推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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16歳《高等部 1年》

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もうすぐ北に旅立たないと道が雪で封鎖される。そんな秋口にルディに話を切り出した。遅すぎるくらいだけど僕の仕事が終わらなかったんだから仕方がない。

僕のせいだけど…まぁ権力者ってことで許して欲しい。

「ルディ、僕とテオ担当のお茶とケーキの作成終わったから冬になる前に1回集めといて。生徒会とカールとギーゼラ嬢も呼ぼうよ。」

「あと誰かいるか?」

「口が軽くてプライド高い子がいいね。」

ペラペラと僕らの菓子を広めて欲しい。仕事場ではそんな人間と仕事をしたくなはい。けれどこういう場には最適な人種だ。

「最悪なやつじゃねぇか。そのギーゼラ嬢とカールに話流させるのは?」

「信用が落ちるからダメ。その2人にはこれから役に立って貰うんだから。」

「レネとテオに連れてこさせるか。」

「テオの友達にそんなのいないでしょ。」

テオ様の周りは僕も欲しいくらいきっちりとした人間が多い。
みんな真面目を地で行ってる人達だ。騎士道精神なんて僕には分からないけど、騎士道精神が皮を被ったみたいな人種。

テオ様がいなきゃ僕も不正ばかりしてたと思う。今でもちょっとしてるけどまぁグレーゾーンだから許して欲しい。

「いねぇからだろ。テオならどいつが信用ならねぇか分かってるはずだしな。それにそういう奴は、テオ・フォン・シルヴェスターが頼めばホイホイ着いてくる。」

「まぁそれもそうか。僕相手じゃそうもいかないだろうしなぁ。」

「馬鹿でも敵に回す人間は選ぶからな。」

「あんまり馬鹿でも困るけどね。」

勝手に自滅してくれるなら文句言わないけど。こっち巻き込んで自滅されるくらいの馬鹿なら関わりたくない。




「個人の好みと色を掛け合わせてみたんだけどどうかな。少しでも気に入らなかったら言って。」

僕のカフェの店員、屋敷のシェフ。色んな人間と道具を使って作り出した菓子。
フィナンシェも、ケーキもパフェもある。
紅茶だけはアルに入れさせた。

「ギーゼラ嬢やカールもだよ?」

ルディが僕をイメージしたケーキを持ち上げて眉を顰める。

「自分のだけ好み1色で仕立てたな。」

僕のはチョコレートタルト。ラム酒とレーズンも入れて完璧に僕好みに仕立てた。金色を足すために金粉をかけてるけどまぁそこはどっちでもいいよね。

テオ様のはオペラ。上にちょこんとチェリーを載せてる。テオ様はいつも可愛いけど、テオ様を模したケーキですら可愛い。

「テオのもだよ。2人で考えたんだ。」

「2人のはもういい。俺のはレモンを使ったのか?」

一口ずつ食べて皿を置く。
そうですかー。いらないですか。せめてテオ様のは完食しろよ。テオ様が一生懸命考えたのに…なんて思っても顔には出さないように母様を真似して微笑む。

ルディの顔が引き攣ったけど無視だ無視。

「さっぱりしてて美味しいでしょ?レモンチーズケーキ。生クリームと砂糖大量に追加してるから甘いはずなんだけど、レモンと合わさってむつごくなくて食べやすいし。僕は好みなんだよね。」

「紅茶と合いそうだな。」

「レモンティがいいね。」

僕のカフェの新作だからね。ルディが気に入りそうだから店に出すのは来年に延ばすけど力作だよ。

「これ、めっちゃ気に入ってんだな。」

「そりゃあ、まぁそうだね。元々僕のカフェに追加する予定の菓子だから。お披露目も兼ねてカフェに出すの後に回したんだよ。レモンで統一してたんだよね。僕のカフェの新作だし力は入れてるよ。このフィナンシェとかもそう。」

「そんなに言ったら生徒会メンバー以外文句言えないよ。」

シモンはそう言うけど僕らだからってなにも言わない人材は集めてない。もちろんテオとレネに集めさせた人間は広告要員だから期待なんてしてない。

「シモン、こいうところで意見が言えるから呼ばれてるんだよ。」

「私なら言わないけどなぁ。」

「このお茶、色が変わりました。」

シモンとちょっと言い合いしてたらヤンが珍しく大きな声を出した。隣に
アルがいるからだいたい察しがついた。バタフライティーだろう。レモンを用意したけど味はどうだろう。僕はあまり好きじゃない。

