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第二章 風花の離宮にて、静けさを知る
夜風の下で──静かな絆の兆し
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離宮に、初夏の風が吹き抜けていた。
竹の葉がさわさわと鳴り、軒先に吊るした風鈴が細やかに震える。
宗雅は、その音を聞きながら書庫の奥を調べていた。
この離宮には、長らく人が寄りつかなかった。
だが、帝の命を受けて視察に来たからには、報告に漏れのないよう確認せねばならない。
蔵の鍵は錆びつき、扉は重い。
埃を払って踏み込むと、古びた巻物や壊れかけの器、誰のものとも知れぬ文箱が雑多に積まれていた。
宗雅は一つひとつを手に取り、淡々と整理していた。
だが、その中の一つ、黒漆塗りの文箱を開けたとき、眉がわずかに動く。
中には、古びた巻紙が一通。
封は破られた形跡があり、内側には奇妙な符号が記されていた。
それは、彼の家でも限られた者しか知らぬ密書の符丁——。
まさか、帝の命を狙う計画の記録が、ここに?
宗雅は一瞬で全身の神経を研ぎ澄ませた。
ここが単なる“追放の地”ではなく、何者かの隠れ蓑として利用されていた可能性。
その考えが脳裏をよぎる。
「……厄介なことになったな」
低くつぶやいたとき、背後で衣の擦れる音がした。
振り向けば、梓乃が両手に花を抱えたまま、戸口に立っていた。
「まあ、宗雅様。お掃除ですか?」
「いや、点検だ。……なぜ、こんな場所へ」
「花を飾る器を探しておりましたの。けれど、こちらの箱が倒れて……あら?」
梓乃は無邪気に文箱の中を覗き込み、目を瞬かせた。
宗雅が慌てて手を伸ばすより早く、彼女はその巻紙を拾い上げてしまう。
「まあ、見たことのない文字ですね。絵巻かと思いました」
「触るな、それは——」
宗雅の声が鋭くなる。
梓乃は少しだけ目を丸くしたが、すぐに柔らかく微笑んだ。
「……危ないもの、でございますか?」
「危ないというより……軽々しく扱うべきではないものだ」
「では、そっと風に流してしまいましょうか」
宗雅は思わず、息を呑んだ。
その声音に、怯えも打算もない。ただ、静かな優しさだけがあった。
「人を傷つけるようなものは、しまっておくより、風に流したほうがよろしいです。——いつまでも手のひらに握りしめていたら、心まで汚れてしまいますもの」
彼女はまるで、春の陽のように言った。
まぶしいほどに、真っ直ぐで。
宗雅の胸の奥に、何かが静かに沈んでいくのを感じた。
この女は、ただの天然ではない。
恐れを知らぬのではなく、恐れよりも「人の痛み」を見ている。
そう気づいたとき、宗雅の中で何かがわずかに軋んだ。
「……貴女は、恐ろしくはないのか」
「怖いものより、悲しいことのほうが苦手です」
「悲しいこと?」
「ええ。たとえば誰かが誰かを疑って、笑えなくなること。そういうのが、一番つらうございます」
宗雅は何も言えなかった。
巻紙を受け取りながら、視線が自然と彼女の手に落ちる。
小さく、白く、しかしどこまでも穏やかに温かい手。
その掌に、どれほどの強さが宿っているのだろう。
「……預かっておこう。貴女は、何も見なかったことにしなさい」
