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3.元婚約者が転入してきました
①
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私は今日も元気にラネル魔術院に通っている。
先日、私はレナード様と学園長先生の部屋まで行って、フォスティ退治のときにバリアが出現した話をした。
話を聞いた学園長先生はとても驚いていた。
先生はすぐさま私を魔術院の訓練場まで引っ張っていき、バリアが出る条件を調べてくれた。
その調べ方と言うのが、学園長先生が強力な炎魔法やら風魔法やらを放って私に当たるすれすれで止めるというもので、結構怖かったけれど。
調査の結果、私は危険が迫ると無意識のうちに魔法を発動させ、バリアを出せることがわかった。
ただ精度はそれほどでもなく、気が緩んでいたり、連続で魔法を使って体力消耗していたりすると、うまく発動できないこともあるらしい。
また、それほそ強くない攻撃にはバリアが発動しないこともわかった。あくまで危険が迫ったとき限定で使える魔法みたい。
学園長先生は、精度を上げればいずれ魔法省の戦闘部隊に入れるかもしれないと興奮した様子で言っていた。
ちなみにレナード様は、そんな学園長先生に対して戦闘部隊は危ないので勧めないでくださいと慌て顔で言っていた。
「戦闘部隊もいいなぁ……。私には向いてなさそうだけれど憧れる……」
私はうっとりと自分が戦闘部隊に入った姿を想像する。
魔法省の戦闘部隊は、いつもきっちりした制服に身を包み、魔獣が出た際には颯爽と人々助けにくるかっこいい人たちというイメージだ。そこに入れるかもしれないなんて言われるとちょっと嬉しい。
ただ、私は運動神経もよくないし、血を見るのも苦手なので、全く現実的ではないんだけど……。
そんなことを考えていると、上から声が降ってきた。
「おはよう、メイベルさん」
「あっ、レナード様! おはようございます!」
「朝から魔導書を読んでたの? 本当に勉強熱心だね」
レナード様は私の手元にある本を見て感心した顔で言う。私は首を横に振った。
「いえ、今日は魔導書ではないんです。今日は、魔法省の戦闘部隊の歴史について書かれた本を読んでいました。学園長先生の名前も出てきましたよ!」
「えっ!? メイベルさん、本当に戦闘部隊に入る気なの!? やめた方がいいよ、魔法省の中で一番危険じゃないか!」
「いえ。本当に入る気はありません! 気になって調べていただけです」
私は顔を青ざめさせて止めてくるレナード様に慌てて説明した。
レナード様はあからさまにほっとした顔になる。
「そっか、よかった……。メイベルさんの自由なのは百も承知だけれど、死傷者が多いところだから心配で……」
「まぁ、心配してくださって嬉しいです」
私は笑顔で言う。そんなに血相を変えて心配してくれるなんて、レナード様は本当にお優しい方だ。
「それよりレナード様、学園長先生の若い頃の写真が載っていましたよ」
「どれどれ? うわ、眼光鋭い! すごい強そう……!」
「ですよね。私が魔獣の立場で、こんな方が退治に来たらすぐさま逃げ出してしまうと思います」
私とレナード様は、学園長先生の若い頃の写真をじっと眺める。学園長先生は今も射殺さんばかりの鋭い眼光をしているけれど、若い頃と比べて大分雰囲気がマイルドになったのだなと思った。
学園長先生のことを話していると、クラスの女の子たちの騒ぐ声が聞こえてきた。
先日、私はレナード様と学園長先生の部屋まで行って、フォスティ退治のときにバリアが出現した話をした。
話を聞いた学園長先生はとても驚いていた。
先生はすぐさま私を魔術院の訓練場まで引っ張っていき、バリアが出る条件を調べてくれた。
その調べ方と言うのが、学園長先生が強力な炎魔法やら風魔法やらを放って私に当たるすれすれで止めるというもので、結構怖かったけれど。
調査の結果、私は危険が迫ると無意識のうちに魔法を発動させ、バリアを出せることがわかった。
ただ精度はそれほどでもなく、気が緩んでいたり、連続で魔法を使って体力消耗していたりすると、うまく発動できないこともあるらしい。
また、それほそ強くない攻撃にはバリアが発動しないこともわかった。あくまで危険が迫ったとき限定で使える魔法みたい。
学園長先生は、精度を上げればいずれ魔法省の戦闘部隊に入れるかもしれないと興奮した様子で言っていた。
ちなみにレナード様は、そんな学園長先生に対して戦闘部隊は危ないので勧めないでくださいと慌て顔で言っていた。
「戦闘部隊もいいなぁ……。私には向いてなさそうだけれど憧れる……」
私はうっとりと自分が戦闘部隊に入った姿を想像する。
魔法省の戦闘部隊は、いつもきっちりした制服に身を包み、魔獣が出た際には颯爽と人々助けにくるかっこいい人たちというイメージだ。そこに入れるかもしれないなんて言われるとちょっと嬉しい。
ただ、私は運動神経もよくないし、血を見るのも苦手なので、全く現実的ではないんだけど……。
そんなことを考えていると、上から声が降ってきた。
「おはよう、メイベルさん」
「あっ、レナード様! おはようございます!」
「朝から魔導書を読んでたの? 本当に勉強熱心だね」
レナード様は私の手元にある本を見て感心した顔で言う。私は首を横に振った。
「いえ、今日は魔導書ではないんです。今日は、魔法省の戦闘部隊の歴史について書かれた本を読んでいました。学園長先生の名前も出てきましたよ!」
「えっ!? メイベルさん、本当に戦闘部隊に入る気なの!? やめた方がいいよ、魔法省の中で一番危険じゃないか!」
「いえ。本当に入る気はありません! 気になって調べていただけです」
私は顔を青ざめさせて止めてくるレナード様に慌てて説明した。
レナード様はあからさまにほっとした顔になる。
「そっか、よかった……。メイベルさんの自由なのは百も承知だけれど、死傷者が多いところだから心配で……」
「まぁ、心配してくださって嬉しいです」
私は笑顔で言う。そんなに血相を変えて心配してくれるなんて、レナード様は本当にお優しい方だ。
「それよりレナード様、学園長先生の若い頃の写真が載っていましたよ」
「どれどれ? うわ、眼光鋭い! すごい強そう……!」
「ですよね。私が魔獣の立場で、こんな方が退治に来たらすぐさま逃げ出してしまうと思います」
私とレナード様は、学園長先生の若い頃の写真をじっと眺める。学園長先生は今も射殺さんばかりの鋭い眼光をしているけれど、若い頃と比べて大分雰囲気がマイルドになったのだなと思った。
学園長先生のことを話していると、クラスの女の子たちの騒ぐ声が聞こえてきた。
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