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蜜月
全裸で出迎え(失敗)
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あ、鏡が置きっぱなしになっている。興ざめさせてしまうので、部屋の隅に隠しておけと言われていたんだった。慌ててつま先で押しのけ、完全な状態でスタンバイするが、先輩はなかなか戻っては来てくれなかった。
「は、は……くっしゅっ!」
くしゃみが出た。ゾクゾクと鳥肌も立つ。便所でも行ってしまったのかなと、ちょっと気が緩んだ時、再び部屋の扉が開かれた。
素早く部屋へ入った後、先輩は目にも止まらぬ早さで扉を閉じた。
「セイシュン……これは、どういう状況だ?」
説明を求められるとは思わなかった。一目見れば分かるだろうに、先輩はエロマンガをあまり読まないのか? 足を抱えケツ穴をさらけ出した状態で、状況を説明する羽目になったが、この程度で負けてはいられない。
必要ならば説明しよう。先輩が心置きなくセックスを楽しめるように!
「もう準備は終わってるから、先輩はちんこ勃たせてオレに突っ込めばいいだけだよ。早く……オレをつかって?」
最後の言葉に精一杯の色っぽさを捻出してみた。格好よりもその言葉の方が恥ずかしい。しかし、恥ずかしさを我慢して言ったかいはあった。部屋に入って立ち尽くしていた先輩が、オレの方へと近づいてきてくれた。
「…………」
興奮しているのか分かりづらいが、明らかにいつもの先輩とは違った雰囲気で、それだけでオレはさっきまで萎えていたちんこが半勃ちくらいになってしまう。
「せん……ぱい」
乱暴な手つきで足を掴まれる。来るであろう衝撃に備えてか、ケツ穴がぎゅっと締まる。オレの手からオレの足を奪い、先輩は無理矢理にオレを抱え込んだ。
先輩の膝の上に腹を乗せる形にさせられ「バックでやるのかな?」と期待でいっぱいになっていると、それは突然やってきた。
バチンと大きな音が部屋に響き、むき出しのケツにジーンとした痛みが広がる。それも一回だけでなく、立て続けにバチンバチンと連発される。
「痛っ、え? 痛ぇっ! 先輩、ちょ、痛いよ!」
手足をばたつかせ抵抗を試みるが、全く自由がきかず、されるがままにケツを叩かれる。感覚がなくなってくるケツと無言の先輩。オレは軽くパニックになった。楽しくセックスするはずが、どうしてこうなった!? 全力で頭を回すと、一つの可能性が浮かび上がってくる。
先輩が望んでいるのは、もしやSMプレイというやつでは……やたらオレを噛みたいとか言ってたし、先輩はオレが思ってる以上にアブノーマルな性癖を持っているのかもしれない。なら、それを受け止めてこそ理想の恋人だろう。先輩の性欲がぶつけられた結果を受け入れようと、グッと歯を食いしばり耐えて……
「痛いよ先輩! フツーに痛い! ぜんぜんエロい気持ちにならないよ!」
耐えられず振り返り全力で抗議すると、戸惑った顔をした先輩が一変して怒りを露わにした。
「このッ大馬鹿野郎!」
