〖完結〗旦那様は私よりも愛人を選ぶそうです。

藍川みいな

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ダナ村の人々

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 「ダナ村の? じゃあ、トーマスも……?」

 「今まで、黙っていてすみません。俺はシャーロット様に救われ、シャーロット様にお仕えしたくてあの邸の使用人になったのです。」

 だから、私の事をあんなに気遣ってくれてたんだ。私の為に、あの邸に来てくれたなんて、なんだか嬉しい。

 「シャーロット様、二度も助けていただき、本当にありがとうございます! トーマスもありがとう!」
  
 「お姉ちゃん、お兄ちゃん、おじいちゃんを助けてくれてありがとう!」
   
 「俺は何もしてない。けど、ケガが治ってよかった!」

 「これからはお孫さんに心配かけないように、気を付けてくださいね。」

 「気を付けます。ところで、シャーロット様とトーマスはどこかに行くところだったのですか?」

 「王都に行こうと思いまして。」

 「歩いてですか? 3ヶ月以上かかりますよ!?」

 「急いでるわけではないので……」

 お金がなくて、馬車に乗れないとは言えない……

 「ワシらはダナ村に帰るところだったのですが、荷台でよかったら、次の町まで乗って行きますか? 」

 「良いんですか?」

 「もちろんです! シャーロット様には、本当に感謝してます。こんな事しか出来ず、申し訳ないのですが……そうだ! よかったらダナ村に寄っていってください! シルバード子爵様もお喜びになります!」
 
 ルークが伯爵になった後、ダナ村をシルバード子爵に譲り渡していたのだが、ルークの領地でなくなってからも、シャーロットは3年前からずっとダナ村に結界を張り続けていた。

 「ダナ村にですか? ……そうですね。行きましょうか。」

 トーマスの故郷なら、きっと帰りたいはず。

 「そうと決まったら、行きましょう!」

 「わぁい! お姉ちゃん達も村に来るの?」

 「ダナ村かあ、久しぶりです。」

 シャーロットとトーマスは荷台に乗せてもらい、馬車はダナ村へと走り出した。3時間ほど走ったところで、ダナ村が見えて来た。

 「そんなに長く住んでいなかったのに、なんだか懐かしい。トーマスのご両親は、今もダナ村に?」

 「両親はダナ村で食堂をしているんです。シャーロット様が来たのを知ったら、二人共驚きます!」

 両親かぁ……私にはいなかったから、トーマスが羨ましい。帰る故郷も帰る家も待っててくれる家族もいるんだね。

 ダナ村へと到着し、私達をトーマスのご両親の食堂の前に降ろしてくれた。

 「ワシ達は荷物を下ろしたらまた来ますので、美味しいもの沢山食べて休んでいてください。」

 「お姉ちゃん、あとでねー!」

 「分かりました。気を付けてくださいね。」

 荷馬車は、シルバード子爵邸へと向かって行った。

 「ここが、トーマスの実家の食堂なんだね。」

 「ウチの店は、卵料理が絶品なんです! ぜひ、シャーロット様に食べて欲しいです!」

 「食べたい! お腹が空いたー! 」

 店の入口のドアを開いて中へと入ると、いい匂いが漂って来た。

 ぐうううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!

 盛大なお腹の音が、店中になり響いた。

 え"!?
 ばかばかばか! 私のお腹のばかー!

 「クスクス……」
 「今のは凄かったな。」

 恥ずかし過ぎて、顔を真っ赤にしていると……

 「すみません! 腹減りすぎて、なっちゃった……」

 トーマスは、自分のお腹の音だと周りの人に思わせてくれた。

 「トーマス!? いつ帰ってきたの!?」

 優しそうな女性が、トーマスに駆け寄る。

 「母さん、ただいま。腹が減ってるから、何か食わせて。」

 「帰って来てそうそう、仕方のない子ね。……そちらの方は、まさか……」

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