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16歳《高等部 1年》
22《ルディside》
しおりを挟む「遅せぇ。いつまで待たせるつもりだ。」
俺が着いても来てないクラウスとテオ。なんだかんだと皇子としての俺を立ててる癖に。
「クラウス様が遅れるなんて珍しいですね。何かあったのでしょうか。」
「あの後釜の女でしょ。クラウスとテオが遅れるわけないし。」
シモンもあの女が嫌いなのか?
まぁクラウスの母親をいたく気に入ってたから気持ちは分かるけどなぁ。クラウスの母親の後釜がアレとか冗談じゃない。
皇宮のパーティにしか出席してないみてぇだし。
それでもシルヴェスターの女主人だ。蔑ろにしてテオの機嫌も損ねたくねぇ。テオが嫌だと言えばクラウスもそっちに同調するだろうし。
なんでそれが貴族の奴らは分からないんだろうかねぇ。何だかんだとテオとあの女が仲良いことは見ていればわかる。クラウスが家族を一番に考えてるのもよく見たら分かる。シモンだって察してるのに…あの女の悪口をそのままクラウスに聞かせるやつの気が知れない。報復が怖くねぇのか?あいつネチネチしてやがるからな。年単位でやり返してくるぞ。
「アイツらいねぇとドレスなんてわかんねぇよ。レネは流行りとかわかんの?」
「時代時代の流行りなら劇で扱うので分かるのですが、最新のものは自信がないです。」
最新の流行りなんて数ヶ月もありゃあ変わってやがる。アレを追うのは骨が折れる。
仕方なく中に入ってアイツら兄弟を待つことにした。今日は1日貸切ってるから時間の心配も要らねぇし。
中で紅茶が出てきたがクラウスの入れた方が美味かった。
仕方なくドレスのカタログを見てたがどの形がいいのかすら分かんねぇ。
性転換薬はクラウスが持ってくる予定だし…。前に授業でした時は叔母様…他国に嫁いだ父様の姉に似ていた。魔法も顔も俺は父親似なんだろう。
ま、俺は父様よりも強いけどな。
それに比べて性転換薬を飲んで現れたシルヴェスターの兄弟は揃いも揃って母親似らしい。
テオは既にげっそりした顔で赤のドレスを身にまとっている。あの女とクラウスにでも着させられたんだろう。化粧もしてる見てぇだし。遅れたのこれのせいか?
クラウスは髪色と目の色だけ違うクラウスの母親にそっくりだ。服は十数年前の流行りのドレスを着ていた。色合いからして母親のドレスなんだろう。よく残ってたな。
「ほんっとお前らって母親似なんだな。」
「兄上はそうだと思いますが…。似ていますか?」
隣見たら分かるわ。同じ顔してんぞ。
「そっくりだわ。んじゃあよろしくな、公爵夫人。」
「はい。」
ニッコリと作り笑いを浮かべる女。作り慣れてんな。親しみが湧くと言うより、一番自分が輝ける顔を作ったって感じの顔の作り方。
「今は僕が公爵だからその呼び方やめて。」
「うるせー。」
めんどくせぇこと気にしやがって。
クラウスが1人ずつ性転換薬を渡す。半日様だとさ。
一人一人が試着室に入ってから薬を飲んで服を着替えてくる。何が面白いのかレネは出てくるのが長かった。何やってるとか考えたくねぇわ。あいつもアレで変人だし。
「母上、兄上に迷惑かけないでくださいね。」
「うるさい。迷惑なんてこっちが掛けられてるわよ。」
必死にテオが母親の周りで言い聞かせているが髪を後ろに払いながらうるさい、黙れといしか言わない女。
クラウスはカタログ片手に俺に話しかけてきてるし。
「色とかどうする?家の格式に合わせていい?」
「あれほっといていいのか?」
「いいんじゃない?」
…マジかよ。
俺に聞かれてもわかんねぇからカタログ片手に男が固まってあーだこーだ言い続ける。シモンだけ離れて茶を飲んでた。なんだアイツ。
▽
▽
男どもがわちゃわちゃしてる間にいつの間にかマネキンが大量に壁に沿って並べられていた。
「じゃあ好きなドレス選んできなさい。色は無視で気に入ったドレスの形を選ぶといいわ。私が流行りになるように指示出すから。」
「俺はなんでもいいから夫人が選んでくれ。」
俺がそういえばあっという間に作られた仮面が剥がれた。
戦闘慣れしてる俺が怯むくらいの眼力とこっちを向いた。さっすがテオの母親だな…。剣術でも習ってたら大成しただろうに…。
「着る人の好みじゃなきゃ意味ないでしょ。私に時間をかけさせないで。」
「母上、殿下に…「構わねぇよ。公の場じゃちゃんとしてくれよ。」」
テオの母親だしなぁ。グチグチ言えねぇよ。
「黒のドレスってある?金の刺繍を入れたいんだけど。」
「黒なんて喪服じゃない。」
「だから刺繍を凝らすんですよ。」
シルヴェスターの色である黒に喪服…。
よくシルヴェスター公爵の前で言えんな。皇族でも言えねぇよ。多分歴代皇帝陛下ですら口に出したことはないと思う。
ほら、シモンですらドン引きだ。
あの度胸あるから公爵夫人になれたんだろう。
皇子としては認められねぇけど個人としては気に入った。
こんだけ並べられても何が良いかわかんねぇな。
一番目を引くのは色だからな。色を変えるっつっても実感が湧かねぇ。
「色が目に付く。ドレスの形ってどう決めればいい?」
「そうですね。殿下の好きな部位で選べば良いかと。胸ですか?足ですか?」
「ちょ…!母上!!!」
「俺の魅せたい部位ってことか?」
「はい。」
「言葉が足りてねぇな。」
やっぱ叔母様を参考にした方がいいな。見慣れてるし、母様やクラウスの母親みたいにふわふわしたのが似合うとも思えねぇ。
ウエストの高い位置にある、そんで足が見えるヤツがいい。あんまり見えてもはしたねぇけど。
クラウスはシモンのところに行って話し合ってる。あの2人は許嫁らしくコンビにされるから仕方ねぇ。
「テオ、お前もう決めたのか?」
「まぁ…はい。」
テオにしては煮え切らない答え方だな。
「どれにした?」
「…これにしろと…。」
顔が引つるのがわかる。
…娼婦でも目指してんのか…?
