食か?珍しいな中庭で食べるなんて」
「う、うん。食堂に近いから……ホントは後輩と食べるはずだったんだけど、彼女食堂から戻って来なくって……」
わたしはサンドイッチを持ったままレオンに言う。
「レ、レオンは哨戒……?」
「今日は他班に急病人が出てシフトが変わったんだ。さっき王宮に戻ったところだよ」
「そっか」
なるほど、よく見れば哨戒の時に身につける肩と上腕を保護する武具を身につけている。
「……レオン、ランチは?」
一応訊いてみると、レオンは肩を竦めて答えた。
「シフトがズレたからな、今日はまだだ」
「……ローストポークサンド……食べる?」
「食べたい」
「ぷっ、ふふ、即答ね」
「リゼカの作るものはなんでも旨いからな。さっきからランチボックスの中身に心惹かれていた」
「ふふっ」
嬉しい事を言ってくれる。
わたしはランチボックスからペーパーナフキンとサンドイッチを取り出してレオンに差し出した。
「はいどうぞ」
「ありがとう」
思いがけずレオンとランチを一緒にする事になってしまった。
まぁ……少しくらい良いよね。
わたしとレオンはたわいもない話しをしながら一緒にサンドイッチを食べた。
持参した水筒からお茶を注いでレオンに渡す。
「はい」
「ん。やっぱりリゼカは料理上手だな」
「お祖父さんと二人暮らしだったからね。必要に迫られてだよ」
「そうか……そうだな。きっとリゼカはいい嫁さんに……
レオンがわたしに何かを言おうとしたその時、
中庭に涼やかな美しい声が響いた。
「あら?レオン、何してるの?そんな所で」
「……っ!」
声がした方を見て、わたしは思わず息を呑んだ。
レオンがその人の名を口にする。
「サーラ」
そこには、レオンの大切なあの人が立っていた。
レオンと同じ哨戒班のメンバーと共に。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
短めの更新でごめんなさい。
投稿プラス二つの書籍化の作業のかけもちとなりました。
(大変だけど嬉しい悲鳴。早く告知解禁になって欲しい……)
その為、10話で終わらせるつもりでしたが小刻みに投稿する事になり、少し話数が伸びそうです。
でも必ず毎日更新、絶対完結をお約束しますので
よろしくお付き合い頂けますと幸いです。
(〃ω〃)♡
わたしは中庭のベンチにて後輩が来るのを待っていた。
相談にのって欲しいと頼まれ、じゃあランチを食べながら聞こうじゃないかという事になったのだけど、その後輩が食堂にパンを買いに行ったっきり戻って来ないのだ。
ーーどうしよう、昼休憩終わっちゃうわ。もう食べようか。
そう思い持参したランチボックスから手製のサンドイッチを取り出した。
「いっただきま~す」
と言ってからわたしがサンドイッチを頬張ろうとしたその時、
「リゼカ?」
と、聞き覚えのある声で呼ばれた。
「……レオンっ……」
まさかのレオンが驚いた表情でわたしを見ていたのだ。
驚いたのはわたしも一緒である。
この時間、レオンは哨戒に出ている筈。
顔を合わせる事はないだろうと安心しきっていた。
レオンが足早にこちらに向かって来る。
そしてベンチに座るわたしの目の前に立った。
「リゼカ、昼食か?珍しいな中庭で食べるなんて」
「う、うん。食堂に近いから……ホントは後輩と食べるはずだったんだけど、彼女食堂から戻って来なくって……」
わたしはサンドイッチを持ったままレオンに言う。
「レ、レオンは哨戒……?」
「今日は他班に急病人が出てシフトが変わったんだ。さっき王宮に戻ったところだよ」
「そっか」
なるほど、よく見れば哨戒の時に身につける肩と上腕を保護する武具を身につけている。
「……レオン、ランチは?」
一応訊いてみると、レオンは肩を竦めて答えた。
「シフトがズレたからな、今日はまだだ」
「……ローストポークサンド……食べる?」
「食べたい」
「ぷっ、ふふ、即答ね」
「リゼカの作るものはなんでも旨いからな。さっきからランチボックスの中身に心惹かれていた」
「ふふっ」
嬉しい事を言ってくれる。
わたしはランチボックスからペーパーナフキンとサンドイッチを取り出してレオンに差し出した。
「はいどうぞ」
「ありがとう」
思いがけずレオンとランチを一緒にする事になってしまった。
まぁ……少しくらい良いよね。
わたしとレオンはたわいもない話しをしながら一緒にサンドイッチを食べた。
持参した水筒からお茶を注いでレオンに渡す。
「はい」
「ん。やっぱりリゼカは料理上手だな」
「お祖父さんと二人暮らしだったからね。必要に迫られてだよ」
「そうか……そうだな。きっとリゼカはいい嫁さんに……
レオンがわたしに何かを言おうとしたその時、
中庭に涼やかな美しい声が響いた。
「あら?レオン、何してるの?そんな所で」
「……っ!」
声がした方を見て、わたしは思わず息を呑んだ。
レオンがその人の名を口にする。
「サーラ」
そこには、レオンの大切なあの人が立っていた。
レオンと同じ哨戒班のメンバーと共に。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
短めの更新でごめんなさい。
投稿プラス二つの書籍化の作業のかけもちとなりました。
(大変だけど嬉しい悲鳴。早く告知解禁になって欲しい……)
その為、10話で終わらせるつもりでしたが小刻みに投稿する事になり、少し話数が伸びそうです。
でも必ず毎日更新、絶対完結をお約束しますので
よろしくお付き合い頂けますと幸いです。
(〃ω〃)♡
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