〖完結〗旦那様は私よりも愛人を選ぶそうです。

藍川みいな

文字の大きさ
11 / 15

シャーロットの危機

しおりを挟む

 「お前は私の妻だ!! ダルダナートが心配ではないのか!? 私とお前の街だぞ!?」
 
 「ダルダナートは、領主であるルーク様の街です。私は関係ありません。こんな所にいてもいいのですか? 街を守るのは、ルーク様の務めです!」

 「シャーロット……頼む……助けてくれ! お前がいないと、私は終わりだ!」

 「……ルーク様、私はもう、戻りません。どうか、お元気で。」

 その瞬間、ルークは豹変した!

 「この私が、これほど頼んでいるのに、お前は何様だ!? おい! シャーロットを馬車に乗せろ!」

 控えていた兵が、シャーロットを取り囲み、腕を掴んだその瞬間……

 「シャーロット様に、汚い手で触るな!!」

 ロベルトが送った兵士から、ルークがシャーロットを追っていることを知らされたトーマスは、急いで戻って来ていた。

 「トーマス!!」

 「なんだ。誰かと思ったら、消えた使用人ではないか。お前はずっと、シャーロットが好きだったよな。」

 ルーク様は何をおっしゃっているのでしょう? 

 「あんたみたいな奴に、シャーロット様は渡さない!!」

 トーマスは兵士に向かって殴りかかった!

 ドスッ! ボブっ!! ガッ!!! ガンッッ!!!

 トーマスはあっという間に、兵士達を倒してしまった!

 「シャーロット様、大丈夫ですか?」

 トーマスがこんなに強いなんて、意外だった。

 「な!? 貴様……!!」

 「ルーク様、お戻りになって、ダルダナートを守ってください。私はもう、助けて差し上げることは出来ません。さようなら。」

 「シャーロット様、次の町まで行きましょうか。」

 「ええ。そうしましょう。」

 馬車に乗り込み去っていくシャーロット達を、ルークは黙って見届けるしかなかった。



 「それにしても、トーマスがあんなに強いなんて知らなかった。」

 「俺はダナ村の出身ですよ? シャーロット様が守ってくださるまでは、村はしょっちゅう魔物に襲われていたんです。魔物を倒しながら育ったので、あんな兵士ごとき楽勝ですよ!」

 珍しくドヤ顔をしているトーマスが、なんだか可愛く思えた。

 「シャーロット様、大変です……」
 
 「どうしたの?」

 「次の町まで8時間はかかりそうです。ですので、今日は野宿になるかと……」

 「ルーク様のせいね! 別に野宿でもいいわ。焦らずゆっくり、王都を目指しましょう。」

 トーマスは、今日は眠れそうにないと覚悟を決めたのだった。

しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。

和泉鷹央
恋愛
 雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。  女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。  聖女の健康が、その犠牲となっていた。    そんな生活をして十年近く。  カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。  その理由はカトリーナを救うためだという。  だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。  他の投稿サイトでも投稿しています。

本日、私の妹のことが好きな婚約者と結婚いたしました

音芽 心
恋愛
私は今日、幼い頃から大好きだった人と結婚式を挙げる。 ____私の妹のことが昔から好きな婚約者と、だ。 だから私は決めている。 この白い結婚を一年で終わらせて、彼を解放してあげることを。 彼の気持ちを直接聞いたことはないけれど……きっとその方が、彼も喜ぶだろうから。 ……これは、恋を諦めていた令嬢が、本当の幸せを掴むまでの物語。

姉妹同然に育った幼馴染に裏切られて悪役令嬢にされた私、地方領主の嫁からやり直します

しろいるか
恋愛
第一王子との婚約が決まり、王室で暮らしていた私。でも、幼馴染で姉妹同然に育ってきた使用人に裏切られ、私は王子から婚約解消を叩きつけられ、王室からも追い出されてしまった。 失意のうち、私は遠い縁戚の地方領主に引き取られる。 そこで知らされたのは、裏切った使用人についての真実だった……! 悪役令嬢にされた少女が挑む、やり直しストーリー。

氷の王弟殿下から婚約破棄を突き付けられました。理由は聖女と結婚するからだそうです。

吉川一巳
恋愛
ビビは婚約者である氷の王弟イライアスが大嫌いだった。なぜなら彼は会う度にビビの化粧や服装にケチをつけてくるからだ。しかし、こんな婚約耐えられないと思っていたところ、国を揺るがす大事件が起こり、イライアスから神の国から召喚される聖女と結婚しなくてはいけなくなったから破談にしたいという申し出を受ける。内心大喜びでその話を受け入れ、そのままの勢いでビビは神官となるのだが、招かれた聖女には問題があって……。小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

夫で王子の彼には想い人がいるようですので、私は失礼します

四季
恋愛
十五の頃に特別な力を持っていると告げられた平凡な女性のロテ・フレールは、王子と結婚することとなったのだけれど……。

婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました

天宮有
恋愛
伯爵令嬢のミレナは、双子の妹キサラより劣っていると思われていた。 婚約者のルドノスも同じ考えのようで、ミレナよりキサラと婚約したくなったらしい。 排除しようとルドノスが突き飛ばした時に、ミレナは前世の記憶を思い出し危機を回避した。 今までミレナが支えていたから、妹の方が優秀と思われている。 前世の記憶を思い出したミレナは、キサラのために何かすることはなかった。

婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました

日下奈緒
恋愛
アーリンは皇太子・クリフと婚約をし幸せな生活をしていた。 だがある日、クリフが妹のセシリーと結婚したいと言ってきた。 もしかして、婚約破棄⁉

〖完結〗婚約者の私よりも、ご自分の義妹ばかり優先するあなたとはお別れしようと思います。

藍川みいな
恋愛
婚約者のデイビッド様は、とても誠実で優しい人だった。義妹の、キルスティン様が現れるまでは。 「エリアーナ、紹介するよ。僕の義妹の、キルスティンだ。可愛いだろう?」 私の誕生日に、邸へ迎えに来てくれたはずのデイビッド様は、最近出来た義妹のキルスティン様を連れて来た。予約していたレストランをキャンセルしたと言われ、少しだけ不機嫌になった私に、 「不満そうだね。キルスティンは楽しみにしていたのに、こんな状態では一緒に出かけても楽しくないだろう。今日は、キルスティンと二人でカフェに行くことにするよ。君は、邸でゆっくりすればいい」そう言って、二人で出かけて行った。 その日から、彼は変わってしまった。私よりも、義妹を優先し、会うこともなくなって行った。 彼の隣に居るのは、いつもキルスティン様。 笑いかけてもくれなくなった彼と、婚約を解消する決意をする。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 感想の返信が出来ず、申し訳ありません。感想ありがとうございました。 嬉しい感想や、自分では気付かなかったご意見など、本当にいつも感謝しております。 読んでくださり、ありがとうございました。

処理中です...