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64話 だから、ここはどこ?
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風の大精霊の力でフェリーはスイスイと進んだ。最早波の上を浮いていると言ってもいいくらいだ。
しかも半端ないスピードだった為、中に居た人達に気づかれてしまった。そりゃそうだな、時々波の上をバウンドしてるからな。
大型フェリーが高速で波をバウンドしながら進む、気がつかない方がおかしい。
「何だこれは」
「いったい何が起こってるんだ」
出てきた人達は目を見開いて驚愕していた。
うぅむ、マズイな、タウさんに怒られる案件だろうか?もう、早くどっかの岸に着けて去りたい。ここ何処だよ、俺は帰りたい。
「これは一体何が起こっているのですか?鹿野さん何かご存知ですか」
船長に詰め寄られた。困ったー。
「えぇ……と、あれですね。アレは、か、風の……」
「風の神様だよ、風の神様が助けてくれたんだ」
言い淀んだ俺を助けるように少年、洸太君が言った。
「何を馬鹿な事を、子供は黙っていなさい」
近くのおっさんが洸太くんを嗜めようとした時、お婆さんが口を挟んだ。
「馬鹿を言ってるのは貴方ですよ、どう見ても人の力ではない、神様の助け以外に有り得ません。貴方は神様を信じていないのですか? 私は毎日神棚にも仏壇にも手を合わせていますよ? 若い人らは自分の足で歩き始めると直ぐに神様の存在を忘れてしまう、全て自分で出来ると思ってしまう。貴方は元旦に初詣に行きませんか? 成人式は? 結婚式は? 身内が亡くなってお葬式をしませんでしたか? 人は心の奥では信じているものなのですよ」
お婆さんの声はそんなに大きくなかったのだが、そこに居た皆が静かに聞いていた。
「日本に神風が吹くのはよくある事ですよ」
お婆さんは言い切った。
そ、そうなのか。神風よくあるのか、気がつかなかった。
大人達の中で反論する者はいなかったが、完全な納得でなかったようだ。首を傾げつつも結局皆、何かに縋りたいのだろう。
「お婆ちゃん」
洸太君が嬉しそうにお婆さんと手を繋いでいた。
「あ、それでですね、神様が風を吹かせてフェリーを進めているうちに降りる準備をしておいてください。船長さん、フェリーを着けれそうな港を見つけたら……ええと、教えてください……、あの、神様に伝えますので」
皆はデッキから中へと入っていった。そこに残ったのは洸太君と彼の家族だった。
「父さん、僕もう少しここに居たい」
「え、あぁ、うん? 神様の邪魔はするなよ?」
洸太くんの父親は半信半疑で変な顔をしつつも、息子を信じてはいたようだ。
船長からの指示を伝える船員の男性もひとり、そこに残った。
「物凄いスピードですね。流石は神風です。フェリーと言うよりも高速船か、水中翼船のようですね」
「風の神様だもん」
「洸太君は見たの?」
「うん、一瞬だけ。直ぐに見えなくなった」
え?そうなの?さっきそこで風を操っていたんだけど、姿消しの魔法とかあるのか?
ゲームでは普通に皆、見えてたよな?風の精霊は白、火の精霊は赤、水の精霊は青、土の精霊は……黄色だったか。
「へええ、いいなぁ。どんなだった?」
洸太君は一瞬俺を見たが、特に俺が止めなかったので話し始めた。
「ええとね、透明に近い霧の塊みたいだった。結構大きいの」
「雷神風神みたいなのでは無いのか。塊かぁ、人型じゃないんだ?」
うちの精霊は透き通る様な人型の精霊なんだが、あ、もしかして洸太君は俺が隠そうとした事に気がついて、適当に合わせてくれているにかもしれない。
それにしてもスイスイ、グイグイ、ビュンビュン進むなぁ。何処まで行くのかちょっと不安になった。
「あの、船長からの連絡はまだ?」
かなり不安だぞ?このままだと海外へ着いちゃうんじゃないか?
「はい、まだですね。ちょっと待ってください、こちらから船長に確かめてみます」
彼は無線?でモソモソ話していた。
「すみません。中々寄港出来そうな地が見つからないそうで。やはり被害が凄いようです。船着場自体が削られていていきなり山肌になっているとか、道路が無い、何も無い場所に付けても皆さんがそこで困るでしょう? それで船長も最低限、停泊出来そうな場所を探しているそうです」
「そうですか」
それにしても速いなぁ。このスピードで、船長、港を発見出来るのかな。
あれ?あれれれれ?ちょっと待って。
左手側に見えていた陸地が途絶えた? 無くなったぞ?
頭の中で日本地図を想像した、太平洋側を茨城から上に、沿岸沿いに北上していた……よな?
陸地が無いって、まさか、日本沈没…………、あ、日本部分的に沈没?
「…………はい、はい。わかりました。鹿野さん、当船は本土を抜けました」
「ほんど?」
「はい。青森を抜けた辺りだそうです。船長からスピードを落として欲しいと、ええと、神様に依頼してほしいと」
「ああ、はい。青森抜けた? 青函トンネルの上か?」
「いえ、もっと外側ですが方向的にはその辺りです。で、スピードを緩めてもらわないと、北海道に突っ込んでしまいます」
「それはマズイ」
俺は慌てて心の中で大精霊に速度を落とすように命令した。
船が、波の上を走るようになる。いや今まで飛んでいたんかい。スピードが徐々に落ちてくる。
「はい、はい。わかりました」
船長と話していた船員がデッキの上に紙を開いた。
うわっ、地図か。俺の苦手とする物だ。船員はそれを指で挿しながら話し出した。
「今ここです。そしてここをこう曲がって、この辺りを進んで欲しいそうです。ここらは苫小牧なんですが、フェリー港以外にも複数の港があり、その何処かに停泊出来るのでは、との事です」
「わかった、いや、地図が苦手でよくわからん、どこで曲がるんだ?いや、地図だとここで曲がるんだろうが、どうやって伝えれば……、ううむ、うぅ……」
俺が地図に顔を近づけて唸っていたら、同じように顔を近づけていた船員と洸太くんが突然飛び上がった。
「うわっ!」
「ひゃっ……ビックリしたぁ」
ふたりを見ると、ふたりは俺の左側を見ていた。
顔を横に向けるとそこには、風の大精霊が俺の横で顔を地図に近づけてうんうんと頷いていた。
「あ…………、見た?」
「いえ……見てません。何も。風の神様もっ!」
「うん、あの、見てないよ? 神様が地図を見てるとこなんて」
やはり見えたんか。姿消しの魔法はどうした?姿消しの魔法ではなく、隠れてただけか?
大精霊が地図を読んでくれたみたいで、俺の指示が無くてもフェリーは無事に曲がっていけた。
地図の読める大精霊、凄いぞ。
そしてフェリーは港に無事に到着出来た。と言うか、無事な港があったと言うべきか?
幾つかの船は地上に乗り上げていたが、停められるスペースはある。そして港の建物も無事、付近の道路も無事だ。近くに避難所もあるようだった。
半開していたフェリーの扉を下ろすのに苦労をしたようだったが、無事に車を出す扉が開いた。
洸太君一家のトラックも無事に地面へと降りる事が出来たようだ。助手席から洸太君が顔を出し手を振っていた。
さて俺も帰るか、テレポートで。
苫小牧って確か北海道のどっかだよな?さっき青森がどうとか言ってたから青森の近くだろうか。あの、北海道のピロっと尻尾のように出てる辺りかもしれんな。(←それは違う)
…………北海道って意外と茨城から近いのか。(←それも違う)
だがこれは怒られるやつかも知れん。タウさん達には茨城沖で迷ったと言っておこう。
それにしても栃木県に行きたかったんだが、どうなってるんだ日本よ。複雑すぎるだろう。
しかも半端ないスピードだった為、中に居た人達に気づかれてしまった。そりゃそうだな、時々波の上をバウンドしてるからな。
大型フェリーが高速で波をバウンドしながら進む、気がつかない方がおかしい。
「何だこれは」
「いったい何が起こってるんだ」
出てきた人達は目を見開いて驚愕していた。
うぅむ、マズイな、タウさんに怒られる案件だろうか?もう、早くどっかの岸に着けて去りたい。ここ何処だよ、俺は帰りたい。
「これは一体何が起こっているのですか?鹿野さん何かご存知ですか」
船長に詰め寄られた。困ったー。
「えぇ……と、あれですね。アレは、か、風の……」
「風の神様だよ、風の神様が助けてくれたんだ」
言い淀んだ俺を助けるように少年、洸太君が言った。
「何を馬鹿な事を、子供は黙っていなさい」
近くのおっさんが洸太くんを嗜めようとした時、お婆さんが口を挟んだ。
「馬鹿を言ってるのは貴方ですよ、どう見ても人の力ではない、神様の助け以外に有り得ません。貴方は神様を信じていないのですか? 私は毎日神棚にも仏壇にも手を合わせていますよ? 若い人らは自分の足で歩き始めると直ぐに神様の存在を忘れてしまう、全て自分で出来ると思ってしまう。貴方は元旦に初詣に行きませんか? 成人式は? 結婚式は? 身内が亡くなってお葬式をしませんでしたか? 人は心の奥では信じているものなのですよ」
お婆さんの声はそんなに大きくなかったのだが、そこに居た皆が静かに聞いていた。
「日本に神風が吹くのはよくある事ですよ」
お婆さんは言い切った。
そ、そうなのか。神風よくあるのか、気がつかなかった。
大人達の中で反論する者はいなかったが、完全な納得でなかったようだ。首を傾げつつも結局皆、何かに縋りたいのだろう。
「お婆ちゃん」
洸太君が嬉しそうにお婆さんと手を繋いでいた。
「あ、それでですね、神様が風を吹かせてフェリーを進めているうちに降りる準備をしておいてください。船長さん、フェリーを着けれそうな港を見つけたら……ええと、教えてください……、あの、神様に伝えますので」
皆はデッキから中へと入っていった。そこに残ったのは洸太君と彼の家族だった。
「父さん、僕もう少しここに居たい」
「え、あぁ、うん? 神様の邪魔はするなよ?」
洸太くんの父親は半信半疑で変な顔をしつつも、息子を信じてはいたようだ。
船長からの指示を伝える船員の男性もひとり、そこに残った。
「物凄いスピードですね。流石は神風です。フェリーと言うよりも高速船か、水中翼船のようですね」
「風の神様だもん」
「洸太君は見たの?」
「うん、一瞬だけ。直ぐに見えなくなった」
え?そうなの?さっきそこで風を操っていたんだけど、姿消しの魔法とかあるのか?
