「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」

チャチャ

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【閑話その2】──追放されたあいつの「影」

「……おかしい、こんなはずじゃなかった」

ギルドの掲示板の前で、ライガは額に汗を浮かべていた。

昨日の依頼報酬――赤字。
その前の依頼――収穫ゼロ。
パーティーの士気も、日を追うごとに沈んでいた。

「リーダー、またDランク依頼っすか?」
ガルドが不満そうに声を上げる。

「しかたねぇだろ! 上のランク、最近受けさせてもらえねぇんだよ!」

実は最近、ギルドでの評判が下がり始めていた。
「アイテムの回収率が悪い」「依頼達成率が落ちている」
かつて“中堅パーティー”と呼ばれた《蒼牙の刃(そうがのやいば)》の名は、じわじわと信用を失っていた。

「なぁ、あいつ……戻ってこねぇかな」

ルナがボソッと呟いた。

「は? 今さら何言ってんだ。あんな何もしねーやつ、いらねぇって言ったのはお前だろ」

「でも……ほら、ギルドで噂聞いた? “幸運持ちの旅人が、Aランク魔獣を討伐した”って話。しかも村の子供たちを助けたって……」

「まさか……ハルト?」

「名前は出てなかったけど、状況的に……たぶん、そう」

沈黙。

ライガは唇を噛んだ。
あの時、もっとちゃんと見ていれば……
あいつが「何もしない」んじゃなく「何もしなくても結果を出していた」ことに気づいていれば――

「……チッ」

ライガは掲示板から無言で目を逸らした。

その背中は、かつての自信に満ちたリーダーのものではなかった。
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