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蜜月
玄関開けたら…
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先輩との関係は一進一退というより、全面的にオレの完全敗北だった。柏木の力を借りずとも、自力で先輩を気持ちよくするという目標は無謀だと悟るのに二回もかからなかった。
そんな訳で、唯一持っていた参考資料を読み解き、ついに気付いてしまった。これはエロい……そう確信して、オレは手にした冊子を柏木に見せる。
「これなんか、いいと思うんだが……」
夏休みに餞別で貰ったエロマンガ、圏ガクへ来るまで見た事のなかったエロさが全開のページを差し出すと、柏木は吟味するよう真剣な顔で舐めるように見つめた。
「いいでしょう。まさか君がこのような趣向を選ぶなんて思いませんでした。肉便器としての自覚が芽生えているようで嬉しい限りです。これならば何度も経験があります。大変喜ばれる事を保証しますよ」
溜めに溜めた後、柏木は実に大真面目な顔でそう言った。客観的に見れば実に馬鹿らしいが、知らず緊張していたオレはホッと胸を撫で下ろす。
「しかし、この絵を再現するだけではいけません。金城先輩の為に細部をアレンジする必要があるでしょう」
不謹慎そのものであるマンガを挟み、大真面目に議論するオレらは間違いなく異常だった。けれど、ここで引き下がれる程オレは賢くなかった。
「う、うん。そうだよな、マンガでは女だし、そのまま使うのは無理あるよな」
「勘違いしてはいけません。男も女も同じです。確か夜会の記録映像に同じシチュエーションがあったはずです。それを見れば君の貧しい想像力を補えるでしょう、さっそく」
「それはいい! つーか断固拒否だ!」
そうして、オレは必要な道具の調達を頼み、早速週末に挑む事にした。
接待には入念な準備が必要だ。
その時間を捻出する為、先輩の部屋に向かう道中あらかじめ私物を隠し、落とし物を偽装する。移動中にさりげなく落とすというアイデアもあったが、先輩はその瞬間に気付くだろうと柏木から指摘されたので採用した案だったが、結果的に先輩を騙す形になってしまったのは心苦しかった。全く疑う事なく部屋を出て行く背中を見送り、もう後には引けなくなった後、その分しっかり満足させてやればいいと小さな嘘には目を瞑る。
「今日もちゃんとヤル気あるな、先輩」
相変わらず、準備万端な先輩の部屋でオレは予定通り、こちらの準備を始める。
矢野君に頼み込み、隣の部屋へと事前に持ち込んでいた道具を回収。とは言え、そんな大袈裟な物はない。自分で注入しやすいよう容器の先が細くなっているローションと、水性のペン、それから置き鏡。
「…………」
完成図を想像して躊躇っている余裕はない。オレは電気ストーブをオンにして、自分をセッティングする台座を布団と寝袋で作った。
そして、全てを見届ける位置に鏡を置く。ここまでは何度も予行演習をしたので、もちろんミスはない。即座に服を脱ぎ捨て、水性ペンのキャップを外し口にくわえ、ケツ穴が見える高さで足を抱える。
「よし……書くぞ……『先輩専用』……いや、待てよ」
何度も練習したと言うのに、その内容のまずさに今更気付いてしまう。そこまで気にしないかもしれないが、オレにとって「先輩」に当たる人物全てが当てはまっているようにも見えてしまう。そんな悪夢は冗談ではない。
「なら、名前を入れよう。先輩じゃあなく『金城先輩』……いや、なんか余所余所しいな。えぇい、こんな格好して恥ずかしがっている意味が分からん! 『勝家先輩専用』だ!」
下の名前で呼び合うとか恋人っぽくていいじゃん。ただ、練習していない漢字をこの体勢で書くのは難しく、かろうじて読めるかなというレベルになってしまった。
「自分の名前だし、ちゃんと読めるよな。あ、ひらがなとかでもよかったな……あーもう、反省は後だ。次が最難関だしな」
ここまでは予行演習をしてきたので問題はないのだが、ケツ穴を慣らす所まで柏木に見せるのは抵抗があったので生徒会室ではやっていないのだ。なので、ここからはぶっつけ本番だったりする。
中に仕込む事を目的とした形状のローションをケツにあてがう。細さのおかげで、特に苦労する事なく中に入ってくれる。ゆっくりボトル部分を押すと、当然の事ながらローションの冷たさが腹から熱を奪っていく。
中にたっぷりとローションを仕込み、今度は指先に軽く垂らし自分で肛門を慣らす。先輩に毎週やってもらっているせいか、意外と手こずる事なく、やわらかくなっているように思えた。
「よし、いい感じだ。先輩、早く戻って来ないかな」
