自立したい僕を社長が甘やかしてきます

春夏

文字の大きさ
37 / 81
10.報告

41.姉弟ができちゃった?

「葵!もう大丈夫なのか?!まだ休んでても良かったんだぞ?」
「すみません。いろいろご心配おかけしました。今日からまたよろしくお願いします」
「…いや、葵が大丈夫ならいいんだ。親代わりなんて言ってるくせになんの役にもたてなかった。申し訳ない」
「とんでもないです!いつもありがとうございます」

これからもよろしく頼む、と横山さんが言ってくれた。
もしかしたら辞めることになるかも、と覚悟していたから、本当に安心した。
そうだ、ちゃんと伝えておかなきゃ。
「…あの、僕、智秋さんと…」
「!そうだ!それも謝らないと……2人きりになんてするべきじゃなかったよな。奥山さんに頼みこまれて…つい…」
「違うんです!そうじゃなくて……僕、番になったんです。だから…ありがとうございました」
固まった横山さんが「……あの野郎!!」と叫んだ。

今日は09も“ちょこっと”も休み、事務仕事。
昼休憩で外回りから戻った横山さんに呼ばれる。
「…09に行ってきた。葵は…ホントにあそこの皆さんに可愛がられてるんだなぁ」
?どういうこと?
「奥山さんな…クククッ、正座させられてたぞ」
「え?」
「社員の人達に囲まれて、伊原君になんてことを!ってな」
「…えぇー…」
「葵ひとすじやねん!って叫んでたぞ?いやぁ、葵、愛されてるなぁ」
信じらんない…そんなこと叫ばないでよ!
「おれもな、文句言ってやろうと思って乗り込んだんだけど…それを見たらさ、つい言っちゃったんだ。葵が嬉しそうに教えてくれた、って」

僕はきっと真っ赤になったんだと思う。
話を聞いていた横山美化の人達が笑う。
「葵君、良かったわねぇ。玉の輿?でもここを辞めたりしないでね?葵君は私にとっても癒しなんだから」
「そうそう、可愛くて真面目な働き者を奥山社長だけに独占させるわけにはいかねぇなぁ」
…不意に爆発してしまう感情。
小さな子どもみたいにわんわん泣いて、泣いて泣いて…。
「親代わりだから許してくれるだろ」
横山さんが僕をしっかり抱き締めてくれて、周りにいた人達が頭を撫でてくれて…。
「私は葵君のお姉さんにしてもらおうかな」
「アンタが姉さんだったらオレなんか弟だよ!」
「親はおれだけだよなぁ?!」

父さん、母さん。
安心して。
智秋さんだけじゃない、ここにも僕を想ってくれる人達がいる。
「…やめない…辞めないです!よろしくお願いします!」
感想 0

あなたにおすすめの小説

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

【完結】優しい嘘と優しい涙

Lillyx48
BL
同期の仲良い3人。 ゆっくり進んでいく関係と壊れない関係。

病弱の花

雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

『アルファ拒食症』のオメガですが、運命の番に出会いました

小池 月
BL
 大学一年の半田壱兎<はんだ いちと>は男性オメガ。壱兎は生涯ひとりを貫くことを決めた『アルファ拒食症』のバース性診断をうけている。  壱兎は過去に、オメガであるために男子の輪に入れず、女子からは異端として避けられ、孤独を経験している。  加えてベータ男子からの性的からかいを受けて不登校も経験した。そんな経緯から徹底してオメガ性を抑えベータとして生きる『アルファ拒食症』の道を選んだ。  大学に入り壱兎は初めてアルファと出会う。  そのアルファ男性が、壱兎とは違う学部の相川弘夢<あいかわ ひろむ>だった。壱兎と弘夢はすぐに仲良くなるが、弘夢のアルファフェロモンの影響で壱兎に発情期が来てしまう。そこから壱兎のオメガ性との向き合い、弘夢との関係への向き合いが始まるーー。 ☆BLです。全年齢対応作品です☆

新生活始まりました

たかさき
BL
コンビニで出会った金髪不良にいきなり家に押しかけられた平凡の話。

あと一度だけでもいいから君に会いたい

藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。 いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。 もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。 ※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります

【完結】番になれなくても

加賀ユカリ
BL
アルファに溺愛されるベータの話。 新木貴斗と天橋和樹は中学時代からの友人である。高校生となりアルファである貴斗とベータである和樹は、それぞれ別のクラスになったが、交流は続いていた。 和樹はこれまで貴斗から何度も告白されてきたが、その度に「自分はふさわしくない」と断ってきた。それでも貴斗からのアプローチは止まらなかった。 和樹が自分の気持ちに向き合おうとした時、二人の前に貴斗の運命の番が現れた── 新木貴斗(あらき たかと):アルファ。高校2年 天橋和樹(あまはし かずき):ベータ。高校2年 ・オメガバースの独自設定があります ・ビッチング(ベータ→オメガ)はありません ・最終話まで執筆済みです(全12話) ・19時更新 ※なろう、カクヨムにも掲載しています。