『愛が切なくて』- すれ違うほど哀しくて  

設楽理沙

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4  ◇再会はトレーニングジム

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 そんな中、俺たちは……俺と砂央里は、意外な場所で再会した。

 そこから俺たちが以外に近い所に住んでいることもわかった。

 俺たちが再会した場所、それはトレーニングジムだった。


 お互い数年前から入会していたものの、行く曜日や時間帯が
違っていたため、互いの存在を知らずにいたのだ。


 基本、俺は日曜にジムに行くことはないのだが、娘を実家に
預けてしまうと妻と2人だけになってしまい、娘があんなふうな
扱いを受けたあとではどうしても妻に対して良い感情を持つことが
できなくて、間が持たず……。



 それで、初めて日曜に逃げの口実これ幸いと体力作りと称して
ジムに逃げ込んだ。


 そして高橋砂央里と再会した。


 彼女は、場所が職場を離れた場所であっても変わらず
気さくでやさしい眼差しを向けてくれた。


 たった今、家に棲んでいる毒妻の元から天使のような
やさしい看護師砂央里と、別次元のようなところに居る自分。


 心が和らいだのを記憶している。


 紀子がどんな目にあって、妻がどんな仕打ちをしたのかを知っている砂央里とは、
娘のことを何の心配もせず話し相談することができた。


 独りで煮詰まっていた俺にとって彼女はまさしく救いの天使だった。


 

 娘がネグレクトされていた。

 
 残酷なことに、本来ならたくさんの愛を誰よりも真っ先に
与えてくれて慈しんでもらえるはずの唯一無二の母親から。


 この暗い事実を共有できる人がいることで、俺は背負っている
重くて大きな荷物を後ろから支えてもらっているような気持ちになった。


 俺は砂央里のトレーニングDayを聞き出し、彼女が来る予定の日曜には
娘の紀子も実家まで迎えに行き、一緒にジムへ連れて行くようになった。


 そして、ジムの1Fにあるカフェで3人で簡単にお茶したあとはさっさと互いの車に
乗り込み、何の関係もないふうを装い帰るようになった。
 

 そのうち、ジムを各々出たあとで合流して一緒に食事などもするように
なっていったが、子供を連れていることで後ろめたさを感じることはなかった。


 ただ、娘の話からはじまり互いの身辺上の話をするようになった頃には
何となくではあるが、相手からの好意を感じるようになり、互いの気持ちを
確め合ったあとには、やはり大っぴらに会うのは憚られるようになった。


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