完成図を鏡で確認する。うん、出来てる。題して「玄関開けたら三秒で合体」だ。いつもセックスの度に苦労をかけているので、それを全部すっとばし単なる性欲をぶつけて貰おうというのがコンセプトだ。
面倒な事を省けたら、先輩ももっとセックスに積極的になってくれる……はず。自分で足を抱えてケツ穴さらけ出した格好のせいか、刻々と不安も増してくるのだが、きっと今に先輩が扉を開けて帰って……。
「セイシュン、落とした物ってこれ………………」
開いたはずの扉が一瞬で閉じられた。
そんな訳で、唯一持っていた参考資料を読み解き、ついに気付いてしまった。これはエロい……そう確信して、オレは手にした冊子を柏木に見せる。
「これなんか、いいと思うんだが……」
夏休みに餞別で貰ったエロマンガ、圏ガクへ来るまで見た事のなかったエロさが全開のページを差し出すと、柏木は吟味するよう真剣な顔で舐めるように見つめた。
「いいでしょう。まさか君がこのような趣向を選ぶなんて思いませんでした。肉便器としての自覚が芽生えているようで嬉しい限りです。これならば何度も経験があります。大変喜ばれる事を保証しますよ」
溜めに溜めた後、柏木は実に大真面目な顔でそう言った。客観的に見れば実に馬鹿らしいが、知らず緊張していたオレはホッと胸を撫で下ろす。
「しかし、この絵を再現するだけではいけません。金城先輩の為に細部をアレンジする必要があるでしょう」
不謹慎そのものであるマンガを挟み、大真面目に議論するオレらは間違いなく異常だった。けれど、ここで引き下がれる程オレは賢くなかった。
「う、うん。そうだよな、マンガでは女だし、そのまま使うのは無理あるよな」
「勘違いしてはいけません。男も女も同じです。確か夜会の記録映像に同じシチュエーションがあったはずです。それを見れば君の貧しい想像力を補えるでしょう、さっそく」
「それはいい! つーか断固拒否だ!」
そうして、オレは必要な道具の調達を頼み、早速週末に挑む事にした。
接待には入念な準備が必要だ。
その時間を捻出する為、先輩の部屋に向かう道中あらかじめ私物を隠し、落とし物を偽装する。移動中にさりげなく落とすというアイデアもあったが、先輩はその瞬間に気付くだろうと柏木から指摘されたので採用した案だったが、結果的に先輩を騙す形になってしまったのは心苦しかった。全く疑う事なく部屋を出て行く背中を見送り、もう後には引けなくなった後、その分しっかり満足させてやればいいと小さな嘘には目を瞑る。
「今日もちゃんとヤル気あるな、先輩」
相変わらず、準備万端な先輩の部屋でオレは予定通り、こちらの準備を始める。
矢野君に頼み込み、隣の部屋へと事前に持ち込んでいた道具を回収。とは言え、そんな大袈裟な物はない。自分で注入しやすいよう容器の先が細くなっているローションと、水性のペン、それから置き鏡。
「…………」
完成図を想像して躊躇っている余裕はない。オレは電気ストーブをオンにして、自分をセッティングする台座を布団と寝袋で作った。
そして、全てを見届ける位置に鏡を置く。ここまでは何度も予行演習をしたので、もちろんミスはない。即座に服を脱ぎ捨て、水性ペンのキャップを外し口にくわえ、ケツ穴が見える高さで足を抱える。
「よし……書くぞ……『先輩専用』……いや、待てよ」
何度も練習したと言うのに、その内容のまずさに今更気付いてしまう。そこまで気にしないかもしれないが、オレにとって「先輩」に当たる人物全てが当てはまっているようにも見えてしまう。そんな悪夢は冗談ではない。
「なら、名前を入れよう。先輩じゃあなく『金城先輩』……いや、なんか余所余所しいな。えぇい、こんな格好して恥ずかしがっている意味が分からん! 『勝家先輩専用』だ!」
下の名前で呼び合うとか恋人っぽくていいじゃん。ただ、練習していない漢字をこの体勢で書くのは難しく、かろうじて読めるかなというレベルになってしまった。
「自分の名前だし、ちゃんと読めるよな。あ、ひらがなとかでもよかったな……あーもう、反省は後だ。次が最難関だしな」
ここまでは予行演習をしてきたので問題はないのだが、ケツ穴を慣らす所まで柏木に見せるのは抵抗があったので生徒会室ではやっていないのだ。なので、ここからはぶっつけ本番だったりする。
中に仕込む事を目的とした形状のローションをケツにあてがう。細さのおかげで、特に苦労する事なく中に入ってくれる。ゆっくりボトル部分を押すと、当然の事ながらローションの冷たさが腹から熱を奪っていく。
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「セイシュン、落とした物ってこれ………………」
開いたはずの扉が一瞬で閉じられた。
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