2 / 15
新たな出発
しおりを挟むルーク様の言葉は、全部嘘だったのですね。
全く気づかなかったなんてバカですね。
嘘の言葉で騙され、旦那様を愛してしまうなんて……本当にバカ。
荷造りしながら、自分のバカさ加減に呆れるシャーロット。
ルークがシャーロットと結婚する前の爵位は、子爵だった。3年前、シャーロットが嫁いで直ぐに、ルークが治めていた国境近くの小さな村に魔物の大群が向かって来たのだが、シャーロットは結界を張り、村は無事だった。
それまでその村は、魔物に襲われる事が多々あり、ルークは頭を抱えていた。そんな時に、シャーロットと出会ったのだった。
村を魔物の大群から無傷で守った功績をたたえられ、ルークは伯爵へと陞爵したのだった。小さな村だったが、この村が魔物の大群に壊滅されていたら、王都まで攻め込まれていただろう。
伯爵になった事で、国王から土地を授かり、治める領土が広くなっていた。シャーロットは毎日広い領土に結界を張り続けていた。そのせいか、寝不足でクマが酷く肌が荒れ、気疲れで顔色も悪く青白い。髪はいつもボサボサで、色気も何もない。
最近の私は、酷い容姿なのは分かっていました。結界の為とはいえ、女性として、妻としては失格でしょう。ですが、旦那様は最初から私に興味がなかった……欲しかったのは、聖女の力なのだから、これが旦那様の望み通りだったということですね。
私は……旦那様に、一度も抱かれたことはありませんでした。そんなことをしてしまったら、聖女の力がなくなってしまうかもしれないと、旦那様は私に手を出しませんでした。……興味のない女に、手を出さなかっただけではないですか。
もう、過ぎたことを考えるのはやめやめ! これから、どうしましょう。 19歳になったので、孤児院には戻れませんし……とりあえず、王都に行ってみようかな。
聖女として、何かお仕事があるかもしれません。
シャーロットは離婚の書類にサインをし、荷物を持ち、邸を出て行く為に玄関へと向かっていると……
「シャーロット様! お待ちください!」
使用人のトーマスに呼び止められた。
「トーマス……ごめんなさい。私は、ここを出ていくわ。 」
トーマスは使用人の中でたった一人だけ、孤児院育ちの私をバカにしなかった。それだけではなく、毎日結界を張り続けていた私を気遣ってくれていた。平和なのが当たり前になった事で、私なんて必要ないと使用人達が噂していた時も、庇ってくれた。
「俺も一緒にいきます!」
「え? 私はお金もないし、あなたを雇うことも出来ない。だから……」
「何を言われても、ついて行きます。お金などいりません。友として、今まで俺達を守ってくださった恩返しをさせて下さい!」
「トーマス……ありがとう。何も持たない私だけど、一緒に行きましょう!」
「ありがとうございます! さあ、こんなとこさっさと出ましょう!」
トーマスはシャーロットが持っていた荷物を持ち、歩き出した。
一人ぼっちになるのはちょっと心細かったから、トーマスに感謝しなくちゃ!
181
あなたにおすすめの小説
殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。
和泉鷹央
恋愛
雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。
女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。
聖女の健康が、その犠牲となっていた。
そんな生活をして十年近く。
カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。
その理由はカトリーナを救うためだという。
だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。
他の投稿サイトでも投稿しています。
本日、私の妹のことが好きな婚約者と結婚いたしました
音芽 心
恋愛
私は今日、幼い頃から大好きだった人と結婚式を挙げる。
____私の妹のことが昔から好きな婚約者と、だ。
だから私は決めている。
この白い結婚を一年で終わらせて、彼を解放してあげることを。
彼の気持ちを直接聞いたことはないけれど……きっとその方が、彼も喜ぶだろうから。
……これは、恋を諦めていた令嬢が、本当の幸せを掴むまでの物語。
姉妹同然に育った幼馴染に裏切られて悪役令嬢にされた私、地方領主の嫁からやり直します
しろいるか
恋愛
第一王子との婚約が決まり、王室で暮らしていた私。でも、幼馴染で姉妹同然に育ってきた使用人に裏切られ、私は王子から婚約解消を叩きつけられ、王室からも追い出されてしまった。
失意のうち、私は遠い縁戚の地方領主に引き取られる。
そこで知らされたのは、裏切った使用人についての真実だった……!
悪役令嬢にされた少女が挑む、やり直しストーリー。
氷の王弟殿下から婚約破棄を突き付けられました。理由は聖女と結婚するからだそうです。
吉川一巳
恋愛
ビビは婚約者である氷の王弟イライアスが大嫌いだった。なぜなら彼は会う度にビビの化粧や服装にケチをつけてくるからだ。しかし、こんな婚約耐えられないと思っていたところ、国を揺るがす大事件が起こり、イライアスから神の国から召喚される聖女と結婚しなくてはいけなくなったから破談にしたいという申し出を受ける。内心大喜びでその話を受け入れ、そのままの勢いでビビは神官となるのだが、招かれた聖女には問題があって……。小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢のミレナは、双子の妹キサラより劣っていると思われていた。
婚約者のルドノスも同じ考えのようで、ミレナよりキサラと婚約したくなったらしい。
排除しようとルドノスが突き飛ばした時に、ミレナは前世の記憶を思い出し危機を回避した。
今までミレナが支えていたから、妹の方が優秀と思われている。
前世の記憶を思い出したミレナは、キサラのために何かすることはなかった。
婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
日下奈緒
恋愛
アーリンは皇太子・クリフと婚約をし幸せな生活をしていた。
だがある日、クリフが妹のセシリーと結婚したいと言ってきた。
もしかして、婚約破棄⁉
〖完結〗婚約者の私よりも、ご自分の義妹ばかり優先するあなたとはお別れしようと思います。
藍川みいな
恋愛
婚約者のデイビッド様は、とても誠実で優しい人だった。義妹の、キルスティン様が現れるまでは。
「エリアーナ、紹介するよ。僕の義妹の、キルスティンだ。可愛いだろう?」
私の誕生日に、邸へ迎えに来てくれたはずのデイビッド様は、最近出来た義妹のキルスティン様を連れて来た。予約していたレストランをキャンセルしたと言われ、少しだけ不機嫌になった私に、 「不満そうだね。キルスティンは楽しみにしていたのに、こんな状態では一緒に出かけても楽しくないだろう。今日は、キルスティンと二人でカフェに行くことにするよ。君は、邸でゆっくりすればいい」そう言って、二人で出かけて行った。
その日から、彼は変わってしまった。私よりも、義妹を優先し、会うこともなくなって行った。
彼の隣に居るのは、いつもキルスティン様。
笑いかけてもくれなくなった彼と、婚約を解消する決意をする。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
感想の返信が出来ず、申し訳ありません。感想ありがとうございました。
嬉しい感想や、自分では気付かなかったご意見など、本当にいつも感謝しております。
読んでくださり、ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる