自立したい僕を社長が甘やかしてきます

春夏

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9.あなただけの

36.お互いの唯一

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“番になる”ということがどういうことか、15の葵を俺の番にすることで葵の未来を決めてしまうことがどういうことなのかを、葵が理解でけるようにちゃんと説明したはずや。
それでも葵は俺だけのオメガになりたいと言ってくれた。

ひとまわり以上も年上の俺は、“そんなこと言うたらあかん”と返すべきやった。
世間のことを何も知らんその若さで、自分の人生を狭めたらあかん、と、返さなあかんはずやった。
……それやのに俺ときたら、そんな綺麗事を言う余裕はあらへんかった。
葵が俺だけのオメガになってくれるやなんて、こんな幸せなことあるやろか。
未来を俺に託してくれた葵に、俺のすべてを。

「…アッ…ん、ぁあっ、ダメ、そこダメ…ッ」
少年の体つきを残す葵が揺れる。
葵を突き上げながら前を弄ってやれば、変声しきっとらん声が俺を煽る。
「ヒッ、やだ、一緒にするのやだ、きもちい、やだあっ!」
やだやだと首を振りながら、蕩けたその体は快感を拾って、また俺を締め付ける。

…ホンマにあかん。
来るもの拒まず去るもの追わずでやってきた俺や、それなりの経験値を持っとったはずやぞ。
それがどうや、昨日までオトコのオの字も、もちろんオンナのオの字も知らんかった葵の体に夢中になるやなんて。
俺も発情しとんのやろな、惚れた男のフェロモンに溺れることは、アルファにとっても最上の快感やっちゅうことを身をもって知った。

後ろから葵を貫き、うなじを舐める。
片手で体を支え尻を高くあげて、空いた右手で擦りあげとる。
「もっと、もっとして、もっと、アァッ、いい、いいっ…噛んで、噛んで…イッちゃぅっ!」
ヒートのオメガがこんなに貪欲だとは。
奥への刺激だけじゃ足らんとばかりに前を弄り、早く挿れろと自ら膝を抱える。
眼福や…やっぱりどんな葵でも最高や。

オメガな自分が嫌だ、ヒートがくるのが怖い、自分が自分でなくなりそうで、と悩んだ葵。
こうして俺に跨がって、自分のエエとこを探して腰を揺らしとるやなんて、そんなこと知ってもうたらどんなふうに思うやろ…。
ええねん、ヒートの葵がどんなふうに俺を求めてくれとるかなんて、俺だけの秘密でええねん。
せやけど…番の誓いだけは葵に覚えていてほしい。
葵が葵の望む葵のままでいられとる間に、俺を受け入れてほしいんよ。

「お願いしましたよね。僕を奥山智秋だけのオメガにしてほしいって」
「俺からもお願いがあんねん。葵、俺を伊原葵だけのアルファにしてくれ」

驚いたように瞪った瞳からポロポロと涙がこぼれだす。
それと同時に、俺を囲い込むように葵のフェロモンが溢れ出す。
まだ自制できないはずの葵のフェロモン。
葵が本能で俺を求めていることを骨の髄まで理解した俺からも、止められないほどのフェロモンが流れ出る。

「智秋さんが…僕だけの…アルファ…」
「そうや。そして葵は俺だけのオメガや」

はじめてのヒートを終えた葵が目を覚まし、嬉しそうにうなじの証を撫でる。
「智秋さんが大好きです」
そう言った葵を押し倒してしもたってしゃあないやろ?
朝の光の中、恥ずかしさに真っ赤になりながら、あがる声を唇をかみしめて我慢しながら、俺を受け入れる葵。
これはこれで、たまらんな。
…言ったやろ、どんな葵でも愛しとる、て。

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