「面白いでしょ。企業秘密だから作り方は言えないけどね。味はどう?」

「爽やかだね。これもレモンですか?」

「ライムとかでもいいんだけどね。そっちのほうが馴染みがあるでしょ?」

ルディは口に合わなかったのか一口飲んでカップを置いた。レモンティーは全部飲んでるのに…好き嫌いがわかり易すぎる。


「シモンのは真っ白だな。」

シモンといえば聖皇国の白だからね。見た目も白いし。

「生クリームで覆ってるの。可愛いよね。ね、割ってみて。」

「…フルーツケーキか。美味いけど日持ちするか?」

「保護魔法使うから大丈夫。」

「へぇ。」

ルディは興味なさそう。本当は腹黒って意味でチョコ入れてやろうかと思ったんだけどテオ様に止められた。

「レネとヤンのはちょっと凝っててね。」

作るのは意外と簡単らしいけど見た目が可愛くていいよね。生前食べてみたかったから本番は僕も食べに来るつもり。

「パフェだよ。」

「ワイングラスに盛ったのか。」

ふふん。
デザインも僕とテオ様で考えたんだから。推しとの共同作業♡すっごく楽しかった。

「ヤンのはカクテルグラスだよ。グラスの中身は2人のセンスに合わせて変えるから気に入ったのあったら言って。」

甘めのものが多いからヤンのは柑橘系をメインに。レネのはなんかオシャレそうなリンゴをメインにしてる。シャキシャキしてて美味しい。
この世界は保存魔法が発達してるからいつでも新鮮なものが食べられて幸せ。まぁそんなことは、高位貴族でお金があるから言えるんだけど。どちらかが足りないとこんなに新鮮なのは食べられない。

「ヤンとクラウスの紅茶は好みが分かれそうだな。逆に俺らのお茶は無難だな。」

僕のは緑茶っぽいやつだからね。好みは別れそう。
ヤンのも同じで紅茶そのものの味はしないから好みは別れると思う。

「僕のは僕好みで選んだからね。最近取り寄せた茶葉なんどけど…まぁ好みは別れるとは思うなぁ。僕は好きなんだけどね。ヤンのは普通にヤンっぽいでしょ?色変わって魔法みたいだし。」

「まぁなぁ。」

「逆に私たちのは無難すぎませんか?」

ルディとレネは納得してなさそう。
珍しいのがいいのかな?

「変な茶葉ならいっぱいあるけど変わったのばっかじゃ嫌でしょ?」

「クーディのお茶オタクにも困ったものだね。私のデザートとお茶はこれでいいよ。美味しいし。」

シモンのはフルーツケーキとロイヤルミルクティだからね。美味しいに決まってる。僕が色々手を加えようとしたのを必死にテオ様が止めてたんだし。

色も白いからただのミルクで良くない?とか腹黒だから中身チョコにしようよ。とか。必死に止められた。兄上、不敬です!って。

「なんか指摘あるやついるか?」

「パフェなのですが材料変えてもいいですか?」

「いいよ。メラニー、できるか確認して。」

「畏まりました。」

「私、葡萄が好きなので葡萄メインにして頂きたいのです。」

リンゴじゃなくて葡萄か。あったかなぁ。僕の在庫にはないから取寄せないと。

「飲み物も葡萄ジュースにする?」

「皆様がよろしければ。」

「ソースとかゼリー作るか?シルヴェスターと俺の領地にベリーの生産地あったよな?」

また僕に頼る気だ。残念だけど特産系は全部売り払ったからないんだよ。特産物は嗜好品の部類だから保護魔法かけてる売っぱらった。あとはドライフルーツにしてる分しかない。