先輩の本気の怒声を聞き、オレはようやく気付く事が出来た。オレの接待が盛大な失敗に終わった事を。
尻叩きの刑から解放された時には、ケツは無惨に腫れ上がり、服を着るのも辛かった。けれど、そんな泣き言が許される空気でもなく、オレは先輩に言われるまま服を身につけ、布団の上へ正座をしてお裁きを待つ。
「なんで怒られたか、ちゃんと分かってるか」
いつもの暢気さも朗らかさもない先輩の声。ちらりと顔を上げると、その顔にも怒りがしっかり張り付いており、オレは慌てて視線を床へと逸らせた。
「……っ!」
冷たく見下ろされ、心細さが半端ない。その上、自分の体に起こっている事情を考えると、静かに泣くしかなかった。
「……どうした?」
「うぅう……ケツに仕込んだローションが漏れてきて気持ち悪い」
素直に白状すると、先輩は有無を言わせずオレを抱え込み、これまた乱暴にケツから漏れるローションをふき取った。そして事前に用意していたらしい温かい濡れタオルで、ケツと足にある落書きをゴシゴシ擦って消される。腫れたケツは痛いし、漏れてる分は乱暴に拭くのに、中はちゃんと慎重に指でかきだされる羞恥に今更ながら体が震える。
「……ごめんなさい」
ケツと指を拭いたティッシュをゴミ箱に投げ捨てる先輩の背中に向かって、謝罪を口にする。体の震えが乗っかり、声は途中で掠れてしまう。
「本当にごめん。馬鹿な事して……」
先輩の方をまともに見ることも出来ず、後悔ばかりが吐き出される。冷えた空気以上に先輩の視線なんだろうか、体に感じる冷気は堪えた。
「先輩の言ってる事ちゃんと聞かなくてごめん。でも、先輩にして貰ってばっかりなのを少しでも返したかったんだ」
言い訳に対して先輩の反応はない。その分、心の中で自分の声がツッコミを入れてくる。恩を徒で返すとは正にこの事だなと。
「俺は……お前にこんな事して欲しくなかった」
突き放すような響きに身がすくむ。いつも笑って許してくれる先輩とは別人で、自分のしでかした事がどれだけ先輩を傷つけたか思い知る。
「部屋まで連れて行く。少し頭を冷やせ」
そう言うと先輩はオレを担ぎ上げた。まるでゴミでも捨てに行くかのようで、惨めったらしくオレは泣いた。
「……ゆっくり移動するが、痛かったら言え」
腫れたケツに触れないようしてくれているのだと気付けて、情けなさは跳ね上がったが安堵してしまった。
途中で何か話しかけようと試みたが、先輩の雰囲気に呑まれて沈黙を守った。けれど、部屋の前まで送り届けてくれた先輩は、何も言わずに戻ってしまい、残されたオレは暫くその場を動けなかった。
「は、は……くっしゅっ!」
くしゃみが出た。ゾクゾクと鳥肌も立つ。便所でも行ってしまったのかなと、ちょっと気が緩んだ時、再び部屋の扉が開かれた。
素早く部屋へ入った後、先輩は目にも止まらぬ早さで扉を閉じた。
「セイシュン……これは、どういう状況だ?」
説明を求められるとは思わなかった。一目見れば分かるだろうに、先輩はエロマンガをあまり読まないのか? 足を抱えケツ穴をさらけ出した状態で、状況を説明する羽目になったが、この程度で負けてはいられない。
必要ならば説明しよう。先輩が心置きなくセックスを楽しめるように!