ゲームでは普通に皆、見えてたよな?風の精霊は白、火の精霊は赤、水の精霊は青、土の精霊は……黄色だったか。
「へええ、いいなぁ。どんなだった?」
洸太君は一瞬俺を見たが、特に俺が止めなかったので話し始めた。
「ええとね、透明に近い霧の塊みたいだった。結構大きいの」
「雷神風神みたいなのでは無いのか。塊かぁ、人型じゃないんだ?」
うちの精霊は透き通る様な人型の精霊なんだが、あ、もしかして洸太君は俺が隠そうとした事に気がついて、適当に合わせてくれているにかもしれない。
それにしてもスイスイ、グイグイ、ビュンビュン進むなぁ。何処まで行くのかちょっと不安になった。
「あの、船長からの連絡はまだ?」
かなり不安だぞ?このままだと海外へ着いちゃうんじゃないか?
「はい、まだですね。ちょっと待ってください、こちらから船長に確かめてみます」
彼は無線?でモソモソ話していた。
「すみません。中々寄港出来そうな地が見つからないそうで。やはり被害が凄いようです。船着場自体が削られていていきなり山肌になっているとか、道路が無い、何も無い場所に付けても皆さんがそこで困るでしょう? それで船長も最低限、停泊出来そうな場所を探しているそうです」
「そうですか」
それにしても速いなぁ。このスピードで、船長、港を発見出来るのかな。
あれ?あれれれれ?ちょっと待って。
左手側に見えていた陸地が途絶えた? 無くなったぞ?
頭の中で日本地図を想像した、太平洋側を茨城から上に、沿岸沿いに北上していた……よな?
陸地が無いって、まさか、日本沈没…………、あ、日本部分的に沈没?
「…………はい、はい。わかりました。鹿野さん、当船は本土を抜けました」
「ほんど?」
「はい。青森を抜けた辺りだそうです。船長からスピードを落として欲しいと、ええと、神様に依頼してほしいと」
「ああ、はい。青森抜けた? 青函トンネルの上か?」
「いえ、もっと外側ですが方向的にはその辺りです。で、スピードを緩めてもらわないと、北海道に突っ込んでしまいます」
「それはマズイ」
俺は慌てて心の中で大精霊に速度を落とすように命令した。
船が、波の上を走るようになる。いや今まで飛んでいたんかい。スピードが徐々に落ちてくる。
「はい、はい。わかりました」
船長と話していた船員がデッキの上に紙を開いた。
うわっ、地図か。俺の苦手とする物だ。船員はそれを指で挿しながら話し出した。
「今ここです。そしてここをこう曲がって、この辺りを進んで欲しいそうです。ここらは苫小牧なんですが、フェリー港以外にも複数の港があり、その何処かに停泊出来るのでは、との事です」
「わかった、いや、地図が苦手でよくわからん、どこで曲がるんだ?いや、地図だとここで曲がるんだろうが、どうやって伝えれば……、ううむ、うぅ……」
俺が地図に顔を近づけて唸っていたら、同じように顔を近づけていた船員と洸太くんが突然飛び上がった。
「うわっ!」
「ひゃっ……ビックリしたぁ」
ふたりを見ると、ふたりは俺の左側を見ていた。
顔を横に向けるとそこには、風の大精霊が俺の横で顔を地図に近づけてうんうんと頷いていた。
「あ…………、見た?」
「いえ……見てません。何も。風の神様もっ!」
「うん、あの、見てないよ? 神様が地図を見てるとこなんて」
やはり見えたんか。姿消しの魔法はどうした?姿消しの魔法ではなく、隠れてただけか?
大精霊が地図を読んでくれたみたいで、俺の指示が無くてもフェリーは無事に曲がっていけた。
地図の読める大精霊、凄いぞ。
そしてフェリーは港に無事に到着出来た。と言うか、無事な港があったと言うべきか?
幾つかの船は地上に乗り上げていたが、停められるスペースはある。そして港の建物も無事、付近の道路も無事だ。近くに避難所もあるようだった。
半開していたフェリーの扉を下ろすのに苦労をしたようだったが、無事に車を出す扉が開いた。
洸太君一家のトラックも無事に地面へと降りる事が出来たようだ。助手席から洸太君が顔を出し手を振っていた。
さて俺も帰るか、テレポートで。
苫小牧って確か北海道のどっかだよな?さっき青森がどうとか言ってたから青森の近くだろうか。あの、北海道のピロっと尻尾のように出てる辺りかもしれんな。(←それは違う)
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