「あるね。僕のとこは全部売りに出したからないけど。」

「まじ?」

「うん。お金と麦に変えた。」

北と西の領民のために麦にした。早めに言ってくれてたら残してたんだけど…。

「…マジかぁ。俺が父様に掛け合ってみるわ。カールも一応探しといてくれ。」

「はい。」

ガールなら取り寄せられるだろう。もしかしたら僕が売り払ったのも手に入れてるかもなぁ。

「ヤンはどうだ?パフェ変えるか?」

「個人的には特に変えたいところはありません。ただ、パフェの柑橘系とリンゴならリンゴメインの方を残した方が良くないでしょうか?」

「どう思う?」

確かになぁ。
なんでもいいけど、他のなら何があるんだろう。

「ルディがレモンメインだから一理あると思うよ。けどそもそもりんごでいいの?梨とか栗とか南国のフルーツとかでもいいよ。」

南国のフルーツのところでギーゼラ嬢と口の軽い女性たちが反応した。
なに?
なんか噂になってるのかな?南国のもの取り扱ってるの僕と南の少数貴族くらいだけど。

「ギーゼラ嬢。何かあるなら全部言え。社交界の意見は重要だからな。」

「はっ。その…最近女生徒の間で南国のフルーツが流行っております。シルヴェスター公爵家の独占事業なので縁がなければ食すこともままならないものと噂があり…。食してみたいな…と。」

はぁー。ギーゼラ嬢も女の子だったんだな。
食べられないってだけの話じゃないな。女生徒ってことはなにか恋愛にまつわる都市伝説でもできてそう。
生徒会のメンバーは全員同じところに考えが行き着いたんだろう。面倒なことになったという顔が半数。僕も含めてもう半数がどうやったら売れ行きが良くなるか考えてそう。

「申し訳ありません。」

僕とルディが同じように考え混んだせいでギーゼラ嬢が頭を下げた。なにも悪くないのに…。ルディが頭をあげるように指示してから僕に聞いてきた。だろうなとは思ってたけど。

「確かに市場じゃ見かけねぇな。卸してねぇのか?」

「僕のバーで常連に出してるくらいだね。乾かしてワインのツマミで出してるんだよ。」

「私も食べたけど美味しかったよ。」

シモンにはおやつで少し分けたっけ。

「皇室と常連だけなら噂にもなるわな…。使うなら何がいい?つまみ以外に出せるのか?」

「保存魔法かけてるから新鮮なままで出せるよ。パフェにしようか?」

「ギーゼラ嬢。どう思う。」

ここはそうだよね。女生徒の噂が発端なら女生徒に任せた方がいい。

「女生徒の間で流行っているのが乾かしたフルーツの方なので手土産のようにするのは如何でしょうか。」

「カール。どうだ?」

「あの島国にパウンドケーキと言う民間のケーキがあります。それを使用してはいかがでしょうか。」

「クラウス、作れるか?」

「ドライフルーツはある程度なら出せるよ。パウンドケーキ?は分からないけどメラニーわかる?」

「申し訳ありません。存じ上げません。」

「代案頂戴。」

「はい。シルヴェスターで使用しているパンをもっと柔らかくしてその上にパフェのような生クリームやドライフルーツを載せるのはどうでしょう。」

「どう?」

「それなら新鮮なフルーツ使った方が美味いだろ。」

「じゃあこのパンケーキを選んでくれた子には手土産で先着順にドライフルーツつけるとか。」

「そうするか?それならパフェでいい気もするけどな。」

「私もパフェの方が珍しく良いかと思います。」

「利益もパフェの方が利益が出ると思います。」

「じゃあもう決まりだな。」

「カールと僕で材料は分担するね。料理人はシルヴェスターが準備する。後でカールと話し合って明細書出すよ。」

「じゃああとはお茶会とするか。アルフレート、そのレモンのケーキとミルクティーを持ってこい。」

「アルは僕のなんだけど?勝手に命令しないで。」


「テオ様は如何致しますか?」

「フルーツケーキとロイヤルミルクティを頼む。」

「お2人は自身のケーキを食されないので?」

「自分のは研究するためにいっぱい食べたしね。それに今の僕の好みはこっちかな。こっちのお茶とはあまり合わないけど。」

パフェと僕の好きな緑茶に似たお茶を見る。ほんと合わない。ストレートの紅茶の方が良かったかも。好きだからお茶は変えないけどさぁ。

和菓子とか輸入出来たらなぁ。なんとかして極東と貿易したいなぁ。人の輸入したい。和菓子職人の輸入。
そもそも和菓子なんてものがあるのか知らないけど。似たような国はあるんだけどさぁ。でもあの周り海流が面倒なことになってるから無傷で船も人も近づけられる確証もない。

誰か行って僕に奴隷を回してくれないかななんて思ってる。


「ルディ、なに。」

「べっつにー。」

じっと見てきてた。気持ち悪っ。テオ様に見られるのはいいけどほかは嫌だ。


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