「腰のラインが出すぎだ。足も胸も出しすぎ。お前、なに目指してんだよ。」
「クラウスと同じこと言うのね。これが一番似合うんだからいいじゃないですか。」
如何にも気に入らないと、頬をぷくぅと膨らました女。
これは分かってやってるタイプだ。クラウスには絶対にしない。これだからこの手の輩はやりにくい。
「有り得ねぇ。帝国唯一の公爵家だぞ。男漁りしてぇ訳でもねぇのに…。品性はどこに行ったよ。」
「ほらもっと言ってやってよ。皇子様。義母様、テオにまでこんなの勧めないでください。」
クラウスが俺の後ろから女に声をかける。女はふいっと目を逸らしてクラウスに刃向かった。
「私に似てスタイルいいんだからいいじゃない。」
「ダメです。シルヴェスターの品性を疑われます。」
「じゃあアンタはどれがいいのよ。」
「テオに選ばせてあげてください。」
「いいけど、アレ選んでたわよ。あっちの方が神経疑うわ。」
テオの母親が指さした方を見れば一切露出のないドレス。何十年前の流行りだよ。
流石にアレはない。なんでこの2人は真逆のやつ選んでんだよ。真ん中取れよ。
「…テオは素朴な人が好きなんですよ。きっと…。」
クラウスが絞り出すようにフォローする。
「私に似て全てがよくできてるんだから魅せた方が良いわ。」
だからどっちもどっちなんだよ。
「何故義母様が選んだドレス前提なのですか。アレで行きますよ。流行りに直すと言ったのは義母様なので、仕事はしてくださいね。テオの許可も忘れずに。」
「…アンタは決めたの?」
「アレにします。」
クラウスはよく見るドレスの形を選んでた。無難だなぁって感じ。腰が細くて臀のあたりから膨らんでるやつ。
「これで黒でしょ?相変わらず喪服みたい。色は私が決めていいの?」
「主な色は指定するのであとは義母様に任せます。」
「…チッ。肌を見せなきゃいいのよね。どいつもこいつも古いものを選んで…何考えてんの?」
聞こえてんだけど。やべっぇ女だな。
クラウスはニコニコしてるだけ。
女がいくつかのカタログの紙を抜き出して控えてたデザイナーに指示を出す。それに合わせてササッと書き上げてくデザイナー。
職人技だな。俺は絵なんて何時間もかけちまうし。
逆に魔法の早打ちは得意なんだがなぁ。
「刺繍は僕の領地の子に任せてもいいかもね。義母様の領地は染め物が有名でしたよね?任せてもいいですか?」
「知らないわよ。勝手にすれば。」
覗き込んでクラウスが口をだす。
テオの母親はチラリとも見ずにドレスの指摘を返してた。
「殿下、テオ、それとあんたのは、もう少し細身のドレス。それか裾を萎めるドレスにしなさい。」
がらっと変わったデザイン。それでも俺たちが気に入ったところは残ってる。
クラウスもテオも大分布を減らされて代わりに透けてる生地を追加されてた。
透けてるけど際どくもはしたなくもない。デザイナーが調整したんだろう。クラウスも文句はないらしい。
惚れ惚れすんなと、眺めてたらレネとヤンが女に話しかける。
ヤンは色々あるのかめっちゃ話しかけてた。研究職のやつはこだわりでも強ぇのかもな。
「…それでどの色が好きなの?ごちゃごちゃして気持ち悪い。」
「ヤンは家紋としては色は特になく、個人の属性で色を決めているんです。だから、複数使えるヤンはこれでいいんですよ。」
「1つか2つの色でドレスは統一しなさいよ。目が痛いわ。」
めっちゃ語気を強めて話す公爵夫人とフォローをするクラウス。板についてんな。
俺はもう終わりだしシルヴェスター一家のやり取りでも見てるか…。
「あと、魔法士のローブみたいなの選んでるわね。型はそれが気に入ったの?」
「…まぁ…。使い慣れてるので。」
ふぅん。と、ドレスとヤンを並べてまじまじと見つめてる女。どうするつもりなんだか。
しばらくドレスと向かい合ってたかと思えばビッと、扇子でドレスの肩当たりを指す。
「肩から繋がってるローブは止めよ。ローブの代わりに刺繍のカーディガンにして。中のドレスは…魔法士の服を参考に書き直して私に見せて。色はカーディガンだけで済ませるわ。グラデーションの染め方か紡ぎ方があったはずよ。」