「はい。けれど、宗雅様が苦しまぬように願っております」
「……苦しむ?」
「だって、怖いことを抱えた方のお顔って、少し寂しそうですもの」
梓乃はそう言って、花を一輪、文箱の上にそっと置いた。
白い芍薬。その香りが淡く広がり、重かった空気をやさしく包みこむ。
宗雅は言葉を失い、ただその光景を見つめていた。
夜。
離宮の中庭では、梓乃が香を焚いていた。
ほのかな白檀の香が夜風に乗り、月の光を透かして揺らめく。
宗雅は廊下の影に立っていた。
昼間の出来事が、まだ胸の中でくすぶっている。
帝に報告すべきか、慎重に調べるべきか——
それよりも、あの女の言葉が、どうにも頭を離れない。
風に流してしまいましょうか。
そんな簡単に済む話ではない。
だが、彼女の声音を思い出すたびに、
重く締めつけていた何かが、少しだけほどける気がした。
「宗雅様?」
いつのまにか、梓乃がこちらを振り向いていた。
灯明の淡い光が、彼女の髪を金に照らす。
風に乗って香の煙がふわりと流れ、宗雅の頬を撫でた。
「お香が、煙たいでしょうか」
「……いや、むしろ心が静まる」
「うふふ、それはよろしゅうございました。誰も褒めてくださらなくても、よい香りは心を慰めてくれますね」
彼女はそう言い、また小さく笑った。
宗雅はその笑みを見ながら、ふと口にしていた。
「貴女は……不思議な人だ」
「まあ、そうでしょうか。自分では、ただののんびり者だと思っておりますのに」
「いや。のんびりしていて、なぜか強い。そういう者は、そう多くはない」
梓乃は目を細めた。
その瞳は、まるで月明かりのように柔らかい。
「宗雅様も、きっとお強い方ですよ」
「なぜそう思う」
「冷たい風をまとっておられても、芯は優しい。……冷たい風がなければ、花は香らないでしょう?」
宗雅は、一瞬、言葉を失った。
彼女は本当に、無意識のうちに心の奥へと触れてくる。
それが恐ろしくもあり、心地よくもある。
「……貴女という人は、危険だな」
「まあ。私、何かいけないことを?」
「いや——放っておけば、心を掬われそうになる」
梓乃が小さく瞬きした。
次の瞬間、どこかの部屋から千鳥の寝言が響く。
『お団子が逃げますぅ……!』
二人は顔を見合わせ、吹き出した。
その笑い声が夜風に溶け、香の煙とともにゆるやかに流れていく。
宗雅の胸の中で、氷のようだった何かがひとつ、確かに溶けた。
そのことに気づいたのは、彼自身よりも先に、月の光だったかもしれない。
竹の葉がさわさわと鳴り、軒先に吊るした風鈴が細やかに震える。
宗雅は、その音を聞きながら書庫の奥を調べていた。
この離宮には、長らく人が寄りつかなかった。
だが、帝の命を受けて視察に来たからには、報告に漏れのないよう確認せねばならない。
蔵の鍵は錆びつき、扉は重い。
埃を払って踏み込むと、古びた巻物や壊れかけの器、誰のものとも知れぬ文箱が雑多に積まれていた。
宗雅は一つひとつを手に取り、淡々と整理していた。
だが、その中の一つ、黒漆塗りの文箱を開けたとき、眉がわずかに動く。
中には、古びた巻紙が一通。
封は破られた形跡があり、内側には奇妙な符号が記されていた。
それは、彼の家でも限られた者しか知らぬ密書の符丁——。
まさか、帝の命を狙う計画の記録が、ここに?
