「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」

チャチャ

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[閑話]ハルトをクビにした蒼牙の刃のその後。

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「……あれ?なんか、全然ドロップしなくね?」

ガルドは眉をひそめて、倒れたオークの死体を蹴りつけた。

今日で三日連続、討伐報酬の“アイテムドロップ率”が明らかに落ちていた。
オークはそこそこ強敵だが、素材は高く売れる……はずだった。

「前は、もっとポンポン出てたよなぁ? なんでだろうなー?」
リーダーのレオンがそう呟くが、誰も答えられなかった。

そりゃそうだ。
彼らには、まだ気づいていないのだ――あの男の存在の大きさに。

「ハルトのヤツ、足引っ張るだけだと思ってたけどさ」
メイジのルナがぽつりと言った。

「いや、あいつ本当に何もしてなかったじゃん? ただ後ろでボーッとしてただけだし」

「……けどさ、そういやあいつがいるときって、変にレアアイテム拾ってなかったか?」

その言葉に、一同の空気が凍る。

「まさか……“幸運スキル”か?」

「え、え? でもそんなの……ただの都市伝説でしょ? 幸運でレアドロップとか……」

「でもさ……考えてみ? あいつ追い出してから、全然ドロップしないんだぜ?」

沈黙。

徐々に、ハルトの存在がいかに“目に見えない形”でパーティーを支えていたかを実感し始める。

「おい……今から戻ってきてもらえばいいんじゃねぇか?」

「……いや、無理だ。あいつ、出ていくとき言ってた。“もう戻らない”って」

「マジかよ……! ったく、どうすんだよこれから!」

リーダーのライガは、ひとり空を見上げた。
どこかで、あの「何もしてなさそうな男」が、笑いながらのんびり飯でも食ってるのかもしれないと想像しながら――。
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