『愛が切なくて』- すれ違うほど哀しくて  

設楽理沙

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5 ◇急接近

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5.

 ふたりで会うのは、もっぱら平日の仕事終わりにほんの小一時間ほど。

 ジムのある日曜日には、大抵の場合紀子を連れて行き3人で会った。
 ジムの玄関で一旦別れたあと、離れた別の場所に各々の車で移動して
逢うという手はずだ。


 俺と砂央里が再会したのは7月の真ん中辺りだったのだが少し親しくなった8月──

に、砂央里が奇しくも7月に離婚していることを彼女から聞かされた。


 それは、俺が妻のことで悩んでおり、いずれは離婚も考えていると
話したあとのことだった。

 
 元々互いに相手に対して好印象を持っていたため──
 俺の気持ちが離婚に向かっているという話と、もうすでに離婚して
いるという彼女の話は、俺たちの仲をますます急接近させた。

 
 とにかく彼女とは話していて心が弾むのだ。

 そして何より、彼女は魅力的だった。
 おまけに娘の紀子も彼女に懐いている。


 3人で何度か食事して帰ったり、お茶して帰るようになってからのそのあとで、 
そのまま2人で会うようになっていったのは、ごく自然な流れだった。


 そして、互いの現状を知るうちに、自然に想い合うような仲になっていった。

 あれよあれよという間の出来事に驚いたが、きっと彼女も
そうだったのではないだろうか。

        ◇ ◇ ◇ ◇


 俺が妻との離婚のことで悩んでいると話した日から 2か月ほど経った頃、
それまで口に出して言ったことのない彼女への気持ちを俺は打ち明けた。


 お互いの気持ちが同じだと確認し合ったあと、すぐに俺は砂央里に言った。

 必ず離婚するから待っていてほしいと。

 紀子を連れての再婚で君には負担をかけることになると思うけれど、
自分と結婚してくれないだろうかと。



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