宗雅は一瞬で全身の神経を研ぎ澄ませた。
ここが単なる“追放の地”ではなく、何者かの隠れ蓑として利用されていた可能性。
その考えが脳裏をよぎる。
「……厄介なことになったな」
低くつぶやいたとき、背後で衣の擦れる音がした。
振り向けば、梓乃が両手に花を抱えたまま、戸口に立っていた。
「まあ、宗雅様。お掃除ですか?」
「いや、点検だ。……なぜ、こんな場所へ」
「花を飾る器を探しておりましたの。けれど、こちらの箱が倒れて……あら?」
梓乃は無邪気に文箱の中を覗き込み、目を瞬かせた。
宗雅が慌てて手を伸ばすより早く、彼女はその巻紙を拾い上げてしまう。
「まあ、見たことのない文字ですね。絵巻かと思いました」
「触るな、それは——」
宗雅の声が鋭くなる。
梓乃は少しだけ目を丸くしたが、すぐに柔らかく微笑んだ。
「……危ないもの、でございますか?」
「危ないというより……軽々しく扱うべきではないものだ」
「では、そっと風に流してしまいましょうか」
宗雅は思わず、息を呑んだ。
その声音に、怯えも打算もない。ただ、静かな優しさだけがあった。
「人を傷つけるようなものは、しまっておくより、風に流したほうがよろしいです。——いつまでも手のひらに握りしめていたら、心まで汚れてしまいますもの」
彼女はまるで、春の陽のように言った。
まぶしいほどに、真っ直ぐで。
宗雅の胸の奥に、何かが静かに沈んでいくのを感じた。
この女は、ただの天然ではない。
恐れを知らぬのではなく、恐れよりも「人の痛み」を見ている。
そう気づいたとき、宗雅の中で何かがわずかに軋んだ。
「……貴女は、恐ろしくはないのか」
「怖いものより、悲しいことのほうが苦手です」
「悲しいこと?」
「ええ。たとえば誰かが誰かを疑って、笑えなくなること。そういうのが、一番つらうございます」
宗雅は何も言えなかった。
巻紙を受け取りながら、視線が自然と彼女の手に落ちる。
小さく、白く、しかしどこまでも穏やかに温かい手。
その掌に、どれほどの強さが宿っているのだろう。
「……預かっておこう。貴女は、何も見なかったことにしなさい」
「はい。けれど、宗雅様が苦しまぬように願っております」
「……苦しむ?」
「だって、怖いことを抱えた方のお顔って、少し寂しそうですもの」
梓乃はそう言って、花を一輪、文箱の上にそっと置いた。
白い芍薬。その香りが淡く広がり、重かった空気をやさしく包みこむ。
宗雅は言葉を失い、ただその光景を見つめていた。
夜。
離宮の中庭では、梓乃が香を焚いていた。
ほのかな白檀の香が夜風に乗り、月の光を透かして揺らめく。
宗雅は廊下の影に立っていた。
昼間の出来事が、まだ胸の中でくすぶっている。
帝に報告すべきか、慎重に調べるべきか——
それよりも、あの女の言葉が、どうにも頭を離れない。
風に流してしまいましょうか。
そんな簡単に済む話ではない。
だが、彼女の声音を思い出すたびに、
重く締めつけていた何かが、少しだけほどける気がした。
「宗雅様?」
いつのまにか、梓乃がこちらを振り向いていた。
灯明の淡い光が、彼女の髪を金に照らす。
風に乗って香の煙がふわりと流れ、宗雅の頬を撫でた。
「お香が、煙たいでしょうか」
「……いや、むしろ心が静まる」
「うふふ、それはよろしゅうございました。誰も褒めてくださらなくても、よい香りは心を慰めてくれますね」
彼女はそう言い、また小さく笑った。
宗雅はその笑みを見ながら、ふと口にしていた。
「貴女は……不思議な人だ」
「まあ、そうでしょうか。自分では、ただののんびり者だと思っておりますのに」
「いや。のんびりしていて、なぜか強い。そういう者は、そう多くはない」
梓乃は目を細めた。
その瞳は、まるで月明かりのように柔らかい。
「宗雅様も、きっとお強い方ですよ」
「なぜそう思う」
「冷たい風をまとっておられても、芯は優しい。……冷たい風がなければ、花は香らないでしょう?」
宗雅は、一瞬、言葉を失った。
彼女は本当に、無意識のうちに心の奥へと触れてくる。
それが恐ろしくもあり、心地よくもある。
「……貴女という人は、危険だな」
「まあ。私、何かいけないことを?」
「いや——放っておけば、心を掬われそうになる」
梓乃が小さく瞬きした。
次の瞬間、どこかの部屋から千鳥の寝言が響く。
『お団子が逃げますぅ……!』
二人は顔を見合わせ、吹き出した。
その笑い声が夜風に溶け、香の煙とともにゆるやかに流れていく。
宗雅の胸の中で、氷のようだった何かがひとつ、確かに溶けた。
そのことに気づいたのは、彼自身よりも先に、月の光だったかもしれない。
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