「もう準備は終わってるから、先輩はちんこ勃たせてオレに突っ込めばいいだけだよ。早く……オレをつかって?」
最後の言葉に精一杯の色っぽさを捻出してみた。格好よりもその言葉の方が恥ずかしい。しかし、恥ずかしさを我慢して言ったかいはあった。部屋に入って立ち尽くしていた先輩が、オレの方へと近づいてきてくれた。
「…………」
興奮しているのか分かりづらいが、明らかにいつもの先輩とは違った雰囲気で、それだけでオレはさっきまで萎えていたちんこが半勃ちくらいになってしまう。
「せん……ぱい」
乱暴な手つきで足を掴まれる。来るであろう衝撃に備えてか、ケツ穴がぎゅっと締まる。オレの手からオレの足を奪い、先輩は無理矢理にオレを抱え込んだ。
先輩の膝の上に腹を乗せる形にさせられ「バックでやるのかな?」と期待でいっぱいになっていると、それは突然やってきた。
バチンと大きな音が部屋に響き、むき出しのケツにジーンとした痛みが広がる。それも一回だけでなく、立て続けにバチンバチンと連発される。
「痛っ、え? 痛ぇっ! 先輩、ちょ、痛いよ!」
手足をばたつかせ抵抗を試みるが、全く自由がきかず、されるがままにケツを叩かれる。感覚がなくなってくるケツと無言の先輩。オレは軽くパニックになった。楽しくセックスするはずが、どうしてこうなった!? 全力で頭を回すと、一つの可能性が浮かび上がってくる。
先輩が望んでいるのは、もしやSMプレイというやつでは……やたらオレを噛みたいとか言ってたし、先輩はオレが思ってる以上にアブノーマルな性癖を持っているのかもしれない。なら、それを受け止めてこそ理想の恋人だろう。先輩の性欲がぶつけられた結果を受け入れようと、グッと歯を食いしばり耐えて……
「痛いよ先輩! フツーに痛い! ぜんぜんエロい気持ちにならないよ!」
耐えられず振り返り全力で抗議すると、戸惑った顔をした先輩が一変して怒りを露わにした。
「このッ大馬鹿野郎!」
先輩の本気の怒声を聞き、オレはようやく気付く事が出来た。オレの接待が盛大な失敗に終わった事を。
尻叩きの刑から解放された時には、ケツは無惨に腫れ上がり、服を着るのも辛かった。けれど、そんな泣き言が許される空気でもなく、オレは先輩に言われるまま服を身につけ、布団の上へ正座をしてお裁きを待つ。
「なんで怒られたか、ちゃんと分かってるか」
いつもの暢気さも朗らかさもない先輩の声。ちらりと顔を上げると、その顔にも怒りがしっかり張り付いており、オレは慌てて視線を床へと逸らせた。
「……っ!」
冷たく見下ろされ、心細さが半端ない。その上、自分の体に起こっている事情を考えると、静かに泣くしかなかった。
「……どうした?」
「うぅう……ケツに仕込んだローションが漏れてきて気持ち悪い」
素直に白状すると、先輩は有無を言わせずオレを抱え込み、これまた乱暴にケツから漏れるローションをふき取った。そして事前に用意していたらしい温かい濡れタオルで、ケツと足にある落書きをゴシゴシ擦って消される。腫れたケツは痛いし、漏れてる分は乱暴に拭くのに、中はちゃんと慎重に指でかきだされる羞恥に今更ながら体が震える。
「……ごめんなさい」
ケツと指を拭いたティッシュをゴミ箱に投げ捨てる先輩の背中に向かって、謝罪を口にする。体の震えが乗っかり、声は途中で掠れてしまう。
「本当にごめん。馬鹿な事して……」
先輩の方をまともに見ることも出来ず、後悔ばかりが吐き出される。冷えた空気以上に先輩の視線なんだろうか、体に感じる冷気は堪えた。
「先輩の言ってる事ちゃんと聞かなくてごめん。でも、先輩にして貰ってばっかりなのを少しでも返したかったんだ」
言い訳に対して先輩の反応はない。その分、心の中で自分の声がツッコミを入れてくる。恩を徒で返すとは正にこの事だなと。
「俺は……お前にこんな事して欲しくなかった」
突き放すような響きに身がすくむ。いつも笑って許してくれる先輩とは別人で、自分のしでかした事がどれだけ先輩を傷つけたか思い知る。
「部屋まで連れて行く。少し頭を冷やせ」
そう言うと先輩はオレを担ぎ上げた。まるでゴミでも捨てに行くかのようで、惨めったらしくオレは泣いた。
「……ゆっくり移動するが、痛かったら言え」
腫れたケツに触れないようしてくれているのだと気付けて、情けなさは跳ね上がったが安堵してしまった。
途中で何か話しかけようと試みたが、先輩の雰囲気に呑まれて沈黙を守った。けれど、部屋の前まで送り届けてくれた先輩は、何も言わずに戻ってしまい、残されたオレは暫くその場を動けなかった。
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