ヤンのドレスの指示が終わればレネを扇子で指した。
「それで、あんたは完璧。もう帰っていいわ。」
「装飾品も見て頂いてもよろしいでしょうか?」
「チッ。」
でっかい舌打ちだな。おい。
「義母様、流行りとかではなく僕の母に似せたいんでふんわりした物でもいいですか?」
「似合わない。あんたの母親なんて知らないけど、顔だけしか似てないならやめた方がいいわ。あんたら3人は筋肉が付いてるから背筋とか腰周り、足を強調した方が似合うもの。」
シモンが今の言葉に反応して振り向いた。
空気が悪いんだよ…。
「娼婦かよ…。」
「レースで隠せば問題ないですわ。」
そういう問題か?
「一部なら問題ねぇよ。レネ、どう思う。」
「流行りとしては悪くはないかと。」
「シルヴェスターだけにしか得がないなら利権で揉めるかもね。生地は他の生徒に頼んだ方がいいかも。」
「この中に生地取り扱ってるやついねぇだろ。」
「カールに頼もうか?」
「別に生徒会の出し物だしお前のとこで良くねぇか?」
「皆がそれでいいなら手配するよ…。」
「じゃあお前担当な。」
面倒だし。正直、クラウスの方が信用できるしな。
「絶対に肌を見せないようにして。見せても透ける感じに。」
「アンタの言うこと大体決まってるから、もう分かってるわよ。うるさいわね。」
▽
▽
▽
「如何でしょうか?」
「クラウスのは黄色のシースルー生地をもう少し表側に組み込んで、紡績を増やして。殿下は逆に2枚くらい減らして内側にシースルー生地を、あとここに切り込みも入れて。テオのはそれでいいから、肩幅を隠せるシースルーの羽織を。刺繍はクラウスに任せるから聞いておいて。家紋なんて私知らないし。」
「別に家紋はいれませんよ。」
サササッと書き直してデザイナーがテオの母親にみせた。
「いかがでしょうか。」
「ふぅん…まぁまぁね。着る本人に聞いてきて。」
悪くねぇのか?
流行りだと言われたら頷くしかねぇし…。
黄色の細身のドレス。
ドレスの内側を透け感のある布で切れ目を誤魔化してる。けどまぁ飾りと言われたらそう見えるくらい。
悪くはねぇな。
クラウスは真逆でドレス本体は細身だが周りにレースだか刺繍だかのポイントがある。透け感があるが下に布地があるせいかはしたなくもねぇ。体のラインも薄い布で隠れてるし問題ねぇ。
「いいんじゃねぇの。はしたなくもねぇし。」
「僕のはもう少し金色の刺繍を増やそうか。」
「よく分からないのですが、兄上俺のはどうですか?」
「ん~いいと思うよ。テオならなんでも似合うよ。」
なんの参考にもならねぇじゃねぇか。
テオが関わるとお前ポンコツだな。
「一旦これで終わりか?装飾品はメイドか前公爵夫人にでも聞いてくれ。」
シモンは公爵夫人に質問する気もないようだし。好き嫌い激しいもんな、アイツも。
「そんで、今日帰る服適当に買って帰るぞ。」
「男性用の服がいいんだけどある?平民用でも問題ないよ。」
男用の服が入らなかったか、長さが合わなかったか。だから母親のドレスを来てきたのか。意外と母親のことを悔やんでたのかと思ったわ。
「テオも仕立てて貰ったら?本番は騎士部にも出ないといけないだろうし。」
「そうですね。そうします。」
ほんと仲良いな、お前ら。つーか、女の姿で出るのか?まぁ強いことに変わりはねぇだろうけど。
俺も一応準備しとくか。
「ドレス、同じもの3日着るつもりないでしょうね。」
「え…。本気ですか?学校の遊びですよ?」
「同じドレスを着回すなんてありえない。貧乏だと言いふらすつもり?」
マジかよ…。
1着でこんなに疲れたのに。あと2着も…。有り得ねぇ。
「普段着ではないので1度着たものを着ないのは知ってはいますが…ルディどうする?」
「社交界のマナーなら仕方ねぇだろ。面倒だが、国のトップが馬鹿にされる訳にはいかねぇし。」
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